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二度と帰れなくてもそれは美しい僕らだけの夏だったろう(ASH,大阪公演感想)

⚠本記事はOrangestar ワンマンツアー「And So Henceforth,(2024年7月5日の大阪公演)」のレポでございます 東京や愛知の公演ではございません


・前置き

2024年4月12 日──
全私が震撼する告知が投下される。

この告知が来たのと家に担任が来たのがほぼ同刻で、担任と話し終わって部屋に戻ったのが少しだけ先だった。
ちなみに1時間か2時間前に告知の告知ツイート(今日18時告知あります!)がされていたのでOrangestarさんが18時に嬉しいお知らせをくれるのは先生と会った時点で確定しており、ニッチャニチャ薄気味悪い笑みを浮かべ胃をキリキリさせながら先生と話してました。

すみません話が個人的な方向に走りました。でもこれ全体がライブレポではありますが行き場のない自分語りの捌け口も兼ねているので全編割とこんな感じです。あしからず。

Orangestarさん、2年ぶりのワンマンライブ。
しかもツアー。3公演もやってくれる。沸いた。沸いたけど。

私はOrangestarさんのライブに行ったことがない。

1回目、Daydream Sky Orchestraの開催日は私が7歳になったちょうどその日、もちろんそんなお子様がOrangestarもボカロも知る由もない。というかこのライブ自体小規模でお客さんもファンでありながらネットの身内みたいな感じだったらしい。
しかしツイキャスで同時生配信されていて、アーカイブが最後の方だけ公式で残っている。それは何度か通しで聴いたことがある。

2回目、2年前の8月5日、東京ガーデンシアターのUNDEFINED SUMMER-NOISE。
初の大規模公演。Orangestarのライブと言えばやはりこの「USN」だろう。
このライブが発表された時既に私はOrangestarを好きだったが、SNSもほぼ触っていなかったので存在を知れず、知っていたとしても東京は遠く、そもそも熱意が今と比べて断然低かった頃なので興味は持っただろうがこの条件ではリスクをおかしてまで行こうとしたはずがない。
いくらの「もし」を重ねても距離や年齢でデカすぎる障害があるので絶対に行けたはずのないUSNだが、だからと言って自分が彼を認知済みだった時期にめちゃくちゃ楽しそうなワンマンが開催されていたと知って悔しくないわけがなく、何度もこの時期の本人たちのツイートをいいなぁ……とうっとり眺めていた。

そして。ワンマンではないけれど、この間の12月9日のTrio Colors Odyssey。
これは最近なのでガッツリオタクをやっており、Twitterのアカウントも作成済みだったのでリアルタイムで感想も漁った。
ボカロ×オーケストラというのにも惹かれ、行けた人がめちゃくちゃ、めちゃくちゃに羨ましくて当日は1日中歯ぎしりしていた。

そんなふうに北東北の未成年で東京はおろか関東の土すらろくに踏んだことのない私にとってOrangestarのライブとは圧倒的に「行けない」前提のもので、いやOrangestarのライブに限らず大都市部の行きたいイベントは全て行けなくて泣くのがオチと決まっている。
なので正直言って、「ライブツアーやりますよ〜」と言われたところで、どうしても自分ごとと思えない部分があり心から喜べない。

でも、行きたいとは心から思った。
ここ最近の自分の一番大きな構成要素は間違いなくOrangestarだ。どう考えても一生の思い出になる。心の底から世界一行きたい。きっと難しいけど、行きたい。これに行ける以上の幸せはきっとない。これに行けたら、大袈裟な話いつ死んでも悔いはない。

参加するためにはかなり沢山のハードルを乗り越えなければならない。今の自分の彼の曲たちへの愛は並大抵ではないはずだけど、推進力がそれだけで全て越えられるのか。私には勇気も度胸も足りないというのに。
でも行けなかったら死ぬほど後悔するのは目に見えている。そんなの辛すぎて耐えられない。
新曲上げますとか、おうちから誰でも受け取れる供給の方が嬉しかったかな……とか思ってしまう(あの投稿頻度の低さで最新曲公開からまだ2ヶ月だったから望みが薄いにも程があったが)

いやでも、まてよ?
ツアー。東名阪。大阪がある。あれ?

先ほど述べたように私の住みは北東北。単純な距離で選ぶなら圧倒的に東京だ。逆に大阪は一番遠い。
しかし私が行ったことのある都市は東京大阪名古屋の中で大阪だけ。それも一度ではなく、何度も。
近くに泊めてくれそうな親戚もいる。本気で行くつもりなら、大阪に飛ぶのが一番可能性があるのでは。

北東北から関西だ。アホみたいに遠いし、お金もかかる。
でも私は母方の親戚が京都付近に集中しているため母にくっついて大阪の伊丹空港に飛んだ回数が本当に多く、TDLに行ったことはないけれどUSJには2度行った。アホみたいな距離にある関西に行くハードルを、東北人の平均より断然低く捉えている。私の日本地図は歪んでいる。
が、他でもなくその歪みが、私の行動力を呼び覚ましライブの席に連れて行くことになった。

7月5日午後1時、本当に大阪へ飛び立ち、17時(遅い、物販間に合うかギリギリだった)、本当にチケットを入れたスマホとぬるくなった水片手に会場のオリックス劇場に到着するのである。
着いた時、これまでの道程が走馬灯のように脳を駆けて早くも泣きそうになった。

決心してからチケットを当てて両親に下手すぎる懇願をして送迎のために父が付いてくるという条件で何とか許しを得、旅行のプランを立てるまでが本当に本当にほんとうに大変だったし辛かったのでそこを恨み節をきかせてこれを読んでいる全員に枕元で語ってやりたい気分だけれど、前置きのくせに既に長いので割愛いたします。

終演後心底「今日来れなかった場合の人生が怖い……」と思った割に現状の世界線よりも「今日来れなかった場合の人生」の方が何倍も可能性があった状況で、本当に首の皮1枚繫がっての参戦でした。バカデカ愛と執着だけで手繰り寄せた自分よ……。
そして、この場を借りて、稼ぎもしていない学生身分の娘がいきなり知らないアーティストのライブに行くために大阪行くとか抜かしやがったのに受け入れて交通費全負担してくれた両親の厚意に多大な感謝を。本当に、こんな我儘最初で最後しようと誓います。

・開演まで

まず着いた時、会場前の大きな公園に山のようなオフ会の集団がいてびっくらこいた。想定してたけど量がすごい。
Twitterの知り合いも多分めちゃくちゃいたんだろうと、誰とも会ってないのに感動。会場近辺の人のライブT率が超高く、これまで現実で一人も見たことがなかった自分以外の彼のファンたちが今日ここには掃いて捨てるほどいる(言い方が良くないけどこれがぴったりの言葉な気がする)という贅沢な現実に感動。私、本当に来たんだ……。

グッズ売り場。またも、本当にライブに来ている……という実感が襲いかかってくる。注文する声が震えて、着いた時間が遅すぎて後ろには誰も並んでいなかったと言うのにわけもなく焦っていた。

本物のスタンドフラワァ……!
御サイン(モノホン、生)とグッズのイラストの複製
見た瞬間涙腺がぐわっと緩んだけど耐えました
入場直前に食べた夕飯。本場のたこ焼き!
流石に美味しすぎた

18時過ぎ、胸を高鳴らせながら入場&着席。クーラが効きまくってた。
私の席は1階の7列目観客から見て左端という、2400人の箱なのでかなりの良席で(悲願だったライブだから天が味方してくれたに違いない)、この辺かな〜、ステージちっかいなと思って目星をつけた席が自分の席より10列ほど後ろで目玉が飛び出た。
座席表で見て確認済みではあったが、実際来るとステージが想像を凌駕して近くて、一人で口押さえながら「え、やばい、ちか」「まって、ちっか」とひたすら声にして繰り返していた。衝動で写真を撮ってしまって撮影禁止なのに気づいて慌てて消去。すみません。

ステージに電光の「And So Henceforth, Tour」の白文字、夏らしい蝉や風鈴の効果音(最高に風流でイカしてた)、ライブがまもなく始まる、本当に始まってしまう、という興奮が体中を百回くらい駆けて、それでもまだ信じられない気持ちしかなくて。

ここに「本物」の彼らが出てくると思うと心臓がずっとうるさくて胃がじりじりきりきりすぼまったけれど、はじめてのペンライトを開封したり、その付け方が分からなくて一通りカチカチした後近くの席の方に教えを乞うたり(本当に恩人です、あなたがいなければどうなっていたことか)、首を伸ばして2階席や3階席を眺めたり、ステージのスモークの動きを観察したりしている間にドキドキすることにも飽き、この異常な環境にも慣れてきた。
それでも「開演まで今しばらくお待ち下さい」のアナウンスのたび、ステージに楽器が運び出されるたびに肩は跳ねた。

「開演まで今しばらくお待ち下さい」が「まもなく開演です」に変わって会場に響き、視界がブラックアウトしてステージだけが強く光った時、背中がすうううっと冷えた。遊園地のジェットコースターで昇っていく時の感覚と酷似していたのを覚えている。
きっと楽しいけれど、情緒をかき乱されるのはもう分かっていて。そしてもう戻ることは出来ない。始まってしまったというのは、終わりが生まれることだ。その小さな怖さがそっくりだった。

・快晴〜MC1

照明が落ちてから演奏が始まるまで、ずっと雨音がしていた。
雨音?雨き声残響?それとも時ノ雨、最終戦争?
この時の私、幸いにもライブ前のドキドキで名古屋公演のセトリ一発目を見てしまったことを完璧に忘却の彼方へ吹っ飛ばしている。そしてまだ、名古屋と大阪のセトリが全て同じことも誰も知らない。

圧の強い大迫力のバンドサウンドが襲いかかってきた。本当に、襲いかかってきたのだ。
体が、心臓が、何より魂が掴まれて揺さぶられる気がした。
ライブってこんなに音デカいんだ。想像を遥かに超える音量と音圧だった。
いや今はそれよりも、私、こんなイントロ知らない。これはゴリゴリにアレンジ効かせてる。本当に何が来る可能性もある。ひやひやする。

この辺の時系列はあやふやなので順番をごちゃごちゃに書いている可能性があるのだが、Orangestarさんと夏背さんが袖から出てきてステージ中央に歩いていく間、ずっと全身の筋肉が硬直して目玉が外れるくらいステージを凝視してた。私は上手側の端の席だったので余計近くて、ひぇ。
いや本人。いや本人。え、本人?現実?
この人たちがまだあたかも本人かのように立っている赤の他人の可能性もあるわけで、やっぱり目の前にお二人がいるなんてあまりにも現実離れしすぎた夢物語で、歌い始めるまでは本当に実感が無かった。
もちろん本物です。本物がいたんです、あの2時間ずっと、あの距離に。私達に、私に向かって歌ってたんですよ。信じられないけど、嘘じゃないんです。

繰り返されていた「何か」のアレンジが、この空間にいる誰もが何百回と聴いたであろうあのクソ長イントロのメロディに切り替わった瞬間、会場がグワァッとどよめいた。私も飛び出しそうな感情を喉の奥へ押さえつける。興奮でどうにかなってしまう。これは。
一発目、快晴!

「「梅雨が明けるまであとどれくらい?」」


第一声がこれとかなんてずるいんだ!!もうこの一言で日本中の梅雨全部明けただろ!!

逆に私の梅雨は始まったと言える。第一声を聴いた瞬間一気に涙がせり上がってきて止め方が分からなかった。そういえば涙って勝手に出てくるものだった。笑顔が晴れなら梅雨。ずっと天気雨の梅雨。
ダンスする快晴ちゃんの晴れやかな笑顔が大画面にドオンって映し出されているのを見て快晴との思い出が次々フラッシュバックして、その度に蛇口を思い切り捻ったようにドバドバ泣いた。目の前でお二人が歌っているという現実に泣いて、バンドの生音がカッコ良すぎて泣いた。
最初の雨音で雨→快晴を表していたのだと気づいたのは帰路についてからだった。粋。

歌い出しの興奮も感慨もようやく来てくれた実感も勝手に溢れる涙も鮮明だけれど、一番サビの「さよならI love you」で一気に盛り上がった時の浮遊感はもっと覚えている。
人生初めてのライブなのに、お客さんのペンライトの揺れが一気に激しくなったのを見て、何より自分の体が勝手に動き出して、一瞬にして「ライブってこうするんだ!」と理解させられた。
ジェットコースターでてっぺんから突き落とされて、何も分からないまま絶叫しているようだった。
めっちゃくちゃ気持ちいい。ライブ、超楽しい。この初めてはもう味わえない。

「泣いていたって空は晴れるよ」に差し掛かった時、『開口一番快晴』が如何にヘビーか身をもって実感する。君が濡らしたって滲まないほど。ああ。歌詞が、良すぎるんだよ。
快晴が毎度毎度、USNでもASH,(今回はこのアルバムのツアーという建前)でもトリカラでもトリに選ばれていたのはこの曲が紛れもない『Orangestar曲の最終兵器』だからである。確殺兵器。
でも毎度毎度締めだとそろそろみんなが「今回もトリは快晴なんでしょ?」と考え出す。
彼らはプロ。本気で我々ファンを刺すなら、読まれているカードを読まれていると分かった上で出すなんては野暮だ。
でもラストがどこまでも似合うこの曲をラスト以外に持ってくるのってかなり吟味しなくちゃいけないはず。
それなら、なるほど確かに、『逆に最初』は最適解だ……。

2曲目は滑走。Twitterでうっかり名古屋一発目が快晴と知ってしまうまで初手は滑走と踏んでいた。
Orangestarさんのインスト曲って本当にどれも素晴らしくセンスに満ちているんだけど、これは一、二を争うくらい好き。
この滑走の『滑走』すぎる滑走があまりにも滑走でこの曲のタイトルに滑走滑走滑走滑走愛してるよ!
インストで歌詞も夫婦の歌声も無いけれど、さっきの快晴で涙腺がぱっかり開いてしまったのもありこの曲でもしっかり泣く。
いや、終演までペンライト振りながら常に半泣き状態で泣いていない感動していない瞬間なんて無かったので特に泣いたもの以外はこの先は割愛いたします。

白南風。アルバムのASH,が届いた日のことやASH,のクロスフェードを聴いて興奮が冷めなかった夜を思い出しながら聴いていた。ASH,で初公開のボカロ曲たちの中で一番最初に入ってくるトラックが白南風なのだ。
待ちに待ったOrangestarさんの新曲だ……!という感動が熱狂が、まざまざと蘇る。

間奏のピアノがどこまでも美しく、優しい。風のようだ。サビの夏背さんの抜けるような高音が美しい。
実は夏背さんの歌声、ライブの音響のせいも大きいと思うけれどいつもと違うように聴こえて、それもそのはず私がこれまで聴いてきた「いつも」の音源たち、Sunflowerは4年前Surgesも3年前一番最近のLight in the Distanceですら2年以上前で、この間に2度のライブが挟まっておりそりゃあ歌声が進化していないはずがない。
これまで聴いてきたどの夏背さんよりも圧倒的にこの日の彼女は上手かった。表現力の進化具合が半端ではなく、肺活量が人間をやめている。息切れすらも見せてくれなかった。
これまでの夏背さんがそんなに無感情に歌っていたのかと言うとそういうことでは無いが、今回は感情の入り方も断然すごかった。演じているみたいだった。
それでも晴天を突き抜けるような高音はこの人が夏背さんだとどこまでも主張していて、あ、本物だぁ……と実感するたびに心がぶるぶる震えた。

Surges。ぐおおおおおおおおおお。
全編、お二人がどんな歌い方をしていたのかかなり朧げなのだけれど、この曲の夏背さんの「流れ続く空と日々の狭間に」は鮮明に目に耳に焼き付いている。
大画面に放映されたMVはボカロVerのもの!USNではCM Verだったらしい。
序盤からカロリーが。カロリーが高い。(カロリーメイトだけに!)
ただSurgesは序盤の空気を推し進めるのに本当に向いている曲なので、アルバムでもライブでも毎度序盤に挟まっていて、今回もこの辺りで来ると踏んではいた。
オリジナルの歌唱を夏背さんとともに担当するギターの遼遼さんが彼女の横に出てきて歌っていて、「本物」だぁ……。と強く感動した。遼遼さんのことも好きなので生で歌声を聴けて大感激だっためちゃくちゃかっこよかったありがとう。
記憶違いでなければ間奏にオレスタさんのアコギソロが挟まっていた…、ように思う。とても良かった。
Orangestarの名前すら知らなかった頃に聴いて衝撃を受けて人生一番くらい気に入って、この曲のことを知りたい、と思ったけれど綴りも読みも分からなくて、何となくの記憶を頼りにグーグルの検索窓に「Shugar」って入れてみたけれど出てこなくて。
数日後にYouTubeのShortで流れてきた時「また会えた!」と破顔して喜んだ過去の自分を思い出す。今では全て愛おしい。
あの日の自分の部屋の机から繫がってこんな所にまで来てしまって、本物の「Orangestar feat.夏背&ルワン」を生で目撃している事実に打ち震えた。
あの時はこんな未来に辿り着くなんて一切想像していなくて、でもあの日の自分がSpotifyをつけなければ、と考えたところでどうしようもない強い感情が身体を震わせてまた泣けてしまった。
Surges、やっぱり大好きだなぁ、と強く思う。

ここで、MCが入る!!!
悲しいことにOrangestarさんのMC第一声を覚えていないのだけれど、夢中で追いかけていたクリエイターの肉声がそこにあることにひたすら高揚して声が出そうになるのを堪えていた。
最初の方、「今回声出し解禁ということで、お客さんの声があると、その、やりやすいです」みたいなことを言われて、やりやすいです、という言い方で何となく彼の人となりを把握した。
あの、とか、そのとか挟みながらの言葉少ななぼそぼそとした話し方は概ね予想通り、アーカイブで聞いた7年前のDSOからほとんど変わらずではあったけれど、意外だったのは結構堂々としてるんですねというか、緊張して話せないというよりは、必要以上に話さない、を感じた。

「OrangestarさんはMCがめちゃくちゃ下手、それが良い」「今回もMCは相変わらずで安心した」という話はよく聞いてきたのでもっとド緊張を想像していたんだけどこれはむしろ自然体で、喋るのも特段下手そうではなく、ただあの歌詞を書く人なので、頭の中に溢れた言葉を選ぶのにすごい時間かけて迷って結果何も言えないんじゃないかな、という風に映った。
(2022年のインタビューで、学校の道徳のプリントや読書感想文などの答えのないものは考え過ぎた結果何も書けなくて、とりあえずのその場しのぎの『それっぽいこと』を並べるみたいな手段も苦手なタイプだったと言われていたのだが、今回もそんな不器用な気質の片鱗が見えた気がする 私自身結構この『考え過ぎてフリーズ』がよくあるので余計そんな風に見えた)

下手なMC、は多分違って、多分これでもうOrangestarさんのMCは完成していて、だからそもそも成長する余地は無いんだと思う。
伝え方をパフォーマンスに極振りしている。それって多分一番誠実だと思うし、作ったところが一切なくて潔くてかっこよかった。
こんなこと言うのも変だけど、この人がOrangestarで良かった、と強く思った。

立って下さいと言われガバァっと起立するのだけれど、立ったら感情が爆発した時にどうやって抑えればいいんだ……床に崩れ落ちたらどうするんだ?と内心思っていた。
実はこのMCの前から2階席3階席には立っている人はそこそこいたと後で知った。ライブでは1曲目から立つのって普通にあることのようで、自分の初めてを実感。

「せっかくなので次の曲でコール&レスポンスをやりたいと思っていて」
と言われた時、まさかあれを期待しても……と大きくざわついたのだけれど、二の句で
「次の曲のラスサビ前で、あぁ夏を今もう一回、と」
ぐああああああああああ、きたァァァーーーーーー!!!!!!!!!

会場のそこかしこから歓声が上がる。
あぁ夏を今もう一回、と聞こえた瞬間叫んでしまう。もう。いいんですか序盤からこんなつよつよセトリで。最高ですけど。私死んじゃいますよ。きっと、絶対に私だけじゃないですよみんな死んじゃいますよ。だってこの曲、思い出が余りにも多い。

・Henceforth〜MC2

Henceforth。
くるしい。あんまり嬉しいと苦しいみたいだ。イントロから爆泣きだった。あぁ君はもういないから。私は一人歩いている。
「あぁ 闇はただ純粋で 恐れてしまう私が弱いだけ!」、あぁ、最初にこの曲を聴いた時、ここの歌詞の深さと一気にサビへ駆け上がる爽快感で『落ちた』んだよな……と思い出して嗚咽。
実は最初に聴いたOrangestar曲、Henceforthなんですよ私。初めて本気で好きだと思えたボカロ曲でもある。
最初に聴いた時にすごい衝撃で、ボカロでもこんな綺麗で希望をくれる歌書く人いるんだってひたすら驚いて。これまでの人生で出会ってきた曲たちの中で一番好きかもとまで思わされた。

ラスサビ前の「あぁ!夏を今もう一回!」
全力で叫んだ。そう言えばこんなに大きな声で「夏を今もう一回!」、叫んだことなかったな。今までの想いも全開放するつもりで叫んだ。
お客さん一人ひとりが叫んだ「あぁ!夏を今もう一回!」が束になって、一つの生き物になって会場に響いている。うごめいていることに震える。
ありがとう、本当に来れてよかったと心の底から思う。

Henceforthが終わって、ステージ上の大画面に表示された、青を横切る地平線の白。
霽れを待つだ!!とすぐに分かった。

この曲は夏背さんのソロ。私だけ生きていくの?で心臓絞られました。
「おっおー」を一緒に歌ったりして、立ってたのもあって爆音のギターと曲調の軽快さで最高に楽しくノれてたけれど隠しきれない歌詞の切なさに心をぶすぶす刺されて、やっぱりうるっときてしまう……。
この曲は本当に落ちサビが美しくて、そして泣きたくなるほど優しい。
「くだらない夢もないまま 君を待つ日々 でもそれは優しさなんて言わぬだろう? なぁ」。生で聴けたのを噛み締めていた。

ここでステージのビームが真っ赤になる。赤?雰囲気、分かりやすく変わったな。
いや、このどこまでもカッコいいギターのイントロは……!
心象蜃気楼!!!
我々も瞬時にペンライトの光を赤やらオレンジやらに切り替えて、ぶんぶん振る。
ここはテンションが最高潮になりました。OSCの曲やってくれるのめちゃくちゃ嬉しいよ!
「僕に残された心で」からぶち上がるサビがもう、各々の楽器の音もお二人の声も最高にかっこよくて鳥肌ぶわぁあああ。
「越え向かうのさ!」がたまらなく気持ちいいんだよこの曲は。切なさもあるけれど前への力強さが、大好き。

霽れを待つ辺りで落ち着いてきて心象蜃気楼で完璧にノリノリフェーズに移行したけれど序盤のASH,曲ラッシュの間ずっと面白いくらい咽び泣いてていて、リアクションオタクすぎて隣の人引いてないかな……何なら楽しむ妨げになってないかなと常に心配だった。隣の席のお姉さんが毎回同じタイミングで涙を拭うのが見えて安心して仲間意識も生まれたのを覚えている。
この辺りで涙と一緒に涙以上にドバドバ出てきた鼻水によって喉に痰がからんでくる。ティッシュ持って来るの忘れたぁ……。と思う。でももう戻れない。戻れなくて良い。

お洒落で大人っぽい低音メインのイントロ。Nadirだ!!期待はしてたけど、やってくれるんですか!?
この曲はお客さん達の手拍子も良かったと記憶している。
「下りきったら後は上だけ見ようぜ」を大好きなお二人に言われている事実が本当に幸せで、感極まってしまった。
もーーーう。こんなの、上見るしかないじゃないですか生きるしかないじゃないですか。
本当に、この曲は歌詞がどこまでも良いのだ。やわらかな風のようで、それでいて前へぐんぐんと進む力の強いビートにも何度も励まされたことを思い出してあぁここでまた涙腺ががばっと開いてくる。

Nadirに限らずだけれど、サビで盛り上がるたびにお二人のパフォーマンスへの真剣さがいちいち伝わってきて、それで毎度毎度胸がぎゅううっとなっていたなぁと……。

MOON-VINEええぇええええあああああ!?
ちょ、さっきから選曲が良すぎない!?そういえば今日ファンばっかり来てるんだった!
0秒イントロの曲たちってほんと間髪入れずに来るからビビるんだよ。MOON-VINEはNadirと個人的にイメージも近いので並べてきてくれたのも嬉しかった。
やっぱり本家夏背さん歌唱曲は生の「本物」を聴いているから贅沢度合いが違う。歌い出しの「降り出した雨の音」「漕ぎ出した船の音」の歌い方が特に好き。
夏背さんは高音もすごく気持ちいいんだけどこの曲やSunflowerの低音は大人っぽくて色気があって背中がゾクゾクする。すごく好きだ。
大画面に映すイラストがLight in the Distanceなのも嬉しかった……。この絵、初めて見た時本当に心打たれて、以来大好きなんですよ。

そして次に来たのがAloud!アルバムASH,でおなじみの並び。この順番も好きだから嬉しい。
これ本当に色々ものすごくて絶対みんな好きになるからMV出てアルバム曲を聴く層の外にも認知されて欲しいと思っている。
この曲はUSNでデモが披露されたのが初お披露目だったので、USN参加勢は
ライブで二人の歌唱でデモ
→ボカロの完成版がアルバムに収録
→再びライブで二人の歌唱で完成版披露
の流れでUSNを思い出してエモみに浸れたんだろうなぁ……、と思うと少し彼らが羨ましい。
が、私もこの曲には至極個人的な理由での思い入れが強かったりして、別の方向からずっぶずっぶエモみに浸っていた。
この曲といえば!の最大の魅せポイント、数多のリスナーを悩殺してきたベーシストpino氏の『Aloudのベースソロ』も生で(贅沢すぎる!!)本物を食らってきた。これもう少ししっかと耳に焼き付けておけば良かったなと今さらながら後悔している。エグかった。

ここで!!MCが!
入ったらしい。2番目がどこかど忘れしていたので他の方の感想を見て初めてAloudの後だと確認した。言われてみれば確かにここだったかもな〜
すみません記憶が夢の中みたいに靄がかってるから2番目で起こったことじゃない分も書いているかも知れない。むしろ会場入ってから出るまで全部夢だったのでは。
いや、夢じゃないや……!(銀テとペンラ握りしめて嗚咽する私)
とにかくここも会場の蜜柑星人達の愛の叫びがすごかった。多すぎて全て覚えていないけれどずっと笑顔になれてた。既に目の前にOrangestar夏背夫婦がいるという異常を完璧に受け入れていた辺りである。
夏背さんの「今回のグッズのイラスト、頑張って描いたんですよ〜」(うろ覚え)が堪らなくかわいかった。いやこの人ずっと可愛かった。
Orangestarさんは基本真顔かはにかんでるだけで一言も発さないので夫妻でのギャップが面白い。噂には聞いていたけれどMCは9割彼女が喋るパートで構成されていた。

夏背さんかわいいー!結婚してーー!コールに「もう結婚してるよー!」と返ってきて笑いが巻き起こったり。その旦那隣にいるよ!というみんなの心の声が聞こえるよう。
「グッズの当たりすごい倍率なんですけど当てた人いますか?」には本当にものの数人しか手を挙げている人がおらず、豪運の持ち主たちに拍手が送られた。
夏背さんの「Orangestarのライブ初めてだよって人ー!」にここぞとばかりに「はーい!」とペンラを掲げ、周りや後方を眺めるとかなりの数のペンラが挙がっている。しかし続く「2年前も来たよって人ー!」にも同じくらい大量のペンラが挙がっていて「同じ人が挙げてる?」と言われて笑ったり。
それ以上に「大阪の人ー!」で手を挙げた大阪人の数がすごくて人口の違いを思い知った。
他にも関西のここから来たよー!って叫んでる人が何人かいたり、九州からの人もいて夏背さんに「おお、遠くからはるばる……」と反応されていた。ずるい。私も遠さに関しては負けていないのでここぞとばかりに地元の名前を絶叫でかましたけれど、照れも抜けていなかったしまだまだ声量が足りてなかったなぁと反省。次のライブは喉鍛えて臨もうと決めた。
空気感が常に超絶あったかくて熱くて愛に満ちていて、ここぞとばかりにOrangestarさんや夏背さんに向かって日頃蓄積してきた愛を放つお客さんも本当に多かった(かつマナーを弁えている方が多く、不快な思いをすることも無かった)。
私は一人だろうがリアクションがオーバーなタイプでいつもならそれが恥ずかしくなったりすることもあるんだけれど、それ以上に周りの相槌やリアクションがオーバーだったので安心して一緒にリアクションをとれた。これが関西人……!本当に素敵なお客さん達だった。

・Pier〜MC3

Pierの頭、聴く者を一気に世界観に掴んでくる神秘的な「フゥァー」が聴こえたと同時、ステージ前のスクリーンが降りる!

ここまで沈黙を貫いて自らの存在感を一切見せなかった舞台装置の突然の動き、真っ白なスクリーンに覆い隠されきったステージにざわつくオーディエンス。何が始まるんだ。
巨大なスクリーンに映し出されたのは、夏背さん作・ASH,Tourのランダムグッズのイラストたち(めちゃくちゃ可愛い大好き)。
これは……。

「足りない言葉」

IAちゃんだ───!!

我々がお母さんの「お風呂入りなさい!」よりも聴いたであろう、みんな大好きOrangestarさんの調声したIAの声である。
まさかPierをIAが歌うなんて予想していなかった。そもそもPierは歌唱パートが少なめなのでライブではやってくれないかもなーと思っていたのだ。ここでこんな特別な演出で聴けるなんて!
ランダムグッズの5枚(贅沢)のイラストがノリノリな曲のリズムに合わせて、「君がくれたその全てが私の世界」というフレーズとともに次々切り替わる映像、とても良かった。
邪なファンなので、Orangestarさんが作った曲に合わせて、Orangestarさんの諸曲をモチーフに描かれた夏背さんのイラスト達が流れる……そして「君がくれたその全てが 私の世界」というフレーズ、この演出に比喩性を見出さずにはいられなかった。これ、そういう意味だよね……?
(P.S.
20日深夜と21日夜のツイキャス配信でこの歌詞のというかPier全体に込められた意味が本人から語られて、これがもう……。
予想外だったけど泣けてくるもので、聴こえ方が全然変わったしライブのこの演出やIAに歌わせたことの重みもどっさり増した)

Pierが終わってスクリーンが真っ白になると同刻Alice in 冷凍庫のイントロが聴こえてきて頭を抱えた。スクリーン、下がったまま。うおおおおお、この流れで。
え、これはこの真っ白スクリーンがリアル「白銀製の帳」ってことですかとか考えてるうちに、何百回と見たAliceちゃんのどこか切なくも見える笑顔が特大のスクリーンにドカァアアアアンっと放映される。こんな特大のAliceMV拝めるの多分ライブ以外ない、目に焼き付けるんだ私!と心で叫ぶ。IAの透明な歌声が聴こえてくる。

途中、バンドメンバーのシルエットがスクリーンに映る演出本当に良かったなぁ。めちゃくちゃ動くじゃんと思いながら見ていた。これは相当疲れるだろうなぁ。魂こめて刻んでくれてるのを受け取ってる。楽器はスポーツ。

正直な話、私はボカロが歌うライブならお金を払ってまで行くつもりは無い。あくまでボカロの、ではなく「Orangestarの」ライブだからで、メインボーカルが人間で、それも本人と夏背さんだからだ。
(もちろん、私がOrangestarのライブに行きたかったのはボーカルがボカロかそれ以外かというのもあるが私の中でのOrangestarが別格で、「ボカロ」全体と「Orangestar」一人を天秤にかけてもOrangestarの方が重くて、ボカロがどうこう関係なくとも人生で一番ハマったアーティストだからというのも大きい。
ボーカル云々前にマジカルミライのようなボカロというジャンル全体のライブにはそこまで興味がない)

メインボーカルが本人と夏背さんではなく、ずっとIAや初音ミクという形をとっていたなら……本人がずっとそこにいるかどうかに相当左右されるけれど、行きたい度合いは今のこの形でのライブより低いと思う。

ボカロの声が嫌いなのでは断じてなく、むしろ愛しているし人の声にはない魅力も大いに感じる。実際、歌ってみた等のカバーを本家呼ばわりされたら本気で殺意湧くくらいボカロは本家過激派だったりする。
ただ、生でボカロの声を聴くのを特別だと思えない。言ってしまえば、いつもの音源を流してるだけだからだ。
ボカロの声は変化しない。震えない。目の前で絶え間なく生まれるものではないから、それで自分の心が動く気がしなかった。
だから来る前、「今回も一曲くらいIAちゃん歌うだろうけど、ライブでボカロって聴いても感動できないかもなぁ」とか思ってしまっていた。

不思議なことに、大泣きした。

OrangestarさんのIAちゃんがいる、と思ったのだ。
あぁ。IAちゃんの高音だ。どこまでも透き通っていて、彼女にしか出せないそれが、会場に響き渡ってお客さんたちの胸を突く。
ばらばらの場所でこの曲を聴いていたみんなで、特別な舞台で特別な舞台で聴いている。いつもの声を。大きな大きなAliceちゃんの前は、白色のペンライトの光でいっぱいになっている。
変化しないボカロの声だからこその、いつも聴いてきた声だからこその感動というのは、人間の声を生で聴くのとは全く違う種類のもので、でも、人の声で生まれるそれに劣ってはいなかった。少なくとも私にはそうだった。
ちょっとこの感覚は歪で正確に言語化が出来ないんだけれど、とにかく心が震えた。

それに、OrangestarはボカロPだ。ボカロPというのはボーカロイドがいて初めて曲を発信できる。ボーカロイドとともに歩むものだ。
やっぱり、切り離してはならないもので。
やっぱり、この舞台でボカロの歌声を仲間外れにしないのには大きな意味がある。IAちゃんの声を聴けて、歌ってくれて本当に良かった。

来る前感動できるかなぁとか思っていたボカロの声で号泣している、というのにも驚いたが、Alice in 冷凍庫で号泣している、というのにも少し驚いていた。
この曲は珍しくOrangestarさんが人生観やメッセージを投影しておらず、どこまでも物語で、巧みな言葉によって綴られ構築された世界だ……と思っている。
人間の心象や想いを綴るのではなくて、壮大ななにかが壊れて、始まる、という「表現」。その美しさを味わう曲。
本人も「気分転換に作った」「意味の無い曲」とコメントしている。
代表曲の一つではあるが、その歌詞は異端な存在と思う。
だから、あまり泣くタイプのものではない。
この曲を聴いたのはOrangestarさんの中でも4番目か5番目の相当早い段階で、実際その時もこんな静かで綺麗な曲あるんだと気に入った反面、これまで聴いたOrangestarさんの曲に比べると歌詞がそこまで好みじゃないかなぁと思った記憶がある。
知らず知らずの間にAlice inの美しさに浸かっていた自分を、思い入れを抱いくようになっていた自分を認めた瞬間だった。この曲は私にとってはとてもスルメだったようだ。

Aliceのラスサビを聴きながら、先のMCで「今回は前のライブの演出の再現もやったりするので……初めての人もそうじゃない人も楽しめると思います」と言われたのがフラッシュバック。
まさか。
まさかまさかまさか!!
伝説の「アレ」が……!?

ピアノが転調。IAちゃんの声が一段回高くなる。ヒヤヒヤする。また高くなる。また高くなる。
そのままアウトロに入る。一つ一つ丁寧になぞるような音色。透明なファソラドが繰り返される。息すら出来ずに見守る私達。ああ。分かっていてもどきどきする、来る!と思った時、

今度はべろんっとスクリーンが外れる!!!

唖然とした。鳥肌でものを言えなかった。
Aliceのファソラドから繋がったUzのイントロの、大迫力の和音連打がじゃんじゃんじゃんじゃん鳴り響いている。ああ。ああ。なんて。頭を抱えさせてくれ。立ったままじゃできない。
慌ててペンライトを紫に変えて振り上げる。めくれ上がったスクリーンの中から現れた夫妻が、IAちゃんからバトンを受け取って歌い出すその瞬間を、まだ覚えている。
序盤の潜めたようなお二人の低い声が、なーいのでした!で一気に駆け上がるのが堪らなく気持ち良かった。
ペンライトを船のオールを漕ぐみたいに全力で前へ前へ振って、狂って〜えっへっへっへ!を一緒に叫んだ。楽しい。巡って〜えっへっへっへ!
この曲の、あまりにも人間臭い、赤裸々で等身大で、どこか笑い飛ばすような叫びが本当に気持ちよくて好きだ。
Orangestarさんの口から「若さなんて相対的なもので」を聴けたのは興奮した。
蜜柑星曲史上一番切れあじの鋭い歌詞、本人からいただきました。

この曲に限らず今回やってもらったピアノ曲全般に言えるのだが、バンドサウンド合うね!
ギターとの相性が良い。特にUzは元々がアップテンポで疾走感あるので、めちゃくちゃ様になっていてカッコよかった。

Alice→Uzでテンションがオリックス劇場の天井を突き破り宇宙の果てまで上がり切っていた私だが、次の曲でまた情緒が大崩壊を迎えることになる。
黄緑色のビームが客席に放たれる。ノクティルーカ。
Uzからの眠れない深夜繋がり……ここでそれはだめだってばよ。

しかもノクティルーカは私が個人的に一番好きな曲なのだ。
初めて聴いた時は「ギターかっけぇすき〜」「実写のMVめずらし〜」くらいにしか思っておらず、特段掴まれたわけでも無かったのだけれど、何度も聴いていくにつれて歌詞が刺さる刺さる刺さる。一番スルメ曲だと思う。
歌詞が本当に本当に世界一良くて。
曲も、どこか気だるげな雰囲気とかギターの疾走感もドラムもベースも良くて。
というかOrangestarというアーティスト全体で見てもこいつのクオリティは一番で良いと思う。登録者100万人に迫るチャンネルでMVが上がっていて、こんなにいい曲なのに再生数が2年で100万ちょいは絶対におかしい……と一ヶ月に一度は思っている気がする。

そんな超絶神曲のノクティルーカはアレンジ・アナザーボーカル版が本家含めて4種類出ておりOrangestar楽曲の中でも最多で、作者当人からも相当な寵愛を受けているナンバーなのは明確、今回のライブでも確実にやってくれるだろうと思ってはいたが、思ってはいても、一番好きな曲を生でバンドに演奏されて作者と好きな歌手に歌われなんてされて、イントロから立っているのがやっと……。

「このまま海へ向かえ下れ東海道線
理由なんて要らぬだろう」
で見事にとどめを刺され、瞳からこれでもかこれでもかと水分が流れ出る。
一気に高くなる「あぁ!今!サーフボード無しで〜」の夏背さんとOrangestarさんの高音、気持ち良すぎて胸がギリギリギリギリ締め上げられる。
もうこの曲はずっと泣いていて、ずっと幸せで、ノクティルーカを聴いて感傷に浸った全ての眠れない眠らない深夜が思い出されて胸がぐうううううとして、とにかくずっと泣いていた以外に語ることがない。
ああ思い出した、ペンライトの色。
タイトルの意味である夜明けの海に光輝く夜光虫に見立てて黄緑にしている人がとても多かったのだが、私はUzの深夜のイメージを引き継いで紫のままだった。照明も黄緑色だったのでほぼ公式で黄緑みたいなものだ。それだけ後悔しているけど、これはこれで思い出。

ここで!!!3番目の!!MCが入ったのは覚えてるよ!!

開口一番、夏背さんの「ノクティルーカ、たっのし」を聞いて心から嬉しくなったのが鮮明だからだ。
ステージの上の皆さんが楽しんでくれているのが一番嬉しい。こっちもだよ!と叫んでおけば良かったかも知れない。ノクティルーカ、最高に楽しかったです。

「Orangestarさんがガチで話さないからライブのMCは夏背さんの喋りによって支えられている」
という話を何度もTwitter上で見てきたせいだと思うが、勝手に夏背さんがシャキシャキ早めのテンポで話されるイメージを抱いていたので、彼女の第一声を聴いた時、意外におっとりしていらっしゃるんですねというかとろろんした話し方だな、と思ったのが印象深い。夫婦のお家での会話のテンポが想像に難くなく、ほっこり。
彼女は纏う雰囲気がほわほわしていて一つ一つの仕草動きがとにかく可愛らしくて、かつOrangestarさん同様素朴で一切の飾り気が無かった。
我々にも恐らく限りなく素に近い状態で話しかけてくれていて、それが好感だったし嬉しかった。
蜜柑星人達の色んな意味ででっかい愛の叫びにも多く反応されていた。
出演者の皆さんはMC中だろうが常時イヤモニ装着のはずだがイヤモニにも完全密閉のものから外の音が聞こえやすいものまで色々あるらしく、夏背さんは我々の声もかなり聞こえていそうに見えたのであのさくらんぼイヤモニは聞こえやすいものなのかなぁとか。
「あと〇〇曲〜!」コールに「むりっ!」と答えた時の声色、仕草、あの場にいた全員がハートの矢で射抜かれていたと思う。

彼女を見ながら、プリンセスだ……。と常に思っていたのを覚えている。守りたいこの笑顔、と本能的に思わされた。
でも歌い出すとなると纏う空気が冴えきってめちゃくちゃかっこよくなって、正直ギャップでどうにかなってしまう。
夏背さんはTwitterでの噂通り最高に可愛かったけれど、それを超えてかっこよかった。
(これですごく美しくて人の心を打つ絵も描かれるんですよ。無敵かな)

確かライブの後半も後半、一度だけ夏背さんがこちらを見た気がして、ハワ、みたいな声にならない声を漏らして3秒くらい固まってしまった。私の生命活動が再開した時、彼女は全く別の方向を向いていた。
気のせいじゃなかったと信じようと思う。夏背さん私のこと見たもん!


今回のメンバーで本当に「このまま海へ向かえ 下れ 東海道線」をして静岡の伊豆でノクティルーカを収録したという話になる。これ本当に……ねぇ。
本日何度目か分からない考える人のポーズで固まってしまった。一生仲良しでいてくれバンドメンバー。

夏背さん「そのノクティルーカの音源がどこで聴けるかというと……今回のライブで販売している限定アルバムで聴けるんですよ」
会場「おお〜!」
このASH,tour限定CD「POSTSCRIPT」、そのリアルに東海道線下って録った「ノクティルーカ(feat.夏背&遼遼)」を含む全4曲収録なのだが、これがまたとにかくとんでもなく、ある意味Orangestar史に大きく残る円盤となった。
限定CDの存在が明らかになってのたうち回り、名古屋公演当日に発表されたそのラインナップがあまりにも深層ファン殺しでのたうち回ったよね。ここ最近はこれを聴いてはライブを思い出してうっとりする毎日です。

大阪はメンバーの遼遼さんの地元ということで、地元のエピソードを聞いてみましょうと彼にMCが振られる(話し方が上手かった)。8年前、ずっとインターネットでやりとりしていたOrangestarさんと大阪で初対面を果たした日のことを語ってくれた。
お互いのアルバムを交換したという素敵エピソードが霞むほどにOrangestarさんの静かなる奇行群のインパクトがすごく(すごかったけどこの人がやってる姿はすんなり想像できた)、当日の2日前とかに何の前触れもなく「大阪行くから案内して」とDMを送ってきた話に始まり、これでも初対面どうしなのに遼遼さんの目の前で30分寝たり、観光の終わりに通天閣で「大阪どうだった?」と訊かれて10秒ほど考えた結果「住みたくはないかな」と答えたり……。
その話の直後に当のOrangestarさんが感情の薄い声で「大阪大好きです」なんて言って夏背さんが「何言っても言い訳に聴こえる」とツッコんだのまでセット。常に会場では大きな笑いが巻き起こっていた。最高な話が聴けた。

残り数曲です、と言われてみんなのクソデカ「ええ〜〜〜」が木霊する。ライブもいよいよ佳境だと実感し、1秒1秒が惜しくなってくる。
本当にここまであっという間だったなぁなんて思ったタイミングで「さっき来たばっかりだよ!」と叫んだ人がいて首がもげるほどうんうんした。
(このニキここのMCじゃなくてアンコール前最後の曲の時だったかも)

「次は新曲をやろうと思います」
うわーーーー!!!!まだそれがあったか─────!
夢中になり過ぎて忘れてしまっていた、そうだよねーーーー!!!
今回はタイトルも出ていてライブ限定CDに新曲のボカロ音源が収録されていることからこれまでの快晴やAloudのようなデモ段階ではなく完成しているのは明らかで、存在がサプライズでは無いからアンコールでは無いだろうな〜とは何となく予想してたんだけど、きたかーーー!

「曲名は、Postscript」

・Postscript〜アスノヨゾラ哨戒班

確かにボソッ、だった。ライブの新曲恒例の「曲名は」から始まる振り、やっと聞けた、なんて感動に浸る暇もなくPostscriptが始まる。
イントロ、ギターの攻撃力が高い。いやまって、かっっっっこよ。あれ、予想以上にアップテンポ?っていうかゴッリゴリにロックだ。この路線は少し予想外だったかも、なんて、いや、歌い出しが来る。
この曲のお二人の歌い出しはまだ耳にこびりついている。真っ白な画面に黒字の歌詞のシンプルな映像も目に焼き付いている。
夢のように時は過ぎたってライブ終わった後の私達のことじゃ……。いけない終わった後のことなんて考えちゃだめだ、この瞬間は今しかないんだから集中しなくては。
歌詞が最低限で簡潔なのは最近の味だ。どこか昔を惜しむような雰囲気も。
でもこの解き放つようなまっすぐ伸びるギターと言い、転調繰り返して進んでいくシンプルな構成と言い、生命と書いていのちと読ませるような文学的な言葉遣いの歌詞が「日本の夏」を感じさせたり、どことなく休止前の面影を感じる。この融合、新しい……!

なんて冷静に分析出来ていたのも序盤だけで、「悲しみばかり が枯れるまま生きて、歌う」辺りから歌詞の一つ一つに滅多刺しにされてドバドバ泣き、最後のお二人の「越え」の高音が晴れやかに、しかし力強く突き抜けてきてとどめを刺されてしまった。
ライブでのPostscriptはギターのかっこよさに悩殺され歌詞に号泣しで頭がグチャグチャになっており、CDのボカロ音源を聴くまで一切の記憶が無かった。生歌生演奏で世界一好きな作曲家の完全新曲を浴びることが出来たという身に余る贅沢をまだ噛み締めている。生きてて良かった。
このPostscriptに関してはCDの音源を現在鬼リピートしており(本当に神曲)、個別でじっくり感想を書きたいくらいなのだがそれはまた別の機会で……。

続く曲のイントロ、先のPostscriptでまさに連想したような初期曲らしいバッチバチのギターで頭が真っ白になった。一瞬この大阪公演の日付にまつわる「あの曲」が脳裏を掠めたがやってくれるはずがなく、いやこれは「あの曲」とセットにして語られがちな、みんな大好き──
夏色アンサーだああーーーーー!!!!

USNで披露されていたことは知っていたので、かなり古い曲なのもありやってくれると思っていなかった。全く、これだからOrangestarは…!!
しかも新曲に夏色アンサーを続ける流れと言えばUSNの伝説「夏色アンサー(ボソッ)」と同じ(今回はタイトルの振りはなかったけど)!
もしかしたら今後は新曲→夏色アンサーの流れが定番化したりするのかなとか考えながらペンライトをぶんぶんぶんぶん振る。Orangestar曲の中でもトップクラスのBPMで繰り出される生のギタードラムベースに、かつてなく湧き踊る蜜柑星人達の血肉!
私もついさっきまでのPostscript爆泣きを引っ込め、夢中でステージを見つめて大はしゃぎした。

最大の盛り上がりポイント、ラスサビ直前の「逢いに逝くよ!」が、もう……筆舌に尽くしがたいこの興奮は現場に行かないと分からない。会場中のみんなの脳みそが大きくハジけ飛んだのが見えずとも分かった。
正直期待していなかった夏色アンサーだが、こうやって実際に浴びると選ばれたのも納得だ。フロアブチ上げ適正が屈指で高かった。当時15歳とか16歳のOrangestar少年が作った曲がこうやって10年後のライブで何千人ものファン(ツアーの三公演合計すると一万も超える)を沸かせていると思うと感動するとともに、この大舞台でも通用しうるどころじゃない曲を高校生、作曲初めて1年経たずで作る彼の才能に心底脱帽する。いや年齢とか歴とか関係ないな。素晴らしい曲を生み出してくれてありがとうございます。

夏色アンサーが終わり、ピアノの黒鍵を一つずつ弾く印象的な入りですぐに分かった。聴こえないノイズまで勝手に脳が入れ込んでくる。
濫觴生命……!実はこれも名古屋でやったらしいって聞いてたんだけど、ここで来るか……!
この曲はキーボードのナサガシさんが大活躍だった。間奏のソロを初め波打つようなピアノがうっとりするほど美しい。それと一緒に揺れる客席のペンライトの水色の光の一体感も忘れられない。本当に押し寄せる海の揺らめきのようで、曲の世界観を思わせた。

サビのお二人の「ねぇ ねぇ 僕はここにいる」で色んな意味を感じてしまい無事ぐわぁぁぁっと涙が溢れ、ラスサビ前の夏背さんの「ただ ただ」「なぜ なぜ」でこっってり心臓を締め潰された。
濫觴生命は歌詞が本当に切なくて美しくてでも生きようと思わせてくれて、泣きながらやっぱり大好きだと再確認して、ピアノとライブの音響で強化された重低音にも滅多刺しにされていた。君の名前を確かに呼ぶ声……あの、本当に、よすぎませんかね(止まらない嗚咽)。

会場ではそんなこと至極ぼんやりと頭にあったかなかったかくらいだったけれど、この曲はOrangestarさんが未完成エイトビーツを出した後くらいに自分の創作活動について悩んでいた最中に作ったものだとこれを書いている今唐突に思い出して声が漏れてしまった。これはやってくれて良かった。彼がどんな想いで我々に向かって歌ってくれたのかは想像できないが、何だかそれを聴けたのがすごく嬉しくて堪らない。

続いたのは0秒イントロ、回る空うさぎ。このピアノ曲の流れで来そうな予感は薄〜くあったけどようやく来たか……!ステージ背景の大画面にもMVが放映される。
このライブ回る空うさぎ、本当に本当に本当にとんでもなかった。
原曲がピアノ一本なのでこれまでバカでか音量で殴ってくれた伴奏組が静まって歌声が直に聴こえたのもあり、一番お二人の歌唱力をモロに食らったのは間違いなくこれで、一番聴き入ったのも間違いなくこれだ。

入りから夏背さんが一音一音を大切に紡ぎ出してくれているのが伝わって、こちらも大切に聴かなければならない、これだけは何が何でも耳に焼き付けて帰らなければとペンラを振る手まで止めていたら、サビでOrangestarさんのハモりが入ってきて、これが訳わかんないほどに美しくて思考が止まりかけた。完璧なハーモニーで、まだ耳から消えてくれない。人生最高の回る空うさぎ、もう死ぬまで更新されない気がする。
そこにステージの脇に設置された装置から発射された泡がMVイラストをバックにきらきらふわふわ輝いて、さっきの夏色アンサーでのブチ上げとは対照的に会場中がしっとり幻想的な雰囲気に包まれていた。黄色とオレンジに染まったペンライトの海が合わさると、会場全体がMVの中みたいだった。

先ほど書いたようにここまでは後ろに控えたバンド組の伴奏がさすがライブと言わざるを得ない大迫力の音量だったのもあり、声が聴こえなかったわけでは断じてないが(よく考えたらあんな暴力的な音量の伴奏に負けずに聴こえるくらい声張り上げて歌うのめちゃくちゃキツいと思う)一番しっかり歌を味わったのは断トツでこれで。
これまではお二人の声が束になってこちらにまっすぐ向かってくるイメージだったのだけれど、今回はそれが夏背さんの美しすぎるロングトーンとOrangestarさんの完璧な下ハモりに分離して、重なり合って我々を包むように広がってきて、濃厚なガトーショコラをちびちび味わっているような1秒1秒が惜しまれる贅沢な時間だった。
人生で初めて生歌でここまで感動したかも知れない。これまた聴きたいなぁ……。

ここでMC。

え?
なんだって〜〜!?
次が最後の曲だって〜〜!?!?嘘だ〜〜〜!?!?ええ〜〜〜〜〜〜

会場に広がる不平不満猛抗議猛ブーイング(もちろんこの後控えているアンコール曲は承知の上)が静まる隙間で不意に聞こえた
「おはよう」
に会場大爆笑。何を思ってここまで聞こえる声量でおはよう言ったんだ、このお客さん。

今、無理やり解釈するなら
「おはよう」=「おはようございます。」=「DAYBREAK FRONTLINE」
最後の曲はDAYBREAK FRONTLINEという予想だったのかなとか思えなくもない。
一方、曲で大はしゃぎMCとお客さんの声援で大笑いしていた私の頭に最後の曲が何とか予想出来る余裕は一切無く、しかし、具体的な曲名にすらなっていなかったが「まだ何か足りない」という感覚は漠然と体を支配していた。

最後の曲が始まった瞬間、その、何かが足りない、を的確に押し込まれる。

ステージ背後の大画面に映った真っ黒背景と細い白文字のリリック。白い羽。何度も聴いた大好きな歌い出し。
コンマ1秒で全てを悟って声が出た。こっちは意図しないタイミングでこれを出されたら体が過剰反応するようにプログラミングされてるんだよ。ああ、もう。
すんでの所で膝から崩れ落ちて床にひしゃげるのを耐えた。褒めて欲しいと思う。ペンライトの色を瞬時に切り替える。もう、涙は出ていたと思う。

アスノヨゾラ哨戒班。

正直、ラストの曲でお出しされるとは思っていなかった。アスノヨゾラは間違いなくOrangestarの代表曲ではあるが、ファンの、というか私の間では「副将」ポジションがしっくり来ており、収録されている未完成エイトビーツでは終盤の手前、USNでも序盤に差し込まれており、あまりラストの総まとめのイメージでは無い。

無かった……ので、ここでこれはちょっと不意打ちすぎで、でも快晴がラストの席を外れている今これが最後に選ばれたのは納得で、一瞬でヒットポイントが100から0に削られた。
ずるい。ここでこれは、あまりにもずるい。でも嬉しい。嬉しい。苦しい。
ああ。この曲もOrangestarの名前すら認識していなかった頃に聴いて、まだボカロはあんまり好きじゃなくて、でも初めて聴いた時、歌詞の良さに衝撃を受けて、音に鳥肌が立って涙すら出たんだよな。こんな綺麗なイラスト見たことないとも思った。それから何度も支えられてきた。
一体、ここにいる何人がこんな風にこの曲と歩んできた日々をこの大画面のMVの向こうに見ているのだろう。もう大分痛くなってきた右腕でペンライトを振っている。涙が止まらない。

ラスサビ前、願ってもがいたって、でお二人の歌が止まった。
知っている。ここは我々のパートだと。私達のために用意されている。今この瞬間にしか存在しない「2024年7月5日のアスノヨゾラ哨戒班」は、私達がこのセリフを叫ぶことで完成する。
せーの!

『願ったんなら叶えてしまえや』って

今世紀最大の大声を出すつもりで絶叫した。この特別な日に、作った本人に向かって大好きなこのフレーズをぶつけられているなんて、文にするともっと信じられないけれどでも確かに現実だった。願ったんなら叶えてしまえやって、と絶叫する自分の声がまだ耳にいる。全然通らないなって自らの喉に失望したのも覚えてる。何より私の声を吸い込んでいった、1つになった会場のみんなの声を忘れたくない。
またね Sky Arrow は小声になってしまった。
今日の日をいつか思い出せ未来の僕ら、と自らの胸に強く強く刻みつけながら、「僕ら」の中に彼らを含んで良いのか、恐れ多い、でも今日くらい許されるんじゃないか、とか思いながら。
画面に映る映像の中で、「Vocal&Chorus」が「Orangestar&Kase」になっているのをしっかりこの目で確認し、震えるの忘れなかった。

アスノヨゾラと言えばもう一つ忘れられないのが、最後の夏背さんの鬼のような透き通るハイトーン。ちょ、どこまで伸ばすんですか!?大丈夫ですか喉壊れないですか!?とこっちが怖くなるくらいで、彼女の歌唱力の底知れなさにまたも慄くことになった。その歌唱力を妥協せずフルスロットルで使って魅せてくれたのが嬉しい。
長いだけじゃなく最後の最後まで綺麗なトッポのような高音だった。この人ならAlice in 冷凍庫歌えるんじゃね……?

何度でも思い出したい夜をありがとう。世界は本当に綺麗だと思えた。思い出せるように仕舞ってるよ。

・Encore〜Endroll、+α

ステージ袖に消えていくメンバーに、ありがとうコールがやまない……と思いきや、彼らの姿が完全に消えた途端に間髪入れず「アンコール」の大声が聞こえて、誰かが「はや」と言ったのも聞こえてきて笑ってしまう。

アンコール、恐ろしく長かった。
開演からここまでがあっという間過ぎたから余計長く感じた……のもあると思うが、そもそもの時間が世間一般のそれより断然長く、思考の隅でこのまま彼らが帰ってこない気すらしていた。
しかし会場では常にアンコールが絶えず、私も一緒になって立ったまま叫んでいたけれど、1時間半以上立ちっぱなしだった負担が脚にぶら下がってきたので途中で座らずにはいられず。この長すぎるアンコールもOrangestar氏のライブでは伝統なのだと後で知った。

待ちのフェーズが長かった分、ASH,ツアーのライブTに着替えたメンバーが戻って来た時の興奮はひとしおで、しかもそこから聴こえてきたイントロが──

空奏列車!?!?

ここでもぼんやり感じていた「まだ何か足りない」を的確に押し込まれる選曲に頭真っ白。私が振り上げたペンライトの色も真っ白。そうだ、そういえば空奏列車まだだったんだ、生のギターかっこよすぎる、ああ、ああ……色々溢れる……。 

Orangestar楽曲でも指折りのバチバチ王道ロック。ザ・思春期の苦悩と希望が綴られた歌詞も大好きで、演奏中ずっと楽しくて楽しくて堪らなくて、ここで出してくれたのが嬉しくて、ノリノリになりながらずぴずぴ泣いていた。

「違う そんなんじゃないよ」からのOrangestarさんソロパートだけでも不意打ちへの驚きと歓喜で声が出たのに、そこに被さる夏背さんの「ないわ」で再び膝から崩れ落ちて床に溶け出しそうになったけど何とか耐えた。褒めて欲しい。
やっぱり元がデュエットの曲は“違う”……!!
アンコールでやってくれたのも相まって、アーカイブで聴いたDSOの空奏列車を連想してエモみにも浸れた。

間奏のギターソロがもう……!
今回ギター陣は3人いらしたのだけれどここはやはり三公演とも原曲のもやしさんが担当されていた模様。(もやしさんのツイートで確認)
言わずもがな、何を当たり前のことをと言われてしまいそうだが、かっっっこよすぎて。Aloudベースソロ同様記憶がほぼ無いのが本当に怨めしい。ありがとうございました。

曲の最後の最後、「nanana」の掛け声で全力の大声を張り上げた。嗚咽混じりだったので「な゛あ゛な゛ぁ゛な゛ぁ゛!」になってしまったけれど、それくらい必死になって叫んでいた。
この「nanana」を沢山の蜜柑星人たちと言えたのが本当に嬉しい。会場の一体感が半端なくて感動だった。

ここでMC。夏背さんによるライブ限定グッズの紹介コーナー。
画面に映し出されたグッズ達(前回からラインナップが大幅に増えた)の中には「SOLD OUT」を押されている物も多く、Orangestarさんすごいなぁと改めて思う。
会場限定ピンズ買ってくれた人〜でみんなのペンラの光がぐわぁ〜〜上がる。
座席にしぼむ売り切れて買えなかった敗者(私)。
夏背さんの「このガジェットケース可愛くないですか〜」が愛らしくて「あなたの方が可愛いですよ」と叫ぼうとするもチキン発動で不可。

え!?
なんだって!?!?!?
嘘だろ、やめてくれ、まだ終わりたくない。

次で本当に本当に最後の曲だって!?!?

これを告げられた際、私はアスノヨゾラ前のように往生際悪く「えぇ〜」して、みんなも同じような反応をしているはずだと周りの声を聴いたのだが、意外にも会場に揃ってこだました声は「お〜〜!」で。
なんだかお客さん達が最後の曲を真っ直ぐ受け取ろうとしているのを感じて、名残惜しさは大きいけれど確かにそうだよな、と思った。
ありがとうと期待を込めてステージを見つめる。最後の曲が始まる。

ピアノ。すぐに意味が分かって頭を抱えた。
先程私の一番好きな曲はノクティルーカだと書いたが、その次くらいには来る大好きな曲のイントロが聴こえてきた。

八十八鍵の宇宙!

実はこれも名古屋公演のどこかでやったらしいという噂を小耳に挟んでおり、やってくれないかなくれないかなとずっと待ちわびていたのだが、まさか締めだなんて……!
アルバム限定曲なのでマイナー寄りではあるが、この曲にはどこまでもOrangestarの全てが詰まっており、特に歌詞はこれまで彼が曲を通して放ってきたメッセージの総括だと言っても過言ではない。活動休止発表の直前にリリースされたことや、インタビューでのコメントからもこの曲に乗せられた意味が大きいのは明確で、Orangestarを語る上では絶対に外せない曲だと思っている。それを!このタイミングで!!分解ってるにも程がある!!
ただ一つ、「あの曲」がまだ出ていないのが気がかりだったが、八十八鍵をラストに持ってきてくれたのがもの凄く嬉しくて納得で、そんな疑念もすぐ消滅する。

シンプルだけれど優しいメロディに会場もしっとり聴き入っていて、良すぎる歌詞を味わいながら最初から感傷ずぶずぶ涙そうそうだったけれど、作者直々の「また歌にして生きてやろうぜ」を聴けた瞬間涙腺の大崩壊がピークを迎え、そこからあまり記憶がない。

Orangestarさんの歌はTwitterに上がっている2020年の残灯花火と快晴のセルフカバー(あとは別名義だがyoin「シリウス」)で聴けるので彼の優しい声色の良さも歌い方も存じ上げていたが、この頃とは段違いに進化しているのははっきり感じた。上手すぎる。正直今すぐボカロPやめて歌手に転向しても売れる(けどそれをしないのが俺達のOrangestarさん)。音域大魔神の夏背さんと肩を並べられるレベルですので……。
ライブに行ったことで一人のシンガーとしてのOrangestarの魅力にはしっかり目覚めてしまったが、そもそもは彼の楽曲達が大好きでここに来ているので、「それを作った本人が目の前で歌ってくれる」ことでしか得られない重みをずっと感じていて。
その最たる例は八十八鍵の宇宙で間違いなかった。創作への想いが余すことなく綴られた各フレーズが彼の口から歌われるのを、全身に焼き付ける覚悟で受け止めていた。
「そんな全てを笑って歌って生きていく。
Wow Oh……。」
最後の大好きな大好きな歌詞を演奏に合わせて口ずさんだ。何かがじっとりと胸にこみ上げてくる。
ああ、ありがとう。本当にありがとう。終わっちゃったなぁ……の感傷に、浸ろうとして。

浸ろうとしたのに。
この時の瞬間アドレナリン分泌量が更新される日は向こう十年やって来そうにない。何が起こったのか理解が追いつかなかった。

八十八鍵の宇宙が終わったその時、鋭い破裂音がしてどばっと水色のきらきらしたテープが降って反射でそれを掴まえようと手を伸ばして、みんなのどよめきやら歓喜の叫び声やらが聴こえて、大画面で軽トラの荷台に立ち乗りした女の子がこっちに笑ってて、
もう音が鳴らないはずのステージからスピーカーから、DAYBREAK FRONTLINEのイントロがガンガン響いてきた。

八十八鍵で最後って言ってたのにやりやがったな!!!とかあああああああああとかそりゃライブでデイブレをやらないはずないよねとかやめてよ死んじまうとか、言いたいことがドッと浮かんできたけど全部飲み込んで演奏に五感を集中する。今さっき掴んだ銀テープをしまう間もなく、手に握り腕に巻き付けたままペンライトを振っている。もう無我夢中だった。ライブ音響で増大されたイントロのワクワク感、何度でも蘇る、初めて聴いた日の衝撃。
泣いてたのか笑ってたのか覚えていない。
この会場の誰もにとってこの曲がそうであるように、私にもDAYBREAK FRONTLINEは本当に特別な曲で、それを、こんな出され方されてしまって耐えられるはずがない。

3度のサビのたび、「白みだした星空胸を鳴らしている!」「うううう!」「何も後悔なんてないさ、前を向け!」「いぇええーい!」の大合唱が起こる。私も無我夢中でステージに届くように声を飛ばす。間違いなく人生大声ランキングの上位は2024年7月5日の夜で埋まった。
「最前線飛ばせ僕たちは!」と後ろから聴こえるみんなの声の圧が頼もしく、会場を包む一体感に本日何度目か分からない熱いものが込み上げてきた。

最後のDAYBREAK FRONTLINEには本当に全てが詰まっていて、1秒1秒が忘れられなくて、腕に絡みついた銀テープも、全身全霊で振ったペンライトも、大画面に映る夜明けと対応した青と赤のペンライトも、身体の奥にズンズン響いてくる疾走感あるビートも、お二人の力強い歌声から紡がれる大好きな歌詞も、本当に最高以外の何物でも無かった。この曲を締めに選んでくれたことも、最後の曲詐欺とこんなすごい演出も、本当に全てにありがとうを言いたい。大好きだ。

最後の最後、お二人の「終わらないさ一生僕らは生きて征け」を受け取った時、ああ、生きなくちゃいけないなって思いが体の底から沸いてきたよ。
最初は『このライブに行けたらいつ死んでも良いかも知れない……』とか思っていたけれど、大好きなOrangestarさんと夏背さんに一番最後の曲の一番最後のフレーズでこんなこと言われてしまったら、こんな景色を見せてくれたら、もう、生きる以外なくないですか!?
そして絶対またこの舞台を観に来ようと思った。今日やってない曲もいっぱいあるし、もっと大きい箱でもっと沢山のファンのみんなと盛り上がりたいっていう欲も出てきてしまった。こんな最高の時間、もう一度、いや何度も味わいたい。そのために私は生きなくちゃいけない、と。

写真撮影タイム。バックでサンダルリープのインストが流れており、アーカイブで聴いたDSOの写真撮影を思い出して、ああ「あっち側」にいるんだ……と感動。
目立ちたいのでペンラを握った手を可動域ギリギリまで伸ばした。大阪にちなんでみんなで揃えたたこ焼きポーズのせいでオッケーマークを見たらこの日を思い出して嗚咽する体になってしまい、どうしてくれるんだ。

写真撮影後、本日n度目の俯いての感傷タイムを行っていた所、不意に視界の端で何かが動き、周りから歓声が上がる。なんだなんだ、慌てて顔を上げるとOrangestarさんと夏背さんがおててを繋いでおり(ヱ!?)、決定的瞬間を見逃した後悔と唐突に送られてきた夫婦のイチャラブ成分で言葉が出ない。
(この私が見逃した箇所、最初夏背さんがOrangestarさんと手を繋ごうとするも、その彼は照れて小指だけ差し出していたという話を後で聞いた 何ですかこの胸が潰れるような愛しさは これが「てぇてぇ」って感情ですか)
するとずらり並んだバンドメンバーも次々手を繋ぎ始め(かわいい)、夫婦が突然2400人の前でイチャコラ始めたんじゃないのね……とホッとするような残念なようなしながら見守っていると、手を繋いだメンバーが一斉にお辞儀をしてくれた。じんわり胸が温かくも苦しくなる。彼らに贈られるお客さんたちの温かな拍手と愛の叫び。最高の2時間をありがとうございましたの気持ちを強く込めて、手を叩く。

バンドメンバーがステージから去ってゆく。みんながみんな何か叫んでいる。
今度こそ本当に本当に最後なのだ……と思うけれど、寂しさはあまりなく、不思議と満ち足りた気分だ。
とうとう楽器隊が全員いなくなり、ステージにOrangestarさんと夏背さんが残されて、その2人も袖へ歩いていく。
ありがとうが漏れた。あぁ叫ばなきゃ伝わんないんだった、ありがとう!!

「ありがとう!」とか「最高!」とか「大好き!」とか、彼らにずっと伝えたかった言葉達を、この日のうちに沢山叫ぶことが出来た。今日のパフォーマンスへの分もだけど、出会ってから今までの分も、全部。
嬉しいことだらけの1日だったけれど、沢山の同じものが好きな仲間達と一緒にOrangestarさん達に直接ありがとうを叫べたこと、正直これが一番嬉しかった。自分の声がようやく届いたんだと思うと今でも涙が出そうになる。

最後、夏背さんの後ろ頭がステージから完璧に消えて、ああ、ありがとう……と感傷に浸ろうとしたその時、
ぼこぼこぼこ、と泡の音が聴こえた。

またも理解が追いつかないまま興奮だけ先走る。え、え、え、と後ろから前から横から蜜柑星人達の戸惑いと期待の声。え、これって。この曲って。
もう一回遊べるドン……!?

初音ミクのくぐもった掠れ声が「懐かしい海の香りに足を止める」と歌い出したとともに、ステージ後ろの大画面に何か文字が流れてくる。まるで映画のキャストロールのようだ。頭を抱えたくなった。座っていたお陰で膝から崩れ落ちることは無かった。
どこまで抜かりないんだ。何回私達を裏切れば気が済むんですか?ここでEncounterなんて聞いていない。

写真撮影時に指定された青色のまま、ゆるやかな曲のテンポに合わせて振れていたお客さん達のペンライトの動きはすぐに揃い、会場に光の海が生まれる。
上を見て右を見ると、波のように揺れるペンライトの群れはどこまでも揃っていて、一体感が半端なく圧巻だった。この2時間を一緒に笑って泣いて叫んで喚いたファンのみんなと作り上げた光景だと思うと、余計心がぶるぶる震えた。
エンドロールの最後まで、会場がステージから去った彼ら一人ひとりへの愛とリスペクトで満ちているのを感じて何度か泣いた。この場の無数の光のうち一つを担えているのが誇らしくて仕方が無かった。会場のみんな、最高だよ。
客席を見渡すのに夢中で、肝心のエンドロールの映像をちゃんと見ていなかったのは少し後悔している。この公演に関わる方々の名前を目に刻みつけるべきだったなぁと思ったけれど、こればかりは仕方がない。

終演のアナウンスがされた時、不思議と名残惜しさが薄くすっきりした気持ちでいたのは、ライブの余韻のほとんどをこのエンドロールで使い果たしてしまったのもあるかも知れない。ずっと暗かったから、エンドロールが終わって客席に電気がついた時、夢から醒めたような心地がした。
終演後流れていたのは未完成タイムリミッターで、選曲に少し泣きそうになる。

忘れ物が無いか本気で探したりごちゃごちゃの荷物を整理したりで余韻に浸らずとも会場を後にするのは最後の方になってしまった。入場した時と同じドアを出る。Twitterが見たくなって、公演中ずっと落としていたスマホの電源を入れようとする。後にした会場から漏れるBGMが、タイムリミッターが終わって開演前のような蝉の効果音に置きかわっていて……いや、ん????

今、聞き間違いじゃなければ、真夏の坂を駆ける自転車の って言ったよね……!?

同じ扉から出てきた他のお客さん達もあからさまに動揺したり声を上げたりしていて(流石ファンしかいない空間)、示し合わせずともその場にいた全員がさっき出た出口に大逆流する。
真夏と少年の天ノ川戦争が、ライブ会場で流れているだって……!?

Orangestarさんの楽曲の中で、歌詞中に唯一詳細な日付を含む曲。その日付がまさにこの大阪でのライブの日「7月5日」で、3公演の日付が出た時からファン達はみんなうっっすら大阪公演での天ノ川戦争を期待していたりした。
しかしこの曲を作ったのは15歳のOrangestar少年、この頃からワードセンスは巧みながらも、脚光を浴びる前だったのもあるだろう、「うっせーロリコン!」を始めとしたふざけ……遊び心ある歌詞もそこらに見られ、二年後の2015年時点ですら「こんな恥ずかしい詞僕には書けないよ」とツイートされているので、少なからず本人にこの曲に触れられるのを照れくさく思っている部分はあるはずで(それでもMVが削除されない辺り思い入れは強いのだろうが)、この夏27歳になる彼がライブの大舞台でやってくれる望みは限りなく薄い。
そんなのは百も承知だったけれど、やはり「7月5日」という日付に夢を見てしまい、「開演前とかでちょろっとアルバム音源流れないかな……」なんて期待は捨てきれずにいた。その、天ノ川戦争が。その天ノ川戦争が流れている!?

最後の最後のとんでもないサプライズに大興奮の私達だった。名ゼリフ「うっせーロリコン!」は意外と僅かな声なので聴き取ることができず残念だったが、ライブ会場で流れる天ノ川戦争なんて今後一切聴けないだろうから本当に嬉しい。
言葉は全く交わさなかったけれど、あの場で一緒に出口に逆流した皆さんとは一瞬で友達になれた気がした。この日最後の忘れられない思い出だ。きっと他の出口でも全く同じことが起きていたんだろう。
この日会場で流れた曲は真夏と少年の天ノ川戦争がラストで、いつ流れることが決まったのかも誰が言い出したのかも分からないが、最後の最後に……というのがシークレット感あって良かったよね。Orangestarさんが人少なくなった後ならいいよって言ったのだろうか……とか考えるが真相は闇の中。何にしても今日の7月5日が特別な日だって忘れられてたわけじゃなかったのは嬉しい。

立ちっぱなしだったせいで信じられないくらい足が痛くて、ペンラぶんぶんのせいで信じられないくらい腕が動かなかった。
会場から出たあと泣きやめないんじゃないかなって思ってたけれど、いざ終わってみると感動やしんみりよりも「楽しかった」が遥かにデカく、帰る間ずっと興奮しているような冷静なような妙な気分でいた。涙は会場で出し切ったのだと思っている。八十八鍵の宇宙の最後です詐欺から銀テぶっ放しデイブレからエンドロールまでやられた挙げ句天ノ川戦争まで聴けて、綺麗に惜しさが無くなってくれた。満足感しか無かった。
「最高の日だったな」と「本当にあそこにいたんだっけ?」をずっと反復しながら大阪の街の煌めきを見つめる。帰りの電車に揺られながら、OrangestarさんのTwitterにさっき撮った写真が上がったのを見て、「私、この空間にいたんだ……ほんとにライブ行ったんだ……」と感極まって危うく父の目の前で泣きかける。
解析の結果、一階の前の方の右端に私と思しき高く挙がったペンラの光があった。私がいた証拠、ちゃんと写ってた。

・おわりに

今回行って、「Orangestar」を構成する全てへの愛がさらに増大したとともに(そろそろはち切れないか心配である)、Orangestarさんと夏背さんの中身が大好きになった。

夏背さんのの歌声も絵も大好きで、何より人生で一番夢中になった音楽がOrangestarさんの曲で。
ずっと聴いて見てきて支えられて、彼らの中身まで推している気になっていたけれど、それも言ってしまえばOrangestar音楽を好きな延長でしか無かった。
でも今回生でお会い(で良いよね?)して、お二人の創作やパフォーマンスにかける魂の熱さを垣間見たことで完璧に中身にも惚れてしまった。より深い部分でファンになった気がする。この2人がOrangestarと夏背で心底良かったなって。
ありがとうございましたしかない。全てに。これからもたくさん追いかけます。地獄の果てまでついて行かせて下さい。

あとバンドの皆さん!!本当に本当に最高でした!!
ギターの遼遼さん(ボーカルも!)もやしさんきこりさん、ベースのpinoさん、ドラムの初穂さん、ピアノのナサガシさん、全員かっこ良かったですかっこ良い以外感想がありません。本当に最高の演奏ありがとうございました!!お陰で超楽しかったです!!

マニピュレーターの酒井さんサポートの坂本さん、メインビジュアルのM.Bさん始めMVのイラストレーターさん方、会場のスタッフさん方、グッズのデザイナーさん、制作のポニーキャニオンの社員さん、本当に誰一人欠けても見ることが出来なかった景色だと思うと特大のありがとうです。
改めて、ツアー完走本当にお疲れ様でした!
愛してる!!!

(今回のセトリ)

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