学力の経済力 中室牧子

児童の学力向上に効果があるとされている経済学の応用である教育経済学。教育は定性的なことが多いが、それを科学的データを用いて定量的な観点で考えるべきだと考える。欧米などに比べ日本は、教育分野ではデータ理論の活用は進んでいない。なぜなら国がデータの情報開示を多く行っていないからだ。今回は本書の中で紹介されているデータを用いての教育ノウハウを少しばかり紹介していきたい。

はじめにピアエフェクトについてお話していきたい。ピアエフェクトとは直接的な影響ではなくて間接的に影響を受けることである。例えば頭の良い子が集まる高校に、ある程度の学力を持った生徒が進学することによって、良い刺激を受け学力が向上するというものだ。ここでキーワードになるのがある程度の学力を持った子が進学高に進むことが良い影響を与えるということだ。ある程度の学力を持ってして進学高に入学しないとギャップが大きすぎて良い影響を得ることができず、逆にモチベーションが下がってしまうことに注意をしたいとこだ。

皆さんはお子さんに上手く褒美を与えていますかと問われると即断でイエスとは言えないだろう。理由は簡潔で褒めた結果が数値としては表せず、各家庭の経験を元にした価値観になってしまっているからだ。褒美のやり方にも工夫が必要だ。褒美はアウトプットに着目するのではなくてインプットに着目するべきなのだ。例えばテストの点数で高得点を取れるとお小遣いが二倍になると進言する。例えもしお子さんが高得点を叩き出したとしてもこの一件で結果に満足し継続性はないだろう。また高得点を出せなかったときには大きくモチベーションが下がり実用志向で勉強促進には失敗したと言えるどろう。反対にインプットでは、勉強を一日決まった時間集中してできたとし褒美をあげるなら勉強=褒美となり導入時期としては良いことだと考えられる。

良い教師に恵まれることで親の所得や元々の学力の差は帳消しになるということだ。教育経済学的な観点からでは良い教師というのは付加価値を大きく付けれることだ。つまり教育でいうなら学力を向上させるということだ。学力を向上させることが人生の成功に導くのかと疑問を持つところだがこれをデータ理論で証明できたのである。ある生徒の学力が以前より10パーセント向上したことによって生涯年収が向上するとのことだ。

今回のサマリーでは数値をあえて明確には出していない。それは実際にじっくりと本書を読んで、今までデータ理論で考えてこなかった教育分野について数値と共に皆様も是非一緒に考えて欲しいと考えたからだ。僕自身まだ教育分野に足を踏み入れて月日が浅いので教育というものをデータを活用してマクロ的視点で考えていきたい、そう思える一冊だった。

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