真似をしてみました。

江連麻紀さんを通して知った当事者研究という言葉。
困りごとを見つめる方法の一つなのですが、私はとても気に入っています。江連さんの娘さんがある日、「学校休みたい、灰になりたい」と言ったそうです。その言葉から、家族での研究が始まります。その投稿を読んで、あぁいいなぁ。と感じました。

そして、ある日。
我が息子にも「今日は学校休みたい」と泣かれた朝がありました。
これまでも小さな研究は試してきましたが、江連さんの最新の研究を思い出し、真似をしてみることにしました。

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息子の学校行きたくない、は前夜から始まっていました。布団の中でもう憂鬱になり寝付けません。休んでいいよとも駄目よとも言わず、「そうか。そうなんだね」と聞いておくだけにしました。

朝起きると、起きた瞬間から泣いています。私は、この「瞬間」でそれくらいの段階か、、と判断するようになりました。なるほどね、休もうか、となりました。

江連さん家族は、こんな日には美味しいものを、と中華料理屋さんに行っています。我が家は夜ごはんは肉がいい。という息子のリクエストに応えて大好きな生姜焼きにしようと決めてテレワークの夫に預けて私は仕事に行きました。

江連さん家族はその中華料理屋さんで自然と研究が始まっています。 
我が家は休んだその日の寝る前に紙と鉛筆を持ってコタツでの研究が始まりました。

私からの質問が始まりました。
どうして今日は学校に行きたくないと思ったんだろうね。学校で困っていることがあるの?という問いに大きく首を振ります。そして言いました。

「それが僕にも分からないんだよ」

そうなんです。息子は理由が分からなかったのです。
いや子供は理由なんて考えないですよね。

学校で起こりそうな出来事を並べてみて確認し合いました。
「先生が嫌?」違う。
「嫌いな授業がある?」あるけど、なんか違う。
「給食が嫌?」いいやいいや全くない、それは。
「意地悪な友達がいる?」いないいない。
「下校後のことで何か困ることある?」ない。

浮かんだ項目に対して全てなし回答。

「でも、疲れた」

これだけは息子の中でハッキリして、言語化できました。

更に探ります。

「じゃぁ家でのことかなぁ」とその数日前から振り返ってみました。 
息子からの言語化は疲れたのみ。私が息子の様子を思い出して言葉にして並べ、息子もそうだったそうだったとうなずきます。

①土曜日は?従兄弟が遊びに来ていて、急にお泊りしてくれることになった。もうそれはそれは大興奮で夜遅くまで、翌朝早くから、と大騒ぎは続いた。。そして帰っちゃったと寂しくなってたまらなかった。 

②日曜日は?
とうとうやってみたいと思える習い事に出会えて、その初日が夕方からあった。愉しい興奮と緊張と、新しいことを覚える集中力とで、清々しさを味わっていた。

(ここで私は明日の学校、大丈夫だろうかと頭をよぎったが、あまりにも素晴らしい、この習い事の空間だったので、休んでもいいなともう決めていた。すると翌朝、元気はつらつで起きてきた。なるほど、いい時間は、いい活力に変わったのね、とニコニコした。)

③月曜日は?何かあったっけ?
「んーーーー。なんかあったんだよ。なんかもう一つあったんだよ。」
ここがなかなか出てこなくてうなっていたけれど、何かひっかかる出来事があったようだ。と待ちました。
すると、あー!友達の家に行って、5時までに僕は帰りたかったんだけど、間に合わなかったんだよ。と思い出した。そういえば、帰宅して玄関を開けると、「ごめん、遅くなっちゃった。。。」と言ってた言ってたと私も思い出した。それも大きなため息と一緒に。

まぁ友達と何人かでいれば、スムーズに帰り支度が進まないだろうし、友達のママからは今から家出すよ!LINEが来ていて心配はしてなかったし、
こちらは、そんなに重要な出来事とは感じていなかったのです。
でも後で聞くと、5時を過ぎてしまうと分かった時、お母さんに連絡しておいてと焦り気味に友達ママに頼んでいたらしい。

そうだった、彼はルールは絶対な傾向があるんだった。(その精神、ゲームでもお使いください)いつもは我が家に友達を呼ぶことが多いけれど、人の家に遊びに行った時は、時間への意識が違うのだろう。

これを、息子は小さくない出来事として語ったのです。
なるほどー。

息子の日頃から様子を見て、ルールは絶対な場合も確かにあるけれど、その都度、自分でルールを変えていってもいいんだよ、いくんだよ、という、まぁ難しい話しも耳にだけは入れておくようにしています。

こうして気持ちがグワンと上がったり下がったり、そしてまた上がったりという出来事がいくつか続きの、

「だから疲れたんだぁ」→学校行きたくない身体に。

疲れの正体が判明した。
すると、スッキリしたような顔を見せて、いつもの就寝時間を大幅
に過ぎていたけれど、良い眠りにつきました。

彼にとっての刺激のキャパは、どれくらいなんだろうか。
と、色々な出来事から、そんなにたっぷりめではなさそうだとは感じていたけれど。。と今回の出来事で私達親と、息子本人も、これくらいのてんこ盛りだとプツンと切れるという、なんとなーくの感覚が分かったような気がします。

江連さんのやっていらした子育て仲間へのシェア。
そうだったそうだった私にもいたいた。自分のフェイスブックで敏感・繊細という言葉を投げたら、反応してくれた人が数人いたので、勝手に作ったグループLINEに投げてみました。

「うちも休日が相当 愉しいと切り替えがうまくできなくて月曜日はだめ」
「それは体調がいまいちってことだね」
「いろいろあっても親側がいい経験と捉えていればとっても良いことだと思うよ」
「ウチの子は背中が痛いって言ってくることが学校行きたくない予兆」
「家族で作戦会議出来るのいいね」

の言葉をもらいました。

学校の先生へはちょうど、個人面談があったので、休みに至った経緯を伝え、ペース配分はまだ親の管理でもあるので気を付けますと伝え、我が家の学校を休むことへの基準を伝えてきました。研究の結果も、どうやら息子から話していたようです。なるほどなるほどと聞いてくださいました。

家族と研究、子育て仲間にシェア、先生とも共有。
私も、「子育て、一人じゃない」と実感しました。

そして、家庭で起こった出来事をシェアしてくださった江連さんに感謝します。誰かんちの事件は、違う誰かんちの事件でもあるんだ!です。
たいてい、誰かが先に経験してくれています。
助けて!と発信すること。
こんなことあったよ!の発信は誰かを助ける。

経験者からの発信は本当にありがたいです。

今回の、息子の「学校休みたい」は、
刺激量あふれて、彼のキャパ、オーバーの巻。と、
わかりました。

おしまい。


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