なんで面薬局開業したか。

はじめまして。
カバヘイです。
福岡県筑紫野市で500m以内にクリニックのないポツンと面薬局のだ薬局経営をしてます。

のだ薬局が開業して2年になりますので、なんで面薬局開業したかお話したいと思います。

拙い自分語りですが、お時間あれば、読んでいただけると嬉しいです。

私は元々病院薬剤師でした。病院薬剤師5年目くらいの時、病院の仕事は好きでしたが、ずっと病院で働くか迷っていました。

その時あたりにDMAT隊員に入隊したタイミングで熊本震災、九州北部豪雨、西日本豪雨と毎年のように九州が災害に見舞われ、DMAT隊員として災害現場、避難所等で災害派遣をしていくうちに地域の中で薬剤師として何かやりたいという想いが出てきました。

そして、病院7年目の時に、がん治療専門病棟配属となって、病棟での抗がん剤治療後に外来抗がん剤治療に切り替わり患者さんの退院が退院する時、薬局薬剤師さんには大変失礼ですが、いつも薬局さんはこの難しい抗がん剤治療のフォローができるだろうかと不安になりながら、いつも患者さんを送り出していました。
もしも、ここに任せれば大丈夫と言える薬局が地域の中に1軒でもあれば、病院薬剤師の立場として心強いなと思っていました。

この2つの出来事から、病院薬剤師にも患者さんにもうちの地域にはこの薬局が安心っ思ってもらえるような薬局を自分で作ればいいんじゃないかと思い、地域を守れる薬局を作ろうと決心し、病院を辞める事にしました。

どうせ作るなら、門前薬局じゃなくて、門前クリニックのない薬局がいいと思い、面薬局にしようと思ってました。この時は、病院しか知らず、薬価差益という言葉すら知らないくらいで、今思えば、世間知らずの甘ちゃんやったなと思います。

9年目になるときに病院を辞めて、薬局はとりあえずいろんな事を学べる総合病院の門前がどこでもいいと思ったので、何も考えずに家から徒歩5分の総合病院の門前薬局に電話し、すぐ就職が決まりました。

薬局に入って、仕事に慣れるのにも苦労しましたが、病院と薬局の仕事の違いに苦労しました。ホントに病院薬剤師と薬局薬剤師は全く異なる職業だなと痛感しました。
もう一つショックを受けたのが、薬局は立地優位という現実を痛感したことです。
私が働いていたA薬局は総合病院から20mくらいのかなりの好立地で、そこから50mくらい先にもう1軒B薬局がありました。A薬局はいつも1時間以上待ちでした。50m先にもB薬局はあり、待ち時間もあまりないです。
50m歩けば、15分くらいで薬がもらえるのに、ほとんどの人はB薬局に行かず、A薬局で1時間以上待って薬をもらっていました。特に接客がよいなどもなかったので、患者さんは薬局を質ではなく、近さだけで選んでいるという現実を思い知りました。

恥ずかしながら、ここで一度面薬局は無理だなと諦め、門前薬局からスタートしようと思いました。

それから、薬局で働きながら、門前薬局の案件を探して、いくつか案件はありましたが、素人すぎて、うまくいかず数年たちました。

ここで大きなチャンスが到来しました。知り合いの院長から「今の門前薬局とうまくいってないから、今の薬局を立ち退かせるので薬局をやってくれないか?」とお話をいただきました。総合病院で、何年も前から親交のある院長だったので、すごいチャンスだと思い、話を受ける事にしました。
しかし、病院の幹部陣と話を進めていくと、そんなうまい話ではなく、病院の薬剤部がうまく機能していないので、薬剤部長として数年働いて薬剤部内部組織の立て直しをしてくれれば、薬局をやらせる事を考えるというものでした。さすがにそんな不明瞭すぎる話にはのれないので、お断りしました。
その時に、幹部陣に、
カバ「私が薬局をやれば、絶対いい薬局にします。病院のただの門前薬局ではなく、病院に依存しない、むしろ病院の患者さんを増やせるような薬局にできます。やらせてください。」
すると、事務長から
事務長「そんなできる自信があるならそこらへんの空いてる土地で薬局やればいいじゃないですか。門前病院に依存しない薬局を作るとか言ってるのに、結局門前薬局を探してるじゃないですか?」
と言われました。
 人生ベスト3に入るくらい頭にきました。

でも家に帰って、冷静になってその通りやなと思いました。
その時、諦めかけていた面薬局の情熱を思い出し、「面薬局やって絶対こいつら見返してやる!」と火がつきました。

それから1ヶ月後、運命の時がきました。

義父が経営している会社の顧問税理士さんから連絡があり、「前に面薬局やりたいって言ってたよね。新規事業をやる会社向けの大型補助金の募集が経産省から出てるんやけど、これを使って薬局やってみない?」
この時、面薬局をやろうと決心し、話を受ける事にしました。

最後に嫁にまだ許可をもらってないので、嫁にこんな話をもらって、面薬局をやりたいって事を話しました。すると嫁はすんなりOKでした。
拍子抜けし、
カバ「門前薬局みたいに売上の見込みもないし、なんなら失敗する可能性の方が高いけど、それでもいいと?」と聞くと
カバ嫁「薬局業界が特殊だけで、普通は起業は売上見込みないし、失敗する可能性高いもんでしょ。頑張ってやるしかないやん。」と言われました。
この言葉はホントに私の背中を強く押してくれました。

そこからは1年半後の2022年7月1日にのだ薬局開業しました。ちなみに嫁の誕生日です。

薬局経験も浅く、管理薬剤師経験もなく、営業経験もなかったので、大変苦労しましたが、いろんな方の助けをあって開業する事が出来ました。

「いろんな人の助けがなければ、自分の力だけではここまでこれませんでした。」っていう経営者の言葉をよく聞くけど、自分も経験して、ホントにいろんな人の助けがなければ、絶対薬局開業できなかったとホントに思いました。

こんな感じです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

開業してからの事はまた時間を見つけて書いていきたいと思います。

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