見出し画像

映画みて、欲望の話

Good luck to you, Leo Grande を見てきた

退職した元学校の先生(スージー)、夫を数年前に亡くし、今までどうしてもできなかったことを成し遂げるために、エスコートのレオ・グランデと契約する。

セックスコメディだ。全編を通してセックスの話をしている。この年代の女性(エマトンプソンは63歳)から見えるセックスの世界。といっても、いやらしいものではなく、欲望の話だった。

舞台はホテルの中。出てくるのはスージー役のエマ・トンプソンとレオ役のダリル・マコーマック。

エマ・トンプソンがすごいのはもちろん。ダリル・マコーマックがよかった。「監督、見せ方をよくわかってらっしゃる…」という感じの、きらっきらの登場シーン。

3Dなのに2Dですか?と聞きたくなるほどの美しさと、優しいのに薄っぺらい。何を言っても、受け止めてくれる。そりゃお金とれるよ君‥。

対するエマ・トンプソン。分厚い。もうなんというか、崩れた体の線、ダサい服、落ち着かない表情。すべてが初老に入りかけた女性として満点だった。

中年以上の女性に見てほしい映画だった。お金を払ったからこそ言えることがあり、お金を介しているからこそ超えてはいけない線がある。

欲望の話

エマ・トンプソン演じるスージーはセックスに関する欲望を抱えていて、それが解消されないまま数十年過ごしてきたという設定だった。

欲があることを表に出すのは難しい。それは性に関することだけでなく、お金のことだってそうだし、したいことだってそうだ。自分が何をしたいのか自覚するのは難しい。

最近、そんな話を友人としていて。いつの間にか諦めかけていた欲を、もう一度自分に取り戻そうという話をしていた。そのときに、何がしたかったのか?がよくわからなくなるという話もした。

例えば私だと、Podcastをやってyoutubeをやってマンガを描いて文章も書く。で、何がしたいの?と。

podcastとyoutubeはなんとなく、今はできていない。また時間ができたらやるかもしれないけど。(時間ができたらって言ってるうちは絶対に時間はできない。)

ほんとうにしたいこと。何に自分が嫉妬するかだ。エマ・トンプソンも自分の嫉妬に気づくシーンがあった。嫉妬は自分の欲望の裏返しだ。じゃあ、自分は何に嫉妬するのか。もしくは嫉妬できないほど諦めているのか。

そんなことを考えながら髪を切った。

ここから先は

396字
1本100円なので、毎日読むならマガジンがお得です

11月の有料マガジンです 平日毎日文章・時々マンガが届きます

Twitterもフォローしてください!https://twitter.com/shinoburun