はっきり言うこと言わないことの境界

地方出身の明美が京都にでてきて30年たつが、
いまだに関西弁を操れなければ、京都人的な対応もできない。

先日、これも地方出身の社長が
「同じ関西弁でも、どれが京都弁、大阪弁…とか判別できない」
といったよもやま話から
「超やりにくい京都で商売できるようになったんだから、全国どこでもできる自信がついた。京都のひとは『そうですなあ、じゃ、頼みまっさ、のちほどFAX送っときます』と言いながら、誰一人送ってきたことがない」
というような話をしたところ、同僚の京都郊外出身在住のH氏が
「ぼくもそうですよー、大きな買物のとき、ニコニコ話だけきいてスルーします」
と京都人な顔で言ってたけれど、そこ京都市内(=京都人)とは認められてないからな!

その翌日、それぞれが遠隔勤務しているときに
H氏があきらかヘマをしたと思える事案で不具合がでて
明美が「これが作動しないのですが、、、」とグループチャットで報告した
数分後に作動したので
「作動しました」
といれるとH氏が
「了解です。よかったです」
と入れた。
まて、お前なんかしたろう、だから不具合解消したんだろう。
「こういう設定ミスがあったので、修正しました」
と入れるのが今後も視野に入れた仕事の仕方ちゃうんか?
だいたいお前、謝罪はせずに言い訳ばっか多いしさ。
とキレキャラの明美は
「ちなみに、そちらでなにか操作されましたか?」
と入れると、スルー。ナッシング。
そして、その後の別案件にはシレっと返信してくるという。

「問題解消したんだからさあ、よかったねで終わらせようよ。
これだから、田舎もんは」
と思ったのかもしれないけれど、
グルーバル社会で(この会社の業務もかなりグローバル)
いろんな常識や前提が異なる人々が協働する場合、
個人的な好き嫌いや感情ぬきに
何が問題かを明らかにして、はっきり話し合って解決するのがいまどきの仕事の仕方だろう。
むしろ、そうやってスルーするほうが、自分のミスを隠蔽したがっているみっともない行為だと思うんだけど。
と明美はカリカリしつつも、「日本社会では、これが普通なのか?」と悩んでいた。

昨日、習い事が3か月ぶりに再開され、参加してみると
明美ともうひとりをのけたメンバーで勝手に重大なことを決められて
「このクラスで決めました」
的に先生に伝えられたことがあった。

先日の職場でのこともあり、
「なあなあにする、『そゆこともあるよね』と黙っているのが大人の対応とされる日本なのか」
と思いつつ、さすがに納得できなかったので
「これでダメになったら、この習い事もやめればいいや!もやもやし続けるくらいなら」
と思い切ってリーダー格のSさんにメールしたところ、あっさり非を認めて
「はっきり言ってもらってよかったです。配慮不足でした。今後気をつけます」
と言ってもらえた。

Sさんは関東出身で、明らかにするところは明らかにする、いろんな配慮をした言動のできる有能な方なのでわかってもらえてよかったと明美はほっとすると同時に
やはり京都は難しいのかなあと思うのだった。

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