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部員ブログ#6「90分」大野稜洋

 こんにちは。今回部員ブログを担当する3年の大野稜洋です。拙い文章にはなりますが、最後まで読んでいただければ嬉しいです。

 今回で部員ブログを書くのは3回目になります。1年生では自分のサッカーに対する想いについて、2年生では今の自分と今後の自分に向けてといった内容のブログを書きました。そして今回は、3年生のブログのテーマである「信州大学サッカー部の魅力を交えた伝えたいこと」について、学生サッカーの総括とともに書いていきたいと思います。

 気づけばもう大学3年生になり、学生という立場でサッカーを続けることができる時間も本当に残り少なくなってきました。今を学生サッカーの時間軸に当てはめてみると、サッカーの試合で言う85分(後半40分)ぐらいの時間になるのではないでしょうか。
 小学校1年生の頃から約14年間続けてきたサッカー。今までの自分を振り返ってみれば、相手との闘いというよりは常に自分の弱さとの闘いだったように感じます。自分の緩慢なプレーのせいで失点したり、自分のミスで試合に負けたり。自分自身のメンタルの脆弱さに何度も腹が立ち、そのたびに変わろうとして、でも変われない自分。思い出すのはいつも悔しく苦い記憶ばかりで、胸を張ってよく頑張ったと思える記憶は片手で数えられるほどです。

 さて、ここからはサッカー部の魅力について語る上で少し現実的な話をします。
 大学生になってから環境が大きく変わり、サッカー面においては、高校までのように監督や顧問の指示に従ってプレーするのではなく主体的なサッカーが求められるようになり、生活面では自分で自分の生活を繋いでいくことが必要になりました。
 大学2年生になってからは、キャンパス移動のために同期の中では私だけが農学部のある伊那へと移りました。そのため、現在私は、長期休みは週5日、普段は週5日の活動のうち週3日、全体練を行う松本までの往復100km(約3時間)を1人で運転して練習に行っています。松本以外での練習のときは、往復200km~250km、時間にして往復約6時間運転して練習に行っています。ガソリン代は月1.5~3万円かかり、朝は早い日は6:30、遅くても7:45には出発します。週2日の地区練も1人でランニングをすることしかできず、寂しいような気持ちになるときもあります。それに加え、バイトに大学の課題と、自分が想像していたよりも体への負担は大きく、3年生に上がる頃からは、夢の中にいるような自分が自分でなくなるような感覚に陥ることも増えてきました。
 しかし、それでも部活は休みたくないし、部活を続けていたいと思うことができるのは、みんなとするサッカーが好きで、みんなとサッカーがしたいからです。どんな状況でもそう思わせてくれるだけの魅力が、この部活にはあります。
 また、サッカーが好き・サッカーがしたい・サッカーが上手くなりたい・試合に出たい・活躍したいというプラス思考と、挫折・苦しみ・苦悩といったマイナス思考が入り混じった部員各々の想いの結晶そのものが、信州大学サッカー部の魅力なのではないかと私は思います。それは言葉にして伝えられるものではないと思うので、形容するに留めておきます。

 次に、伝えたいことについて。
 私は自分の人生において、周りの人に恵まれていると常々感じます。特にこの部活に入ってからはそれを顕著に感じることが多いです。1,2年生の頃は、言葉や背中で私たちを導いてくれる先輩たちがいて、2,3年生では、良くも悪くも素直でサッカーが大好きな後輩たちができて、入部してから今までは、ずっとそばにサッカーと真剣に向き合える同級生たちがいて。特に、嘉生はキャプテンとしていつもチームの矢面に立って、練習試合を組んでくれたり、OB会やスポンサーとやり取りしてくれたり。光輝や亮太は、チームのために自分の時間を割いて練習を考えたり、戦術のことやチームが良くなるためにはどうしたらいいかということを考えてくれたり。自分たちの代になって、それがどれほど大変なことなのかが身に染みてわかるし、そうやって自分を犠牲にして頑張ってくれている人がいるからこそ、自分も踏ん張って頑張らないといけないなと思わせてくれます。いつも本当にありがとう。
 また、周りには、試合のたびに記録や主務をしてくれたり、選手たちが水分補給に困らないようにサポートしてくれたりしてチームを支えてくれるマネージャー、心身のケアやテーピング、フィジカルメニューなどを考えて、チームに還元してくださる杉本さん、チームを気にかけてアドバイスをしてくださる中田さんがいて。「周りの人のおかげで今の自分がある」とよく言いますが、その言葉の意味を、今ならほんの少し理解できるような気がします。

 2年前のブログにも書いた気がしますが、私はサッカーが好きです。サッカーをしている時間は刹那で、試合の90分と大学の授業の90分は時間の感覚がまるで違います。時間が過ぎるのは一瞬で、当たり前ですが過ぎた時間はもう取り戻せません。その時間をどう考えてどう使うかは個人に委ねられていて、そこに正解も不正解もありません。そんな中で、限られた時間の一部をサッカーに充てることには大きな価値があるし、そこに本気で向き合うことにも大きな意味があると思います。

 苦しいときや辛いとき、泣きたくなるようなときが今までにも何度も訪れたように、これから先も何度も何度も訪れると思います。そんな時私は、「壁は乗り越えられる人の前にしか現れない」(母からの受け売りですが)という言葉や「いつかはきっとうまくいく」という言葉を胸に、今できる全力で、今を楽しむことを大切にしています。私と同じように、この言葉がほんの少しでも誰かの支えになればと思います。

 きっと、大人になって大学生活を振り返ったとき鮮明に覚えているのは、このサッカー部のことだと思います。それほどまでに私にとってこの部活は大切な居場所であり、多くの経験をさせてくれて、色々な学びや出会いをもたらしてくれました。

 そして最後に。
 「『何のために大学で、部活でサッカーをするのか』について、もう一度考えてほしい」と、1年生のときのGW明け初日の練習で、当時のキャプテン(大悟さん)に言われたことが今でも頭に残っています。しかし、自分の中でまだその答えは見つかっていません。
 試合は残り5分。その答えを見つけるべく、90分の最後の笛が鳴るまで私は走り切ります。


 信州大学全学サッカー部3年 大野稜洋

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