WarhammerOnlineだいすき 序段

WarhammerOnline Age Of Reckoning 
2008/09/18 発売、”あの” DAoC の Mythic が開発したMMORPG。
発売元はEA。WoWを超えるとの前評判だったが色々とあって開始わずか半年後 2009/3/10にはサーバ統合(縮小)が発表され、55サーバ(北米49、オセアニック6)が14サーバに。そして 2013/12/18 00:00 で正式サービス終了。

前評判のわりに早々に終了してしまったが、人が集団になった時の行動にかかる慣性やモチベーションの増減などプレイヤー個々の判断・行動が集団にもたらすものがシステム外からきっちりとゲーム結果に反映されるツクリに(たまたま)なっていて、これは囲碁や将棋のように未来に残して永遠に研究されるべき素材だと考えていた。正式サービス終了となった時には割と本気で「この先何のために生きたらいいだろう?」と思っていたくらい、毎日仕事のあと、寝るまでプレイしていた。や、帰ってきてすぐ寝て北米時間でアツい4:00A.M.(JST)くらいに起き、会社行く直前までやっていた。か。

WarhammerOnline Return Of Reckoning
終了直後からサーバプログラムが流出したようで、やはりその終了を惜しんだ海外の有志によりReturnOfReckoningとしてエミュレータサーバが2018年5月現在も稼働中。はっきり言って正式サービス時より盛り上がっている(つい先日のCWはDest側に7WBいました。Siege失敗してすぐぽろぽろ落ちてたけど)。チョサッケン的なことはわかりません。

ゲームのつくり
Order(いいもん)とDestruction(わるもん)という陣営に分かれて領地を奪い合うのが大枠。Orderはエンパイア、ハイエルフ、ドワーフ。Destはケイオス、ダークエルフ、グリーンスキンとそれぞれ3種族がいて各種族にタンク、近接アタッカー、遠距離アタッカー、ヒーラーの4ジョブがいる。
※ダークエルフのタンクとエンパイアのタンクは途中で実装された

PvEコンテンツ(対COM)とPvPコンテンツ(対人)の2本立てで、PvPはオープンマップでの自由戦闘(OpenRvR)と、試合のような決まった人数同士の局地戦(SC)の2つに分かれる。キャラの成長はレベル制で、通常のレベルと対人レベルで経験値が別。

奪い合う領地は大きく3つ「Chaos対Empire」「DarkElves対HighElves」「GreenSkin対Dwarf」に分かれていて、各Map内がTirer1~Tire4までの4つに分かれる。※正式サービスにはLandOfTheDeadと呼ばれるマップがあった。

レベルごとに対人に参加できるエリアが分かれていて、通常レベルで1-11がTire1、12-21はTire2、22-31がTire3、32-40でTire4が参加できる争奪エリアになる。※現在のReturnOfReckoningでは1-15がTire1、16-40はTire2~Tire4のどこでも参加できる。

もともとはPvEコンテンツの達成度、SCの勝率、OpenRvRでの支配状況と対象マップの下位Tireでの勝敗結果などからその領地を奪えた(Lockできる)かどうかが決まるようなシステムだったが、多くのプレイヤーが期待していたのはやはりDAoCのような熱いRvRだったため、この複合評価システムは早いうちになかったことになったような覚えがある。

どうでもいいがCamelotUnchainedが2018年7月1日とうとうβ開始。

PvP(SCとOpenRvR)
SC
シナリオの略。前述の通り試合形式で15分くらいの制限時間ありの局地戦で、参加申し込み(queue)をしておくと順番が来たら呼ばれる。純粋な殺し合いよりは拠点制圧時間やオブジェクト確保時間でポイントを加算していって先に500点行った方が勝ちで終了。

OpenRvR
城の防御力を強化したりする4つある戦略拠点(BattleObject=BO)を制圧しつつ各マップにそれぞれある敵陣営側の城(keep)を落とせば勝ち。そのマップ(Zone)をロックして次の戦場へ移る。という形。
BOの効果や落城・ロック条件はパッチでいろいろ変わる。いまはKeep Lordと呼ばれる城主NPC(くそ硬いし超つよい)をみんなで殺して城を取り、マップ内のBOを3つおさえたらロック。ひどい時は1マップ16時間とかも。

PvE
基本的には以下4つ
・そこらのmobを殺して経験値・金・戦利品を獲る
・ダンジョンに行ってボスを殺して〃
・町の人からクエストを受けてこなして〃
・パブリッククエストをやって〃
独特なのはパブリッククエストで、これはあるエリアに侵入すると勝手に始まるクエスト。そのエリア内にいるすべてのプレイヤーに共通のクエスト進行条件が設定(大体〇〇を何匹殺せ等)されていて、みんなでそれをクリアしてステージが進むと最後はボスが出てきて、倒すとご褒美というシステム。

なぜNoteを書いているのか

正式サービスの最初は、キャラメイク後は選んだ種族それぞれの開始地点から始まり、目の前にいるNPCがクエストをくれて、それに沿ってゲームを進めているとその内OpenRvRエリアに辿りついて人間ひっぱたく遊びができるようになっていく仕様だった。OpenRvRエリアも各種族マップごと、Tire1で3か所にあって各地で殴り合いが行われていた。

それがその内(すぐ)プレイヤー数が減少。先に始めた連中はTire2以降へ行ってしまい、OpenRvRエリアが分散しているおかげでTire1対人戦闘が各所で過疎気味になり、全種族同じ場所(Chaos/Empireマップ)からスタートするよう仕様変更された。「レベル10までFreeToPlay!」のためかもしれない・・・。ただこうなると最初に目の前にいるNPCがくれるクエストから始まる各種族に課せられた使命や悲願などの背景説明やストーリーがもう成り立たない。

最初のNPCに限らず、クエストを受けるとNPCが「なぜこんなことを頼むのか」というようなことがストーリーを絡めて長々書かれているっぽいが......
・そもそも英語だし
・しかも教科書と違って小説のような言い回しだし
・固有名詞、特に作中で有名とされる登場人物名や地名もわからない
......ので読んでなかった。

自分は正式サービス時、日本人プレイヤーが多いとされていた北米のSkullThloneサーバでDestroメインでやっていたが、PvEはほとんどやらず対人ばかり(強くはない)。なので新キャラ作ってもまずやることはダッシュでOpenRvRエリアの入り口にある街(WarCamp=WC)に辿りつくこと。

はっきり言ってシステムがいけてないと思うが、最初のNPCのクエスト受けてレベル4くらいのプレイヤーにとって良いアイテムをもらってもレベルは特に低いうちはすぐに上がるし、レベル6用の店売りアイテムの方がクエストアイテムより強いので、対人やりたい人間にとってそこでもたもたとクエストやってる意味が全然ない。

それでも後半は対人を有利にするためのクエストアイテムが欲しい場面があってクエストをやることもあるが、結局行くべき場所はマップが赤くなるし「〇〇を何匹殺してこい」というサマリの部分しか読まなくても進められるので、小難しい英語のところは全然読んでなかった。

でもこのゲーム、OpenRvRの人間模様が死ぬほど面白い
臆病なタンクとか、ヒールほしくて敵のmeleeぞろぞろぶら下げて味方のヒーラーの前に連れてくるバカアタッカーとか全部Block/Disruptされてるのに安全圏から敵タンクばっかり撃ってるバカSorcとか、目の前HP2mmでDoT食らってヨタヨタしてる味方がいるのにSquadしか見てなくて平気で見殺しにするあほヒーラー達が織りなす壮大な城奪りゲーム。
※やってるときは本気でキレています

7WB(1WBは24人)もいて城攻め失敗する様は大軍がどんなことで瓦解するのかを考えさせられる。ちなみにこの時Order側は3WB+3FGくらいだった(1FGは6人)。※WB=WarBand, FG=FullGroup 要するに1パーティー6人で組めて、それをWarBandとして4つまで1単位にまとめれる。

この面白すぎるゲーム、ふと「なぜこいつらこの土地とりたいの?」とか「ShamanのスキルにあるGorkとかMorkってそもそも何?」とか思ったときに、そういえば背景のストーリーとか全然読んでなかったなぁと気づき、ちょっとがんばって一部適当に読んでみたらえらい深い物語がしっかり構築されていたので、もっと理解したいと思って調べ始めたことを、その動機も含めて記録しておこうと思った次第。

Warhammer という素材はミニチュアゲームから

ゲーム製作会社ゲームズワークショップ(英)が製作・販売する 1983年初版のミニチュアゲームシリーズで、ファンタジー世界が舞台の「ファンタジーバトル」(FB)と、SF世界が舞台の「ウォーハンマー40,000」(40K)の2シリーズで展開されている内のFBの方が元ネタ。またミニチュアと別にウォーハンマーRPGというTRPGのシリーズもある(1985年初版)。TCG等の派生も色々とある。日本ではあまり知っている人に会わないが、海外では結構人気らしい。

元ネタのFBは現在3シリーズめ。初代シリーズと、2代目エンドオブタイムズ(EoT)、現行がエイジオブシグマー(AoS)。オールドワールドという世界を中心に各種族・国家が覇権を争っていて、EoTで大戦争が起きて世界は一度滅亡する。その数千年後に初代の生き残りが新たな世界を構築して、AoSでまた争いを始めている。という感じ。

おそらくたぶんだけど、軽い気持ちで売り出したら存外に人気が出て稼ぐコンテンツになったので、もうちょっと真面目にシステムとかバランスとか整理したくなって、一回何もかもなかったことにしたくてEoTで全部滅ぼしたんだろうと思っている。

初代->エンドオブタイムズ(EoT)->エイジオブシグマー(AoS)

これをいわゆる公式ストーリーラインとすると、サプリメントと呼ばれるキャンペーンシナリオが各シリーズにいくつも存在している。その中でも特にGWSが毎年?何年かに一回?行っている全国キャンペーンで、2008年にストームオブケイオスという 「”アーケイオン”が渾沌の四神の加護を受け、ケイオス軍及び四神軍を引き連れオールドワールドに大侵攻してくるイベント」があった。WarhammerOnlineが公式ストーリーラインのどの部分にあたるのかと考えると、このストームオブケイオスのあたりの出来事だと思われる(今のところ)。

ただストームオブケイオスのアーケイオンは四神の加護、Onlineのチャーザネク(Destroの大将)は「ティーンチ神が見つけたチャンピオン」なので、これそのものではなさそう。

ミニチュアゲームの説明をWikiやファンサイト等で調べるとプレイヤーが自キャラとして使える種族はOnlineの6種族よりはるかに多いことがわかる。PCゲーム内ではNPCとして登場しているSkavenやLandOfTheDeadにいたアンデッドみたいな奴らもいるし、ハイエルフ・ダークエルフ以外にウッドエルフというのも見える。ヴァンパイアも使えるらしい。

とりあえずOnlineのWarhammerは「壮大な」ミニチュアゲームの設定の一部を切り取ったものらしいと理解して、まずは今も残る日本語のWarhammer Online wikiからOnline版のストーリーを確認してみることにする。コピペするが、できれば誰かリンク先の永続性を保証してほしい。

WarhammerOnlineのストーリー

混乱のエンパイア

ケイオスによる疫病発生の一報がエンパイア辺境の入植地から届いたときには、どうせ望まれざる訪問者を追い払うためにこしらえた作り話だろうと一笑に付されたものだった。しかしアルトドルフの街路に疫病が広まったころには、事態は一変した。皇帝陛下による最初の検疫令が出された頃には、この恐ろしい病は帝国のほぼ全域にまで広がっていたのである。エンパイアの医師たちは昼夜を問わず病魔と闘ったが、疫病を治癒するのはいかなる努力をもってしても難しかった。
ケイオスによる疫病の犠牲者はまず倦怠感、痛み、ひどい喉の渇きを覚える。続いて、吐き気を催すが、最終段階に達するまでにはおおよそ1ヵ月を要する。その最終段階に至ってから、この病は恐るべき本性をあらわにするのだ。不幸にもこの病に冒されたものは、3週間から4週間かけて変異を経験し、おぞましいケイオスのミュータントへと変容してしまうのだ。ミュータントとなったものは、目に付いたあらゆる生物を相手に獰猛に襲い掛かるのである。運良く病にかからなかった者でも、患者の成れの果てである凶暴な怪物によって殺されてしまうことがあった。
ひと月ごとに死者の数は増えていった。検疫令と戒厳令も疫病の広がりを阻むことはできず、エンパイア領内の村や町は被害妄想による恐怖に襲われていた。疫病が蔓延した都市の民兵は、街路を群れなして闊歩するケイオスのミュータント相手に戦うことを余儀なくされ、守るべき城壁から離れざるを得なかった。つけ上がった山賊の一味が地方を跳梁し、好き勝手に略奪、火付け、殺人を繰り返した。このような惨状はエンパイアの歴史にも例を見ないほどであったが、このケイオスの疫病でさえ、この後訪れる大いなる災いの前兆に過ぎなかったのである。

凶兆

一方そのころ、ダークエルフの王国ナーガロスでは、グロンドの預言者たちが、遠方で荒れ狂うケイオスの大渦(Chaos Maelstrom)の研究を休む間もなく続けていた。常に定まらぬ色彩と形状の渦のなかに、突如として変化が生じた。預言者たちは一心不乱にこの変化を注視し、不吉な新しい模様を読み取ったのである。自分たちの読み取ったものについて確信を得た預言者たちは、南方のナーガロンドへと疾風のブラック・ペガサスに遣いを乗せて送り出した。この世界に一大事が起こるのだ。魔虐の王にこのことを伝えねばならなかった。
数日が過ぎた。ダークエルフの王メルキスはグロンドからの報告書を読んだ。ケイオス神の一柱、ティーンチが新たなるチャンピオン見つけ出したのだ。歪みを作りし者、ティーンチ神の信徒たちは、神の先駆けとして大軍勢を組織し、人類の版図たるエンパイアへの大侵攻を企てていたのである。
メッセージを読み、その内容についてメルキスはとくと考えた。
おぞましい疫病がオールド・ワールド全域を襲ったことはよく知っていた。
もしケイオスの軍団が疫病で弱体化したエンパイアへの攻撃を準備しているのなら、エンパイア皇帝はドワーフの援軍を召集するほかないだろう。ドワーフの援助があれば、ケイオスの大軍団を押し戻すことも不可能ではあるまい。だがしかし、もしも山岳の民たるドワーフがエンパイアの防衛にやって来られないならば、皇帝カール・フランツはウルサーンのハイエルフどもを頼ることになろう。親類たるハイエルフたちが、危機に瀕した人類の大国を見捨てるとは、メルキスには思えなかった。
ハイエルフどもが弱った同盟国を放っておくだろうか。否……ハイエルフどもは応えるだろう。ケイオスの攻撃を挫くべく何個かの軍団をエンパイアへと送り、そうしてウルサーンの守りは手薄になるというわけだ。
「渾沌の月が太陽の光を覆い隠すとき、ケイオスの軍団は南進を始めることでしょう。」報告書はそう結論づけていた。残された時は少なく、為すべきことは多い。
魔虐の王メルキスは、王国すべての鍛冶場に命令を下した。武器を、鎧を、攻城兵器を造るために。カロンド・カーの魔獣使いには、飼育している怪物どもからもっとも強く、凶暴なものを選び、戦いに備えるよう指令が下った。その獰猛さで知られているカイン神に仕えるウィッチ・エルフたちは、殺人者の主たるカイン神に捧げる血の供犠の準備を始めた。魔陰の女王モラスィは、魔女団から選りすぐりの女妖術師たちを招集し、ダークエルフの軍勢を指揮させるために鍛えた。臣下たちが来るべき戦争に備えている間、メルキスは対ドワーフ戦の計略を練り上げていったのだ。
ナーガロスでも腕利きのハンターと戦士による一団が、グリーンスキンの土地へと遣いに送られた。彼らの使命はただひとつ:できる限り強力なオークの族長を連れて戻ること。
一行が1匹のオークと1匹のゴブリンを連れ戻ったのを見てメルキスは驚いた。この二者は分かち難い関係にあり、協力して強力な新興部族を率いていたのだ。彼らは自分たちの部族を「血みどろ太陽族(ブラッディ・サン・ボーイズ)」、と呼んでいた。ゴブリンのシャーマン、ガズバッグは知恵を、見上げるような暴漢のオーク、グラムロックは筋肉を持っている。メルキスはそれぞれに、身につけたものの力を大幅に強化する魔法の護符を渡した。護符にかかった魔力はそれだけでなく、メルキスはこっそりと命令の魔法をかけており、この2匹の指導者が最果て山脈目指して東へ進軍するように仕向けたのである。カラク=エイトピークの要塞は二者の手に陥ち、巨大なグァーグ!(Waaagh!)、つまりグリーンスキンの大群ができればドワーフは全滅することだろう。これが終わると、メルキスは部下に命じて捕まえてきたグリーンスキンを元いた場所に戻させた。
計画が整うと、メルキスは最果て山脈からの知らせを待った。押し寄せるグリーンスキンのグァーグ!との戦いで足止めされたドワーフたちは、ケイオスの軍団がエンパイアの辺境にやってきても皇帝の招集に応じることができないだろう。ハイエルフたちがオールド・ワールド目指して東へと船を出し、そこをメルキスが襲うことになるのだ。数千年の昔、貧弱な同類どもによって拒まれた継承権を、今こそ要求しよう。魔虐の王メルキスが、ウルサーンの玉座を我が物とするのだ。

血塗られた太陽が昇るとき

バッドランドでは、ガズバッグとグラムロックが血みどろ太陽族(ブラッディ・サン・ボーイズ)を再結成していた。すぐさま、2匹はメルキスから魔法で刷り込まれた指令を成し遂げるべく行動を開始した。
新しく力を得た族長とシャーマンに率いられ、一行は最果て山脈目指して行軍を始めた。途中で出くわしたグリーンスキンの部族は彼らに吸収されるか、あるいは拒んで滅ぼされるかであった。オーク、ゴブリン、どちらの種族でもかつてこれほどの勢力を誇ったものはなく、血みどろ太陽族の数は膨れ上がるばかりであり、その偉業は噂として広まっていった。
グリーンスキンの大軍勢はカラク=エイトピークに到達した頃、ドワーフは城砦の内側に集結していた。難攻不落の要塞ならば危険はないと信じていたのだ。だがガズバッグが増強された魔法を使って、都市を守るとてつもなく分厚い城壁を爆破し穴を開けると、ドワーフたちも慌てふためいた。カラク=エイトピークに侵入を果たした軍勢はかつて存在しなかったのだ。
怒涛の勢いで、唸りを上げてグリーンスキンの軍団が城壁の亀裂から押し入った。気難しくも決意の固い戦士たちは、滅び行く都市を守るべく最後の抵抗の準備を始めた。この知らせは衝撃をもって広がった。
グリーンスキンの一部族がいかにして難攻不落の要塞を陥落させたのだ? 
この事実を受け入れられる者はほとんどなく、ドワーフの多くはこのありえない敗北を知ってひどく動揺した。ドワーフの都カラザ=カラクでは、至高王"恨みを背負いし者"ソルグリムが報復を誓い、大戦に向けて備えるように都市に住むすべてのドワーフたちへ命令を下したのである。
至高王その人も、深い懸念を抱いていた。グリーンスキンの軍勢を率いているのは、十人力を誇るオークの族長と、今までに聞いたこともないほどの魔力を持つシャーマンだという噂である。ドワーフというのは噂を大げさに言いがちな種族だ。とはいえカラク=エイトピークの陥落は無視できず、そのことがドワーフたちの士気に影響を及ぼしているのも否定できない。至高王はこっそりと遣いの騎手をエンパイアに送った。皇帝カール・フランツに対し、グリーンスキンの侵略によってドワーフからの援助が中断される可能性について警告を発するためである。皇帝に援助を請うには至高王は誇りが高すぎたが、緊急のメッセージを送ることによって皇帝からの援助が得られることを期待していたのである。
その一方、はるか南方では、スクイッグ・ライダー(Squig riders)とオーク・ボアボーイ(Boar Boyz)たちが、カラク=エイトピークから四方八方へと散っていった。カラク=エイトピークの要塞で巨大なグァーグ!(Waaagh!)を集結させるという知らせを広めるためである。オークとゴブリンの軍団が陥落させた城砦とその周辺の土地に続々と集まった。オークやゴブリンの族長たちは、グラムロックとガズバッグに忠誠を誓い、ドワーフどもをぶちのめすために自分の部族の若い衆を差し出したのであった。
両軍とも大軍が組織された。ドワーフたちがカラク=エイトピークの奪還と報復を決意する一方、対するグリーンスキンはできるかぎりのドワーフを殺戮する以外のことは考えていなかった。

闇の軍勢起つ

カラク=エイトピークの陥落から2ヶ月が過ぎ、至高王の軍隊は侵略してきたグリーンスキンを最果て山脈から追い出すべく作戦を開始した。ドワーフ軍が大火山カラグ=ドロンの斜面に沿って南進しているさなか、不意に世界が陰った。空を仰げば、太陽はその光を失い始め、風景は薄気味悪く異常な真紅の色に染められていく。
ナーガロンドで最も高い尖塔の頂上でメルキスは、渾沌の月モールスリーブが太陽を覆い隠していくさまを眺めていた。オールド・ワールドに潜伏させたスパイからは、グリーンスキンによるドワーフへの攻撃が成功したとの連絡が入った。魔虐の王メルキスの計略が寸分の狂いもなく展開されていく。
はるか北方、人間の目の届かぬところにて、黒い大軍団が荒れ狂う渾沌の荒野に湧き起こった。グロテスクな怪生物の群れが、ケイオスのウォーリアやマローダーの隊列に随伴して行進し、その軍団のすべてが、ティーンチ神の旗印を掲げたひとりのケイオス・ロードに率いられているのだ。
エンパイア領内では、日食で一面紅に染まった景色に人々は恐れ混乱していた。アルトドルフ市街の至るところで、暴動と放火が起きた。都市の守衛はこの難事に困窮したが、すぐに日食は終わり日が落ちて、秩序は回復した。
とはいえこの出来事は忘れ難く、エンパイア国民の多くが動揺した。これは戦慄すべき出来事が訪れる前兆だと信じ、山の南か東にでも隠れようと荷物をまとめて家を逃げ出すものが多く出た。滅びの予感は強くなり、エンパイアの人々に不安が広まった。疫病が一段落したことによる希望も、この紅の日食という恐ろしい光景によってかき消されてしまった。
カラク=エイトピークの城砦を取り戻すべく行軍していたドワーフ軍は、道中で日食に遭遇した。日食は凶兆に思え、その思いはドワーフたちのなかで強まっていった。紅の空に浮かぶ黒い太陽は、血みどろ太陽族(ブラッディ・サン・ボーイズ)によるカラク=エイトピークの敗北を痛いほど思い出させた。さらには、カラク=エイトピークに集結したグリーンスキンの大軍の揺ぎ無い勝利を象徴しているようにも思えたのである。
ドワーフたちにとって、最期の時がやってきたのであろうか?
運命に身を委ね、渋面の戦士たちは重い足取りで山地を往くのだった。
アルトドルフでは、皇帝が至高王からのメッセージを受け取り、ドワーフたちを手助けすべく数個の連隊に命令を下していた。皇帝は己が帝国を守り混乱の拡大を防ぐために兵士がなにより必要だったが、カール・フランツは道義上シグマーが結んだ盟約を尊重せねばならず、ドワーフへの助力を拒むことはできなかった。おりしも、ひとりの偵察者が北方からの報告を運んできた——巨大なケイオスの軍隊が南進中であり、一週間以内にエンパイア国境に到着するだろうというのだ。
ノードランド(Nordland)と オストランド(Ostland)に残存する兵士の数を確認すると、皇帝カール・フランツは運命が絶望的なものだと覚った。疫病のため兵士の数は減り、大混乱によって補給路は絶たれ、人々の気力や産業も大損害を被っている。今の帝国は侵略者にとって格好の獲物であり、助けもないまますぐに陥落してしまうだろう。ドワーフたちは戦士を送ってエンパイアを守れる状態ではない。ドワーフたちが早急に カラク=エイトピークの城砦を取り戻せなければ、二度と援助の兵士はくるまい。今となっては、エンパイアの人々を救えるのはハイエルフたちだけだ。
皇帝はもっとも信頼の置けるグリフォン・ライダーを呼び寄せると、ハイエルフの統治者に向けて援兵の嘆願書をしたためた。使者がローザンに着くと、ウルサーンの不死鳥王、フィヌバールは、すでにエンパイアの苦境を察しており、派兵の準備の最中だった。フィヌバールはティリオンの君を呼び出し、ハイエルフの領土を守護するように任じた。
ティリオンはハイエルフのなかでも並ぶ者なき戦士にして将軍である。祖国の安全はこれにて保障されたとして、不死鳥王フィヌバールはエルフ艦隊の先頭に立ち航海に出た。ローザンから一直線、艦隊は西尊大海を突っ切って、ハイエルフの中でも特に腕利きの戦士たち数百名を運んだのである。不死鳥王発つとの報告を受け、魔虐の王メルキスはウルサーン侵攻の命令を出した。
深夜、ナーガロスから漆黒の方舟(ブラックアーク)の大艦隊が出立した。
水面に浮かぶ要塞がウルサーンの海岸に近づき、侵略軍は二手に分かれた。
一方は滅びの島(ブライテッド・アイル)の制圧を目指し、もう一方はローザンの海峡を目指して南方に進路をとった。遠からず、ダークエルフの軍団がかつての祖国の海岸にあふれ出すことになるだろう。
カラク=エイトピークでは、圧倒的なグリーンスキンのグァーグ!つまり大軍が形成されつつある。エンパイアの北の国境付近では、ティーンチ神の下僕たちがオストランドの奥深くまで攻め入る準備を整えており、彼らの通り過ぎたあとには荒れ野のほか何も残らない。ティリオンの君の軍勢は、略奪にやってきたダークエルフと一戦を交えようと北部に達した。わかっていることと言えば、この二度目の侵略軍はローザンの街を攻め落とそうとしているということだけだった。
迫り来る脅威を撃退する方法は、互いの力を合わせるしかない。
エンパイア、ドワーフ、ハイエルフの指導者たちは、帝都アルトドルフで賢者の評議会(great Council of Wisdom)を招集した。この評議会において、3人の指導者は一体となって戦い、自分たちの祖国を守るために侵略者を撃退することを目指して協定を締結したのである。
裁きの時代(The Age of Reckoning)が始まったのだ。

まず登場人物の名前とおおざっぱな相関(しがらみ)、あと地理がわからないとさっぱりだった。読み取れるのは・・・

全体で
・渾沌の月、モールスリーブという天体がある
・ダークエルフはナーガロスという国にいる
・ハイエルフはウルサーンという国にいる
・グリーンスキン・ドワーフ・人類はオールドワールドにいる
・人類の版図はエンパイアという国
・エンパイアのはるか北方にケイオス(地名?勢力?)がある(いる)
・ドワーフは最果て山脈というところにいる
・グリーンスキンの土地はバッドランドと呼ばれている
・オールドワールドの東にウルサーンがある
・オールドワールドとウルサーンの間は西尊大海と呼ばれる海
・疫病が侵攻の布石なのか偶然のタイミングなのかは、はっきりしない

ダークエルフで
・ダークエルフの(魔虐の)王はメルキス
・数千年前にハイエルフからウルサーンの玉座の継承を阻まれたらしい
・つまりウルサーンは取り戻したい「かつての祖国」らしい
・メルキスはナーガロスの、ナーガロンドという地方にいる
・ナーガロンドの北方にはグロンドという地名がある
・グロンドには預言者たちがいて Chaos Maelstrom を研究している
・カロンド・カー(地名?)には魔獣使いがいる
・ウィッチ・エルフはカイン神に仕えている
・魔陰の女王モラスィというのもいる
・ブラックペガサスが乗り物として使われている
・ブラックアーク という漆黒の方舟があり、兵を運ぶ
・ウルサーンの2拠点へ同時に侵攻した(滅びの島とローザンの海峡)

ハイエルフで
・ハイエルフの(不死鳥)王はフィヌバール
・フィヌバールはウルサーンのローザンにいる(いた)
・フィヌバールは自らエンパイアへ援軍に行った
・ウルサーンには滅びの島(ブライテッド・アイル)がある
・ウルサーンにはローザンの海峡、ローザンの街がある
・ローザンの海峡は南方
・ティリオンという戦士が将軍として有名でウルサーン防衛

ケイオスで
・ケイオスのミュータント
・ケイオスの大渦(Chaos Maelstrom)がダークエルフから研究されている
・ケイオスの神は複数いる
・ケイオス神のうち一人は 歪みを作りし者、ティーンチ神 
・ティーンチ神の下僕たち=ケイオスのウォーリアやマローダー
・「企てていた」は実行ではなく企画の意味(エンパイアへの攻撃を準備)
・新たなるチャンピオン(=おそらくケイオス・ロード)
・グロテスクな怪生物

エンパイアで
・辺境に入植地を持っている
・皇帝はカール・フランツ
・カールフランツはアルトドルフという街にいる
・シグマーが結んだ盟約(しがらみ?)
・北方の国境付近はノードランド(Nordland)と オストランド(Ostland)
・グリフォンが乗り物として使われている

グリーンスキンで
・最果て山脈の西、バッドランドは複数の部族がいる
・バッドランドの1部族 ブラッディサンボーイズが東へ進軍
・族長はガズバッグ(シャーマン)とグラムロック(筋肉)の2人
・2人の族長はメルキスに能力強化の魔法とチャームをかけられている
・途中で出くわした他部族は吸収または滅ぼす
・最新状況ではカラク=エイトピークを拠点に Waaagh! 集結
・出くわさなかった、集結に応じなかった部族がいるのかは不明
・カラク=エイトピークはドワーフの王がいる地点からはるか南方である
・スクイッグとボアが乗り物として使われている
・できるかぎりのドワーフを殺戮する以外考えてない(過去何かあった?)

ドワーフで
・山岳の民(=最果て山脈)
・至高王"恨みを背負いし者"ソルグリム
・難攻不落の要塞カラク=エイトピークをグリーンスキンにとられた
・都はカラザ=カラク
・カラク=エイトピークはカラザ=カラクのはるか南方
・カラザ=カラクとカラク=エイトピークの間に大火山カラグ=ドロン

流れ的には
・疫病発生
->(数か月経過)
->ティーンチ神がチャンピオン発見
->ティーンチ神の下僕たちが侵攻準備
->メルキスの計画
->カラク=エイトピーク陥落
->ドワーフからエンパイアへ援助中断の可能性を知らせる
->カラク=エイトピークにグァーグ!(Waaagh!)集結
->(2か月経過) ※疫病が一段落?
->ドワーフがカラク=エイトピーク奪還を開始
->エンパイアはドワーフを「手助け」するよう命令(兵の現地派遣は不明)
->日食/ケイオス侵攻準備完了(ロード・怪生物と下僕合流)=南進開始
->エンパイアからウルサーンに援軍要請
->ウルサーンからエンパイアへ援軍出発
->ナーガロスからウルサーンへ侵攻開始

つまり・・・
・昔ウルサーンを追われたダークエルフの王メルキスが
・ケイオスが、疫病で弱体化したエンパイアに侵攻しようという状況を使い
・ウルサーンの防御を手薄にするために
・エンパイアがハイエルフに援軍要請するよう仕向けた、その内容が
・グリーンスキンをそそのかしてドワーフに攻撃させるということ
・うまくいったのでダークエルフはウルサーンに侵攻を開始した

ダークエルフは昔からのしがらみでハイエルフに攻撃<-わかる
グリーンスキンはチャームかけられてドワーフに攻撃<-わかる
ケイオスさんはなぜエンパイアに侵攻を?
ここらの事情を元ネタの設定から調べたい。

地図を確認(元ネタとゲーム)

"Online"の全体地図↓

ファンタジーバトルの(と思わしき)地図↓

ファンタジーバトルでは地球の地形に似た”オールドワールド"と呼ばれる世界が舞台で北極大陸がヨーロッパとアメリカをつなげている。大西洋には地球にない島があって、これが特徴的な形からOnlineの地図と照らし合わせて「HighElves対DarkElves」のウルサーンだとわかる。ドイツに相当するあたりがEmpireで、その東を縦に走る山地がドワーフが住む最果て山脈、でその山脈で北と東を区切られて西は海に面している砂地っぽいところがバッドランド、ということになるだろう。

しかしローザンはウルサーンの南方、そこから西にまっすぐ行ったらOnlineのマップでバッドランド、FBマップで言ったら知らん土地にぶつかる......

まずはここまで。出てきてる地名だとナーガロスはOnlineの方の地図には無さそう。渾沌の月、モールスリーブなんかはCWでStatueOfEverChosenからkeepの方を眺めると空に見える大きな白い月と小さな黒い月のどっちかなんだろう。

※いま思えば2008年9月ってまさにリーマンショックの起きた時なんで、見切り発車で作成途中のゲームでも金に換えないとどうしようもなかったのかもしれない・・・。

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