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大坪由佳さんご結婚おめでとうございます。

去る2020年10月30日に、声優の大坪由佳さんご結婚されたことを発表されました。おめでとうございます!!
この記事は、1人のファンが大坪由佳さんについて思いを馳せる駄ポエムです。

正直語りたいことは山ほどあるのですが、今回は一番語りたい、あるひとつのトピックについてだけ話させてください…

↓こちら、わかりにくいですが結婚報告記事のリンクになります。ぜひ、あらかじめ文面をご覧ください。




大坪さんの一般的な人物像は、「笑顔」「面白い」「楽しそう」といった類のものになると思います。
デビューから9年半ほど、その間濃淡はあれど彼女を追い続けてきた自分が見てきてきた大坪さんも、やはりそのような人間でした。

ただ、そのような明るいキャラクターは生来のものであることは間違いないにせよ、努めてそのように見えるように振る舞っていた側面もあったかのように、個人的には思えています。


自分がそのように感じるようになった最初のきっかけは、2014年6月に行われた『ゆるゆり』のライブイベント『七森中☆さみっと』での出来事でした。
この日は昼夜2公演のイベントだったのですが、昼公演の途中頃から、大坪さんの声に掠れが混じるようになったことに気づきました。
その後もどんどん喉の調子は悪くなっていったように聞こえ、夜公演の終盤はもはや、どうか大坪さんの喉が無事でいてくれと祈るような気持ちで見ていたことを、今でも鮮明に覚えています。

ただ、この日のMCでの、そして後日このイベントについて語る大坪さんは、一切自分の喉の不調について触れませんでした。

結果として、大坪さんはその後2ヶ月ほどラジオやイベントを欠席がち(または発声NG出演)になり、アニメでの声も明らかに本調子でないものが放送されることもありました。
2011年のデビューからこの2014年になるまで、お仕事の量が上り調子に増えていっていたように見えた大坪さんですが、後年振り返ってみると、この夏を機に露出が落ち着いていったようにも見えています(因果関係はわかりませんが)。

あの日に喉を壊しながら最後まで歌い上げたのは、大坪さんなりのプロとしての姿勢を全うしたものだと思います。そんなどこまでもエンターテイナーな大坪さんが、やっぱり大好きです。
ですが、ここまで大きな影響を与えたように見えるこの不調について、ただただ明るく大丈夫だとだけ言い続けている大坪さんが、本当はどういう悩みや苦しみを持って生きているのか。それをファンの立場から窺い知ることができないことに、いつしか辛さを覚えるようになってしまいました。


出演情報をできるだけ追って情報ブログを更新し、イベントにも足繁く通い、毎月のようにファンレターを書き…。
2011年のアニメデビューの瞬間に立ち会ってから、2014年に前述の『七森中☆さみっと』を経て、そしてそれからもなお何年もの間、自分の人生のトッププライオリティを彼女に置いているほど、自分は大坪さんに入れ込んでいました。
(このトッププライオリティというのはまさにその言葉の通りで、自分の人生を左右しうる大事な試験を数日後に控えていても無理を押してイベントに行っていたようなレベルを指します。若かったですね…)

その間も大坪さんは、一貫してその明るい振る舞いはぶれずに、人間として当然持つであろう弱みや、意外と思われそうな側面を、ファンには固く見せようとすることはありませんでした。
(唯一ホームグラウンドといえる『(七森中☆ごらく部)』の終演前ライブMCでだけは深い思いを垣間見せることがあったようには思います)
共演者から「表でも裏でもいつも変わらない」という評価を聞くこともたびたびあり、だんだんと新人から中堅と呼ばれるようなキャリアや後輩も持つようになり、ステージの上でも裏側でも常に "大坪由佳" というパブリックイメージを演じていたのではとすら想像してしまいます。
どれだけ演技やライブでのパフォーマンスに触れ、ラジオやイベントなどでのトークに触れても、やはりその裏側には届くことはありませんでした。
いつしか、全て行こうとしていたイベントからは少しずつ足が遠のき、全て欠かさず聴いていたラジオも再生ボタンを押すのが重くなり、自分の中にあった熱・炎が燻っていくのを感じていました。


正直、これからどうやって大坪さんと関わっていこうかと悩んでいた2020年7月、自分にとっては何の前触れもなく、大坪さんがツイッターを始めました。
SNSやインターネットで自分の思いを発信することに距離を置いているように見えた大坪さんが、こうして自分から動くなんて…。彼女の中で、少し何かが変わったのかなと思いました。
(本人は、直近で『アイドルマスター シンデレラガールズ三村かな子役として歌った『Sing the Prologue♪』の歌詞に背中を押されてツイッターを始めたと公言しています)

ツイートで深く重い心情を吐露したり、リプライにリアクションがあるなどということもないですが、毎日大坪さんのツイートが見られて返信を送ることができるような環境を作ってくれただけでも、自分にとっては大きな変化でした。
一時期のように、持てるだけのエネルギーを大坪さんに費やすことはもうできないですが、これからも自分なりのペースで応援し続けることはできそうだなという思いが生まれました。


そして、それからおよそ4ヶ月後、大坪さんがご結婚を発表されました。
そのご報告文章の中には、このような言葉がありました。

人に頼る事が苦手で悩んだ時や辛い時 何でも一人で解決しようとしてきた私がいつの間にか彼の優しい言葉や美味しい手料理に救われ支えられていました

ファンに対しても同業者に対しても、自身のパブリックイメージを守り続けた大坪さんが、ファンの立場からも想像できてしまっていた「人に頼ることが苦手」という弱さに寄り添える伴侶と出会えたということなのですね…。
この言葉を見て、まさしく大坪さんの人生にとって必要な方とご結婚されたのだなと、強く納得することができました。
そして、決して長くはないこのご報告文章(ご家族の分まであるのは前代未聞で、でもそれも大坪さんらしいですが…笑)の中で、あえてそのパブリックイメージに反するような言葉を使って思いを表現してくれたのが、すごく嬉しかったです。
そして、このような言葉で表現できているのだからこそ、これからの大坪さんの人生は大丈夫に違いないなと確信しています。


自分の持論として、ファンの立場から相手に踏み込みすぎることは、結局誰も幸せにしないものだという思いが強くあります。
何年かの間、大坪さんの声優活動を全て汲み上げようとしたことがある自分の経験から言っても、やはりファンの立場から見える人間としての一面は非常に限られたものです。
その裏にあるものを勝手に想像して相手に伝えたり寄り添おうとすることは、単なる妄想の押し付けに過ぎないと考えています。
もしもたとえ、こちら側が思い描いている悩みを実際に抱いていたとしても、それを解決するにはファンという存在は無力すぎます。

ただ、親しい人間にしかできないようなことがあるように、ファンにはファンにしかできないこともあるということもまた、信じていきたいです。
大坪さんからたくさんいただけた元気を、ファンの応援で少しでも返すことができたとしたら、それは小さいものかもしれませんが、彼女の人生にとって確かに意味があるのだと思いたいです。
このことはもはや、無力な自分に言い聞かせているような言葉ではあるのですが、昨年末のコミケでのお渡し会で久しぶりに(そして現状における最後の機会に)大坪さんとお話した会話を思い出しては、そのような気持ちにさせられています。

「人に頼る事が苦手で悩んだ時や辛い時 何でも一人で解決しようとしてきた」大坪さんを、自分はどうにもできませんでしたが、これからも大坪さんのために、そして他でもない自分の喜びのために、大坪さんの活躍を応援していきたいなと思っています。



長い間抱いていた思いが、今回こうしてひとつの着地を見せて、文章にも書き出せて、おめでとうございますという気分と同じぐらいには、なんだか清々しい気分にもなってしまっています。
それこそ「単なる妄想」の塊に過ぎないようなこの文章が、もしかするといつか本人の目にも入ってしまうかもしれませんが、きっと今の大坪さんになら大丈夫だろうというわがままめいた気持ちもあります。

改めて、大坪由佳さん、ご結婚おめでとうございます。
これからもごくごく微力にはなるかと思いますが、あなたの声優活動を応援させてください。

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