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落武者ギタリストが脳出血になりましたが、何か?①初めての脳出血

ギタリスト生活13年の落武者ギタリストが突然、脳出血で倒れる。

一命を取り留めたものの、この麻痺残りの右半身状態でギターの仕事が続けられるのか?
いや、まずギター弾けるのか?
後遺症は残るのか?
普通に生きられるのか?

面白おかしすぎる入院生活と、
経験したことのない出来事だらけの毎日。
入院しなければ出会わなかったであろう人々。
復帰してからも葛藤だらけの日常。
なってしまったものは仕方ないと、ポジティブに捉え、一つ一つ解決していく様を書き綴っていこうと思います。

朝8:00
起床。
限界の膀胱にトイレへと立ちあがろうとすると、目の前がぐわんぐわん世界が歪む感じで見える。
睡眠時間が3時間くらいだったので、「あれ?寝不足やからかな?」
と、立ちあがろうとした瞬間、やばいと察知。
右半身が無い!
いや、ある。
いや、感覚が全くない!
それよりも、トイレ行かなくてはと、右足を踏み出そうとした瞬間、「あ、。転ぶ。」と頭で考え、体は右足で踏ん張り、転んでいない。
感覚がない。
あーヤバい。こーりゃヤバい。と、回転しまくりのジェットコースターに乗りっぱなしの状態で、大丈夫や!大丈夫!と言い聞かせて、トイレを済ませたい一心でトイレに。

ここで更に地獄をみる。

用を足そうと、右手で支えて放尿しようとした、その右手の感覚も、股間の感覚もゼロ。
でも放尿されている。
もう意味がわからなかった。
更にジェットコースター状態は増してくる中、
こーりゃーもうダメやろな。と悟りつつ、
スマホでなんとか119
自ら救急車を呼ぶ事に成功。

安心したのか、この辺りから記憶は少しあやふや。

緊急搬送され、
記憶に残るのは、まさにテレビドラマで見る、担架からベッドに、
いち、にっ、さん!で移され、目の前には数人のお医者さんと、ものすごい眩しいライトに照らされる自分。

その後はあまり覚えておらず。

処置をしていただき、ICUという救急治療病棟に、寝返りもしてはいけない状態で、

加藤伸太郎、復活!
この時点でおそらく数時間くらい経過?のはず。時間感覚は全く分からず。

そこそこ理解ができてきたのがおそらく夕方くらいかな?
服が入院着?前開きのパジャマみたいのに変わっていた。
ベッドの上で、主治医の先生や、介助していただく看護師さんなど紹介していただいたり、何が起こったか、をこの時説明していただきました。
脳出血と言われて、どのように処置しましたと。とにかく数日は何が起きても対処できるようICUにて様子見。腕を見たら点滴片腕に二本ずつ刺さっている様を見た時、「あー、やっべーのね、脳出血って。」
と、のんきに眺めていたのを覚えています。

さて!
頭のぐわんぐわん回る感覚は大分良くなったものの、多少は残りつつ、会話もできる。
あれこれやらなきゃいけない事なんかを、説明を受け、中でもしっかり覚えていたエピソードがあります。

本当に常に笑顔でいてくれた看護師さんが、
知人に着替えを持ってきてもらえる際、前開きのボタンの無いパジャマなんてお持ちでは無いですよね?バスローブのような、大抵の方がお持ちでないので、今着ていただいてる病院支給のパジャマを一日400円で毎日取り替えらます。
と言われ、

「いや?ありますありますよ?」

看護師さんが、あ、前開きですか??

はい!
バンドで使ってる衣装が白装束なので!あれ使えますよね?これでパジャマ問題は安心ですね!と笑顔で答える。
と、
信じられない形相で、加藤さん。それは無理。不謹慎すぎます!ダメです!と。
ICUで、点滴四本刺さったままで、しっかり怒られた。
もちろん悪意はなく、ウケを狙ったわけでもなく、真剣に答えたのですが、後からよく考えてみると、
髪型は落武者ヘアー
服は白装束

こんな人間を病院で見たら、まあ、亡霊としか思われ無いわなと。

入院一日目にして既に笑ってしまった。

さて。
まだまだあれこれ起こる予感?
この時点で、頑張ろうと思った。

で、寝た。

まだまだ続く

#エッセイ部門

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