【レポート⑧|まちづくり分科会】
最後の分科会レポートです!
10月9日(日)に行われたまちづくり分科会の様子をご報告します。
本分科会は、
1 ゲストの山田崇氏・坂倉杏介氏によるトーク
2 参加者×企業×ゲストで展開するワークショップ
の2部構成での開催でした。
【未来をつくるつながりとは?】をテーマに約40名が集い、これからのまちづくり、人と人とのつながりについて様々な意見を交換し合いました。
(テーマ設定の背景など詳細はこちらから。https://note.mu/shinshu2030/n/n9edbfc7536ea)
それでは分科会の様子をお伝えします!
第一部 ゲストトーク
ゲストトーク①東京都市大学都市生活学部准教授、三田の家LLP代表、NPO法人エイブル・アート・ジャパン理事 坂倉杏介氏
一人目のゲスト 坂倉杏介氏には『ご近所イノベーション学校の取り組み』についてのお話をしていただきました。
まちづくりという言葉はよく聞かれるようになったものの要望型が多いのが現実です。特に住民が主体的に行動するまちづくりについては東京は後進だと坂倉氏は話します。そしてまちづくりには人と人との交流が大切だそうです。
地域資源を活かすにはネットワークが必要。そこで人々が協働するプラットフォームづくりを始めたそうです。
他にも
・コミュニティマネジメントラボ(程良い関係性を構築できる環境を作る→新しい生活価値を提供することが出来る)
・社会関係資本(地域資源の活用には人とのつながりが大切)
の話をしていただきました。
坂倉氏にとってまちづくりとは"環境・社会・経済の改善の基盤になる豊かなソーシャルキャピタルを醸成すること"。
人と人とのつながりはまちづくりに欠かせないことだと実感しました。
次に、坂倉氏が東京都港区で取り組んでいる具体的な事例について紹介をしていただきました。
(ちなみに、港区は5つの地区に分かれていて、その一つ一つはもう一人のゲスト山田さんが活動をされている塩尻市より小さいそうです)
芝の家:年間280日稼働、事業費950万。誰でも気軽に行き来が出来る居場所に
地元・近所の人がしたいことをが出来る場所。
地域に新しい人を呼ばなくても(新しいものがなくても)、個人が公共財を提供してやり取りすることができれば幸福度が上がるそうです。
つまり、資源を活かせるコミュニティがあれば、そ地域の人はこから利益を得ることができるということです。
芝の家が出来て1~2年が経過「継続」が始まる
ネットワークが一定の数を超えると新しいプロジェクトが生まれていきます。
小さい地域活動…地域課題に解決に限らず、やりたい人が3人くらいで始める。
場所を作るだけではなく、活動を生み出す人を育てようと始まったのがご近所イノベータ講座です
ご近所イノベータ養成講座:自分がやりたいことを、まちにつなげる
「地域の課題」を考えても「自分の課題」にならないと行動になりません。
そこで自分がやりたいことをまちにどうつなげていくかが大切だそうです。
ご近所ラボ新橋:公共施設を一般の人が管理する
この活動はご近所イノベーション活動の実践として始まったそうです。
自分がやりたいと思うことが他の人に受け入れられる、仲間が出来るという安心感によって、更に探求が深まり、自分のやりたいことも自然とわかるようになるとお話しして下さりました。
ゲストトーク②塩尻市役所企画課シティプロモーション係 係長、空き家プロジェクトnanoda代表 山田 崇氏
二人目のゲスト山田崇氏には自身が2012年12月に実際に行ったアート活動についてのプレゼンのスライドを用いて、当時考えていたことや取り組んでいたことを振り返ってお話をして下さりました。
空き家プロジェクトnanoda
nanodaはただ3か月空き家にいるということから始まったそうです。それをアートとして記録を取ろうと思ったことがきっかけでした。
やがてノダキリコさんという一人の美大生にであい、彼女の拠点を作りたいと思いnanodaという名前を付けました。
nanodaという名前には「○○な ノダ」という意味が込められているそうです。
トークマラソン
現代美術のアーティストを呼んで30時間のトークイベントを実施。
塩尻が全ての面で東京に負けている訳ではないという思いから始まったそうです。
このイベントにはたくさんのアーティストが参加したそうです。
今振り返ってみると、この時点で既に人とのつながりの必要性を感じていたのだと思う と話してくださりました。
また、もうひとりのゲストである坂倉氏が『黒板とワイン ―もう一つの学び場「三田の家」』の中で使っていた「創造的欠如」という言葉にも影響を受けたそうです。
今振り返ると意図していたわけではないのに、活動をしていく中で自然と人とのつながりが生まれていたことに気づいたそうです。
坂倉さん、山田さん、貴重なお話をありがとうございました!
ゲストトークの後は参加者からの質問や意見がたくさん寄せられて、分科会全体が更に熱くなりました。
第二部 ワークショップ
第二部では分科会テーマである「未来をつくるつながりとは?」をもとに、オープンスペーステクノロジーという手法を用いてワークショップを行いました。
・コミュニティが盛り上がるほど外の人が入りにくくなる矛盾
・まちづくりってしないといけないの?
・思いを出しやすい場とは?
・活動を持続させるには?
・何かをしようとした時の、する/しないの判断の線引き
・地方で活動する若者をどうするば増やせるか?
・その土地の人にその土地の魅力を伝えるには?
・自分の暮らすまちをどう伝えたらいいんだろう?
参加者の熱い思いが溢れる時間になりました。
協賛企業のご紹介
まちづくり分科会には長野県の企業の方にも参加していただきました。企業の方と一緒にまちづくりについて考えることが出来てより充実した分科会となりました。ありがとうございました。参加していただいた企業様と、コメントをご紹介します。
信濃毎日新聞様
2013年の信州若者1000人会議初回から、ふるさとに対する思いのある学生が地域を盛り立てる、という主旨に共感して参加しました。メディアとしてもまちづくりへの関心度は高いです。
4Dstudio様
まちづくりをキーワードに活動しています。自分自身は2年前に長野にやってきました。初めは本当に大丈夫?と思っていたけれど、今はずっと住んで行こうと思っています。住んでいく街をどう良くしていくかを考えています。
分科会担当者の感想
2日間のなかで1番参加人数の多い分科会になりました。朝から会場内に漂う熱気にどんな分科会になるのかとてもわくわくしていました。
一言でまちづくりといっても人によって連想することも様々。実行委員もどんな風に分科会を作っていくのがいいのか直前まで悩んでいました。
ですが分科会が始まるとそんな不安は忘れてしまうほど濃い時間になりました!まちづくりを通して生まれる人と人とのつながりはひと、もの、暮らしなど色んなところに広がっていくのだと感じました。ゲストの坂倉さんと山田さんのつながりもまさにそうだと感じました。
分科会を終えたとき、私はなぜだかまちづくりには愛があるなあと温かい気持ちになりました。大切にしたい場所があること、そこで人との繋がっていくことがとても素敵なことのように思いました。
2030年の私たち、そしてそれぞれの大切にしたいまちは一体どうなっているのでしょうか。もしかしたらこの分科会で出会った人同士が繋がってなにかが生まれているかもしれません。そう思うととてもワクワクしてきますね!
「きっかけ」となる時間になりました。ゲストのお二方、参加してくださったみなさん ありがとうございました!
(文責:北澤)
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