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だからどうした

3年くらい前まで、6年間つきあっていたやくざの彼とは、いろいろと考え方が合うところがありました。

彼は当時、某大手の「名門」と言われるところに所属していたのですが
「ちいさなスナックとかにおるとな、知らんおっさんが『だれだれ(業界の偉いひと)知ってる』とか自慢してるのが嫌いやねん。ママとか女の子が『へえ、すご~い』と言ってるけど、内心『おれ、知ってるだけやったら天皇知ってるしな!』と思ってる」
と言っていたのが心に残り、いろんな場面でよみがえります。

もちろん、おっさんは「知ってる」は「知り合いである」(もしかしたら、同じ場に居合わせたことがあって、むこうはおっさんのこと全然認識してない程度のものかもしれませんが)という意味で使っており、それを知りながら、彼は「存在を知っている」意味で「知っている」を使っているのですが、彼のイライラする気持ち、よくわかります。

よくいますよね、「自分は誰々(すごい人/有名人)と知り合い」と言って自慢するひと。それで自分の地位が上がるとでも思っているのでしょうか?
高校生のころ、いちおう有名私立大とされているところへの進学が決まったわたしに向かって、父親の友人であるおっさんが「自分の知り合いの息子さんは、早稲田に行った」と言い出したけれど、おっさん、なに言いたかったんだろ?わたしの行こうとしている大学より有名校を出して、わたしを貶めたかったんか?もっとすごいひとがいるぞ、どや!と言いたかったんか?自分の知人には、こんなすごい人がおるんやぞ!と言いたかったんか?

2,3日前に行ったいつものバーにも、70歳やというおっさんが政治的なことわぁわぁ言っていたけれど、そのうち、映画監督や芸術関係者の出入りが多いその店で、マスターにむかって「〇〇監督にこの前会った」とか、「〇〇監督はここに来たことあるか?」とか、いろいろ有名人の名前出し始めてうんざりしてるところへ、こんだ某大学の現総長の話しだして、「学長になる前は(いやあそこは「総長」だから)よく研究室の女の子連れて飲みにでてたのにな」「さいきんは、電話くれないなあ」とか「知り合い」アピール。そういう話する人ほど、その人自身に魅力がないんだよね。

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