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「突然、僕に姉が出来ました。」 Part16

ーーーーーーーー過去ーーーーーーーー

〇〇:莉奈、学校に行くよ〜!

莉奈:もうちょっと待ってて〜!!

莉奈の引きこもりが治って数ヶ月が経ち今は体力も回復し普通に学校へ行けるようになってる

莉奈:ごめんね、じゃあ行こ!

〇〇:いいよ、行こっか

莉奈:やっぱり〇〇は優しいね

〇〇:僕は優しくないよ、普通だって

莉奈:えー、そうかな?

ーーーーーーーーーーーーーーーー

最近、僕は莉奈と一緒に居ると身体の体温が上がって胸の鼓動が激しく鳴ってしまう

無意識に莉奈の方へ視線を向けてたり、無意識に莉奈の事を考えている時がある

今まで感じた事のない感覚で戸惑うけど、これはもしかして「恋」ってやつなのかな

ーーーーーーーーーーーーーーーー

莉奈:ねぇ!〇〇!!

〇〇:ん…?あ、ごめん、どうしたの?

莉奈:やっぱり!話聞いてないじゃん!!

〇〇:え?話って?

莉奈:もういいです〜!私拗ねました〜!!

〇〇:え!拗ねないで!今度はちゃんと話を聞くから!!

莉奈:い〜や〜で〜す〜!!

〇〇:ほんとにごめん!何でもするから許して!!

莉奈:ふ〜ん、今何でもするって言ったね?

〇〇:え?うん、言ったよ?

莉奈:ふふっ、じゃあ覚悟してね?

〇〇:それって、どういうこと!?

莉奈:さてさて、どんなお願いしようかな〜?

悪戯な笑みを浮かべてそう呟いた

〇〇:ぼ、僕が出来ることにしてね…?

莉奈:そんなの分かってるって〜

〇〇:それならいいけどさ

莉奈:じゃあ、夜に電話してお願い事言うから

〇〇:わかった

ーーーーーーーー〇〇の家ーーーーーーーー

夜になり突然〇〇の携帯が鳴り始めた

〇📞:もしもし?

莉📞:あ、〇〇?

〇📞:莉奈か、電話を掛けてきたって事は、お願い事決まったの?

莉📞:決まったよ、明日さ学校休みじゃん?

〇📞:うん、そうだね

莉📞:だから、私とショッピングモールに行こ!

〇📞:え?ショッピングモール?

莉:うん、もちろん〇〇は荷物持ちだからね?

〇📞:あはは〜…ですよね〜…

莉📞:じゃあ、明日迎えに行くね?

〇📞:わかった、また明日ね

莉📞:うん、おやすみ〇〇

〇📞:おやすみ、莉奈

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〇〇:ん…っ、眩し過ぎる…朝か…

着替えを持ち部屋を出て浴室に行ってシャワーを浴びた

〇〇:さっぱりした、少しくらいご飯食べようかな

数十分後、インターホンが鳴った

〇〇:はーい

莉奈:〇〇〜迎えに来たよ〜

〇〇:ありがと、ちょっと待ってて?

莉奈:うん、わかった

〇〇はリビングに戻り肩がけバッグを持って家を出た

〇〇:ショッピングモールで何買うの?

莉奈:ん〜、洋服は買おうかなって思ってる

〇〇:そうなんだ

莉奈:〇〇は何か買うの?

〇〇:ん〜、気分次第かな?欲しいなって思ったのがあれば買うって感じ

莉奈:そっか〜

横断歩道を渡ろうとした瞬間、〇〇達の身体に強い衝撃を受けた

〇〇:っ…痛ってぇ…何が起きたんだ…あ…莉奈は!?

周りを見渡すとそこには頭から血を流す莉奈が倒れていた

〇〇:莉奈…!(クソ…っ、片脚折れてる…)

折れた片脚を引き摺りながら莉奈の元へ行った

男:あの車逃げて行ったぞ!!

女:先に救急車と警察に電話しないと!

男:そうだな、電話しよ!

〇〇:莉奈…莉奈…っ!

莉奈:っ…〇〇…大丈夫…?

〇〇:僕は大丈夫だよ、だから…っ

莉奈:そっ…か…よかった…

〇〇:だめ!寝ちゃだめだ!!

莉奈:わかったよ…っ、

〇〇:大丈夫だから…っ、絶対に助かるから…!

出血している所にハンカチを当て抑えた

〇〇:血が流れ過ぎてる…っ

数分後に救急車が到着し〇〇達は病院へと搬送された

〇〇:……(僕が…もっと周りを見ていれば…こんな事にはならなかったのに…)

莉母:莉奈…っ!!

〇〇:莉奈のお母さん…すみません…

莉母:〇〇くんは…大丈夫なの…?

〇〇:はい…色々な箇所が骨折とかヒビとか入ってますけど…

莉母:そう…

〇〇:お父さんは…来てないんですか…?

莉母:今こっちに向かって来てるわ…

ーーーーーーーー数時間後ーーーーーーーー

手術中の表示灯の赤ランプが消えて医者達が出てきた

莉母:娘は…娘は無事なんですか!?

莉父:娘は助かったんですか!?

医者:残念ながら…助かりませんでした…

〇〇:え…

莉母:そんな…いやよ…っ!!

膝から崩れ落ち莉奈の母親は涙を零していた

莉奈の身体は出血が酷過ぎた為輸血をしたが脳の損傷や臓器の損傷が酷く助からなかったと言う

〇〇:莉奈が…死んだ……?

莉父:母さん…帰ろ…

莉奈の父親は莉奈の母親を支えて病院を出て行った

〇〇:僕の…僕のせいだ…っ

〇〇:うわぁぁぁぁあ!!!

ーーーーーーーーーーーーーーーー

〇〇:…退院か……

あれから数週間が経ち、僕は退院する事になった

まだ左脚は骨折したままだけど松葉杖があれば普通に歩けるまでに回復した

大切な幼馴染で好きな人を失ったあの日から、僕の中で感情が壊れる感覚がした

ご飯食べても美味しいと思わなくなった、正直味と匂いを感じてるのかも分からない

僕の瞳に映る景色全てが灰色になっていった

嬉しいとか楽しいとか幸せとかそんな事を思える綺麗な感情を失った

僕の中に残った感情は負の感情だけだった

僕の中でずっと苦しい辛い死にたい消えたいこの感情が渦巻いている

ーーーーーーーーーーーーーーーー

〇父:〇〇…父さんが莉奈ちゃんの葬式出たからな

〇〇:うん…ありがとう…

虚ろな目で少し俯きながら部屋に戻って行った

〇父:これは時間が経つのを待つしかないかな…

それから数ヶ月が経ち〇〇に変わった様子はなかった

〇父:お、〇〇髪染めたのか?

〇〇:うん…

〇〇の髪は綺麗な真っ白に染めていた

〇父:学校はどうする?

〇〇:行かない…もう行く意味ないから……

虚ろな目のまま部屋に入り引きこもってしまった

〇父:あ、〇〇…!はぁ…簡単に心の傷は癒えないか…

〇父:とりあえず、夜ご飯の買い物でもしてくるから

〇〇:外には出たくないんだ…人が多い所は嫌なんだ…

ヘッドホンを付けて〇〇はスマホで動画を見始めた

僕は1日中ベッドで寝ながらヘッドホン付けて動画見る生活をしている

その日1日は何も食べないで飲み物だけの時もある、基本は1日1食しか食べない

毎日体調が悪い、ものすごく体調が悪くなる時もある、吐いたり、ストレスで鼻血が大量に出る

外に出れば一瞬で体調が悪くなって、心臓が痛くなって上手く息が出来なくなる

人の視線が僕に集まってる感じがして、怖い喋り声が僕の事を悪く言われてるように聞こえる

最近は表情と声と目を見れば相手がどう思ってるか、その人の感情が分かる、嘘ついている事も分かるようになった

僕の精神状態はずっとずっと不安定なままだ

心は真っ黒に染まって、光が見えずに暗い底なしの海にどんどん沈んで行く

今の僕には生きる意味を失って、自分の価値が見出せない

でも、死ぬのが怖くて…死ねない…

〇〇:やば…もう朝じゃん…

〇〇:今から寝よ…

〇〇:眠ったまま…死ねたら楽なのにな…

そんなことを呟きながら目を瞑り深い眠りに入った

ーーーーーーーー数時間後ーーーーーーーー

〇父:なぁ、〇〇話があるんだ

〇〇:なに…?

〇父:〇〇達の車に轢かれた話なんだが…

〇〇:その話は…やめて…

〇父:だめだ、ちゃんと話を聞いてほしい

〇〇:わかったよ…

父さんから事故のことを全部聞いた

僕達を轢いた運転手は酒を相当飲んでたらしい

俗に言う飲酒運転ってやつだった、アルコールのせいで判断力と集中力と反射神経が相当鈍っていたみたいだ

酒で酔ってたなら、視界がぼやけてるように見えてただろうな

飲酒運転に信号無視に轢き逃げ相当罪が重すぎる

〇〇:飲酒運転…?

〇父:そうだ、相手は25歳の男らしい

〇〇:…ふざけんなよ!!絶対に許せない!!

〇〇:うわぁぁぁぁあ!!

〇父:落ち着け!大丈夫だから、自分のタイミングでいいから、少しずつ前を向いて行こ?な?

〇〇:はぁ…はぁ…わかった…

事故の話を聞いた日から更に人間としての欲が消えた

ヘッドホンつけて一日中パソコンの画面を見詰めて一日が過ぎていく

そんな生活をしていたある日

アイドルグループの動画がおすすめに表示された

〇〇:乃木坂…名前は聞いた事ある…再生してみよ

気になってアイドルグループの動画をクリックし再生した

〇〇:うわ、凄いな…

〇〇:キラキラしてる…僕の持ってない物を持ってる…

〇〇:乃木坂…調べてみよ

これがきっかけに〇〇は乃木坂を好きになり音楽に興味を持った

〇〇は乃木坂の番組やLIVE映像を見たり、曲を聴いたりして1日を過ごす事が多くなった

〇〇:乃木坂の曲…やっぱりいいな…

〇〇:イヤホン付けて音楽聴きながらなら外出れるかな…

〇〇:外出るのめっちゃ嫌だけど…いつかは出ないといけない…少しくらい慣れないとだな…

勇気を振り絞りドアノブを掴んで扉を開けて外に出た

〇〇:…っ、眩しい…

〇〇:音楽聴いてるから少し大丈夫かも

家の周りを少し散歩してすぐ家に帰って行った

〇〇:はぁ…疲れた…死ぬ…

部屋に入ってベッドの上に寝転んだ

〇〇:もう暫くは外に出たくないな…

〇〇:外出たせいで体調悪くなってきたし…

〇〇:少し寝ようかな…

ーーーーーーーー現在ーーーーーーーー

〇〇:まぁ、こんな感じだよ

蓮加:そうなんだ…

〇〇:今は少しマシになったけど

蓮加:もし、乃木坂に興味持ってなかったらさ…

〇〇:そりゃもちろん、死んでたよ

蓮加:…っ

〇〇:今はそんな事ないよ?

蓮加:そうなの…?

〇〇:うん、蓮加が姉弟になってから色々経験出来たし

〇〇:今は楽しいって思いながら生活してるよ

蓮加:そうなんだ、安心した…

〇〇:これからもっとしたい事も出来たし

蓮加:したいことって?

〇〇:それは秘密だよ

蓮加:えー!いいじゃん!教えてよ!!

〇〇:しーっ、教えません

蓮加:〇〇のけちんぼ

〇〇:けちんぼでいいよ〜だ

蓮加:むぅ、〇〇は今もその幼馴染の子が好きなの?

〇〇:まだ好きだよ、未練めっちゃタラタラだよね

蓮加:その子が羨ましいな…

〇〇:え?なんか言った?

蓮加:ううん!なんでもないよ!

〇〇:そっか

蓮加:もう夜だし、早く寝よ!

〇〇:あ、そうだね

蓮加:今日も一緒に寝るからね?

〇〇:わかったよ、先に行ってて?

蓮加:絶対に来てよ?

〇〇:うん、ちゃんと行くよ

蓮加は先にリビングを出て部屋へ行った

〇〇:蓮加だけは絶対に守る…

〇〇:もう二度とあんな思いも後悔もしたくない…

スマホの写真フォルダを開いて写真を見詰めていた

〇〇:莉奈…そろそろお墓参りしに行くよ、待っててね

〇〇:さて、早く部屋に行かないと怒られるから行こ

to be continued……

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