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純粋な忍たま達に大事なことを思い出させてもらうの巻

忍者を仕事にして、忍者を研究して、忍者の友だちがたくさんいて、忍者に触れて触れて触れまくっている日常を、かれこれ1年半くらい続けています。

純粋に忍者の真実に近づきたい、忍者を色んな人に楽しんでもらいたいと思って行動している人生なので、研究やプライベートの面で繋がっている人達と触れているととても勉強になるし楽しいです。

一方、仕事の方では政治とかお金とか名誉とか、別の目的に忍者を利用しようとする人達に少なからず相対しなければならないことが多い日常だったりします。その思惑に触れすぎる時間が長いと、時たま何もしたくなくなる時があります。

もちろん「忍者を使えばこれだけの人が喜んでくれる!」「でもそのためにはお金も大事だからその分野で自分のできることをする!」と信じて一緒に仕事する人が大半なのですが、一部の逆の人達こそ社会的な権力とか影響力とかを持っていたりするので、嫌でもその人達との関係が大きなウエイトを占めるわけです。

あの人に恩を売っておけば別のもっと大きな仕事につながるから?
この人を組織に入れておけばハクがつくから?

大河ドラマ「いだてん」の3回前くらいの放送ですかね、田畑政治が大物政治家に放ったセリフがいまでも心に残っています。

国民の一人一人がさ、俺のオリンピックだと思えるように盛り上げてくれよ先生方!功名心で組織委員会に名を連ね、記者が集まる公開討論にしか顔を出さん。そんな役立たずの役人や政治家は出てってくれ!

本当はもっとやらないといけないことが他にいっぱいあるのに、最近はそういう人達のための仕事に時間も意識もとられていて、「なんでこの人達のために頑張らなきゃいけないんだろう…」とやり場のない虚無感に見舞われることが多くなりました。

それでも思い描く忍者の理想を追い求めて日々踏ん張って生きている、忍んでいるわけですが、やっぱりまだ甘いんですかね。性格診断とか占いでも必ず”理想を追い求めがち”な性格とされるのですが、大人になりきれない自分が悪いのかなともやもやしてばかりです。

そんな毎日が続いているのですが、最近イベントの運営とか紹介とかで全国の忍者施設の人々に訪れる機会が多かったのもあり、心が洗われる光景を目にしました。「このままここにいてこの方向で進んでいいのだろうか」とちょっと腐りかけていたのですが、「これが忍者の素晴らしいところなんだなー!」と、とてつもない活力をいただいたので、いつかまた腐りかけた頃に見返せるよう、この感動を書き留めておきたいと思います。

力をくれた存在。それは忍者に触れた子どもたちの純粋な笑顔とそのような機会を提供する素敵な大人の忍びたちです。

習志野さんに保育園で楽しく触れる子ども達

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11月の上旬、お仕事で忍者仲間の習志野青龍窟さんに、忍者とゆかりのある地域にある保育園の子供たちへの忍術教室をお願いしました。

この保育園に習志野さんが訪れるのはこれが三回目。みんなが声を揃えて「にんじゃさ~ん!」と呼んで、習志野さんが登場します。

今まで習った忍術を復習する中で、楽しそうに、でも一生懸命に先生の言う通りに印を結んでじっとしたり、うずら隠れの術を行う子どもたち。

習志野さんは昔学童で働いていたこともあって、子供たちの扱いにもとても慣れていて、みんなが幸せそうに忍者や忍術を楽しんでいるんですよね。

「自分にもそんな時期があったな」なんて思いながらその純粋なまでにひたむきに忍者を楽しむこどもたちの姿を見て、なんだか泣けてきました。習志野さん、素敵な風景を見せていただきありがとうございます!

家族ぐるみで忍者にたしなむ四季の森忍術道場

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昨日は神奈川県にある四季の森忍術道場に行ってきました。

ここは大和柔兵衛先生という忍者が、3歳~大人までを対象とした忍者教室を昔からやっている忍者道場です。100人以上の生徒忍者さん達がいらっしゃいます。今回はイベントの運営で場所をお借りし、ここの道場の人々に大変お世話になりました。

休憩中は道場前で焚火をしながらワイワイおしゃべりしていました。来る人来る人いい人ばかりでホンワカします。何がいいって、家族ぐるみでみんな仲良しで、親御さんとお子さんが一緒になってこの道場を訪れるんですよ。仲間の挑戦をみんなで応援して、世代を越えてみんなで仲良く1日を過ごすんですよ。

道場に通う近所の小学生の子ども稽古もないのにやってきて、朝から晩まで大人に可愛がられながらキャイキャイ楽しそうに焚火をやっているのです。(なぜかその子には初対面なのにいきなり回し蹴りを喰らわせられたのですがなんでだろうw)それは殺伐とした現状の仕事生活ではなかなか見られない光景でした。

帰りの電車で「こんな忍者を軸にした世代を超えたコミュニティが家の近くにあったらさぞや楽しいだろうな」と思いにふけり、ほっこりしていくのを感じました。四季の森、とても素晴らしいところです。子供ができたら通わせたい!

そして世代から世代へつながる忍者の数珠繋ぎ

そして昨日の夜には、この四季の森忍術道場が生んだ忍者界のエース、弥圓佐助くんの棒手裏剣教室に参加してきました。

棒手裏剣、これがまた楽しい・・・!一度やったことある人はわかると思うのですが、あの刺さった瞬間の気持ちよさは何にも代えられない感覚です。

この時、忍者が大好きという小学六年生の女の子と、そのお姉ちゃんが一緒に参加していました。なんとその女の子は忍者がとても大好きで、今自分の指導教員でもある山田先生の大ファンなんだそうです。

NinTubeも見てくれていたようで僕を見て感激してくれたり、一生懸命稽古に取り組んで、手裏剣が刺さるたびにとても嬉しそうな顔で喜んでいました。将来は忍者になりたいとのこと。今この瞬間「忍者を全力で楽しんでいる!」という空気をビンビンに感じました。

そしてその女の子にそのような機会を提供しているのは、四季の森忍術道場で3歳から忍者になりたくて修行して、大きくなってその夢を叶えた佐助くんです。この場所で忍者が忍たまを育て、その忍たまが成長して忍者となり、次の忍たまを育てているのです。

そして何よりもほほえましかったのは、先生である佐助くんも同様にすごく楽しそうに手裏剣を教えていたんです。自分の夢を叶えながら次の夢を育てている場所がある。こんな素敵な世界があるんだなーととても嬉しくなってしまいました。

忘れてはいけないこと

2か月前に出展したあるイベントで、ある企業の社長さんがブースでの接客を善意で全日程手伝ってくだっていました。そして一般日に来場してくれえた子どもたちを楽しませようと、ほぼ一日中立ったままで対応してくださっていたのですが、御礼を言うとこう言っていました。「忍者に興味をもってせっかく来てくれる子どもたちの笑顔が見たいじゃないですか」と。

忍者はもしかしたら世界的に人気だと思われるかもしれませんが、少し突き詰めると、そこは市場の小さいマニアックな世界です。イメージも人それぞれで、「忍者」とだけ言えば誰もが寄ってくるようなマジックワードではありません。でももしかしたら少ないかもしれないけど、そんな忍者を求めている子どもたちや海外の人などが確実にいます。その社長さんの言葉を聞いて、まずは目の前にいるその人たちを喜ばせられる、笑顔にできるような活動ができていなかったんじゃないか、と大いに反省しました。

大人になると理想や正論だけでは食っていけないのはわかっています。そして時には理不尽であるとわかっていても、長いものに巻かれたり、偉いものに頼ったりしないと成し遂げられないことだってあります。みんながみんな同じ方向を向くのだって、そうたやすいことではないでしょう。最終的な目的が達成できるなら、忍者であればあそういったことも忍耐で我慢しなければなりません。

忍者に夢を持つ人たちを一人でも多く笑顔にするためには何をすればよいのか。そのすばらしさを正しく、楽しく伝えていくためには何が必要なのか。

その目的達成のために必要なのであれば長いものにだって巻かれます。身体だって売ります。でもそれが本当に誰かの笑顔につながることを目的とした方向に、組織としてもアプローチとしても最適でないのであれば、その辺を考える必要があるのかもしれません。

忍者に触れる国内外のこどもや大人たちの笑顔をもっと見たい。その理念を忘れてはいけない。そしてそのために世界の忍者ファンがもっと気軽に忍者にアクセスできる仕組みを作りたい。そのビジョンを忘れないようにしないといけない。

今年の目標が以下のとおり、それをどの立場で行うのかを見極めることでした。今年も早いものでもう12月。そろそろ結論を出さねばならなそうです。


最後まで御読み頂き忝く存じ奉り候。 忍者のことしか書いてなくてすみませぬ。 更に忍者の詳しい情報はこちらでどうぞ〜 https://ninjack.jp