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190416 SKTS

最期まで口から食べることを支える会(SKTS) 2019年 第3回WG活動議事録

日 時:2019年4月16日(火) 20時20分~21時20分

会 場:ふれあい歯科ごとう

参加者:五島、齊藤、堀尾、吉田、佐藤(惟)

テーマ:成功からの逆算~もし、その選択ができなければ~(報告者:五島朋幸)

<報告内容>

■趣旨

・ 成功ケースから学ぶ「あの人がもし入らなければ」

・ 主な登場人物:ケアマネ、家族(長女)、ST、歯科医師、管理栄養士

■事例概要

・ 男性、初診時83歳、夫婦2人暮らし

・ 嚥下機能低下⇒IVH 病院の判断としては「経口摂取不可」⇒IVH持続

・ 夫婦2人暮らしではIVHの管理が厳しいので施設を紹介される

・ 妻と長女はケアマネに相談「本当に食べられないのか。入院する前日まで口から食べていたのに」

⇒ケアマネ「施設では食べられるようにならない。在宅に戻れば可能性あり」

■選択

・ 長女が「ケアします」と断言⇒家に戻ります!

・ ケアマネジャーは経口摂取のためにチームを作る⇒約2か月の入院を経て、退院

■退院直後

・ 訪問STによる嚥下訓練。退院後4日して訪問歯科初診…覚醒は悪いが嚥下反射は起こる

・ エンゲリード(ゼリー)を毎日摂取するよう指示。咀嚼をするには舌の機能が低下している

・ STに咀嚼訓練も依頼(舌の訓練)

(動画視聴)ゼリーを飲み込む姿

■退院1か月後

・ 咀嚼機能は十分ではないが、当月中に1食分(400Kcal)とれるようにしたい 

・ 訪問栄養士に入ってもらう。咀嚼機能訓練のため固形物も入れていく(IVHはまだそのまま)

   ⇒1日1食経口摂取が可能になった。食欲もすごく出てきた。

■退院2か月後

・ 食事がスムーズにできるようになった。食事環境の見直し(福祉用具専門相談員と。テーブル等)

   ⇒経口摂取へ移行。IVHを抜く。ごく普通に食事ができるようになった

脳梗塞などではなく廃用だけだったので、食べれば食べるだけ良くなった

■もし…

1.栄養士が介入しなければ

2.ST、歯科医師が介入しなければ

3.在宅の医師が経口摂取に対して否定的だったら

4.家族が在宅に戻る選択をしなければ

5.ケアマネジャーが在宅で経口摂取の可能性があることを言わなければ

 ひとつでも欠けていたら、嚥下機能は復活しなかったかもしれない

<ディスカッション>

・ 登場人物がちょうどよかった。STと歯科医師、歯科衛生士がそれぞれ評価を始めてしまうと大変。

・ 廃用とは。2か月という入院期間が長いのかどうか⇒それくらいの時間で進んでしまう。ショートステイの1週間とかでも進んでしまう。取り戻すのにまた大変。

・ 誤嚥性肺炎は必ず「食べさせない」となるのは…病院の「文化」

・ ケアマネから見ると「病院の先生が言うことが一番かな」と思ってしまう。病院の先生の言い方によって家族も「食べさせられない」と思ってしまいトラウマになる人もいる。

・ 誤嚥よりも窒息が怖いかもしれない。

・ 実際のところはどうなのか…病院で「食べられません」と言われた人で、在宅で「確かに食べられない」となる人は何%くらいか。⇒廃用の人は対応が早ければほぼ100%食べられるようになる

・ 脳梗塞などは反射がなくなるのでまた別の話。反射があるかどうかが大事。

・ 病院が食べさせ方を知らない。病院のSTは「安全第一」…食べられるようにならない。

・ 最初は環境が重要。姿勢、動作、補助するもの。病院は環境を見ないで機能だけ見る。前日暴れたので眠剤を盛られて翌朝の検査時は反射がない…「そりゃ無理です」となってしまう。

・ 食べることは「生きる楽しみ」。病院はリスクマネジメントが強すぎる。病院との対話が必要では。

⇔新宿は大病院が多すぎる…フロアが変わるとまた状況が変わってしまう。

・ どんどん食べていたら顔色が悪くなってしまい全部肺に入っていたという例もあり、難しい。

<論点まとめ>

・ 程よい人数での支援が望ましい。「たくさんいないとできない」みたいになると困る。必要な専門職がコンパクトにピンポイントで入るのが良い。

・ 方程式ってすごく大事。「この人につなげればうまくいく」みたいなの。成功例から「こうすればよい」みたいなのが出てくる可能性がある。

・ 目標が明確になるとみんなそこに向かって動く。目指すところがあると良い。

<次回予定>

日 時:2019年5月14日(火)20時00分~

場 所:ふれあい歯科ごとう

発表者:佐藤惟

以 上

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