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のうないへんかん

どうも、空目空耳愛好家のシノギマリです。みなさんこんにちは。

ようわからんくせに、歌舞伎より能が好きだと思ってて
でも能はコロナ以前から観劇してなかったのですよねー。

で、こないだこんぴら歌舞伎みて
「歌舞伎はやっぱ昔の大衆芸能だなあ。
面白いし感心するけれど、やっぱりわたしは能のストイックさが好きだなあ」
と思ったものの
「ハテ、そうはいってももう5,6年は能楽鑑賞してないぞ。わたしはほんとに能が好きなんやろか」

と思いましてですね、
こないだなにかの拍子で京都市立芸術大学の「祝賀能」


の情報見つけ
 てですね、行ってきた。

「ん~、わしはほんとに能が好きなんやろか?」
と思ったけれど、たしかに「良いぞ!」と思った瞬間はあり、
そのときに配られた情報で糺能の情報があったので行くことにした。

自由席がイヤだったんでフンパツして葵席を予約したよ。
だって御生席だと重要文化財とやらからご観劇らしいけど、
むしろ葵、桂席より遠そうだし。
で、当日行ってみたら、東側とはいえ最前列の真ん中でうれしかったね。

しかし、気温の安定しない季節のことで、昼間は暑いくらいなのに
日が落ちると寒いこと!
なんとか耐えた。上着のポケットに、たまたまカシミアの指なし手袋があってたすかった。

野外能ははじめて、はじまりにはそこここから聞こえる鳥のさえずり、明るかった周囲がいつのまにか宵闇に包まれてときおぢバチバチと音のでる篝火が能の「幽玄」にピッタリ。いいねえ~。

わたしは能の所作やストイックさ、「ついでに」がなく一旦きちんともとのところに戻ってから改めて始めるところ、囃子(とくに大鼓)が大好き、退屈な時間を1時間半くらい耐えて、ようやくキター!クライマックス感!!てのが大好きなのだと思い出した。能楽を正当(?)に鑑賞する方々には怒られるだろうが、なに、自分ナリの愉しみかたをすればいいサ。わたしの目標は「船弁慶」のツレの、舞台の上での出番は数分なのにそのまま舞台に控えている悠久な姿と目線です。

とにかく寒さをなんとかしなくちゃいけないから、ある時急にスイッチはいって舞台でしゃべってる方々の言葉を脳内で翻訳しはじめた。

「うちの大臣の姫さんがさあ、なんやら物の怪にとりつかれ臥せってるんよ。なんとか祈祷して調伏してくれへん?」
「おれ今めっちゃ大事な行の途中なんやけどさあ、ほかでもない、しゃあないわ。行中断して祈祷に行ったるわ」

そうするとなんだか頭も忙しく、身体も寒さを忘れてたのしくなってきた。
こういう楽しみ方も面白いゾ。

しかしやっぱりさすがに寒かったから、終了後はたちまちバスに飛び乗っていつもの立ち飲み屋にいき、芋のお湯割りを注文して両手で包んで身体を暖めながら鱈子豆腐をアテに、飲んだことでした。

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