Tradzが負けた日

Tradzが負けた。
BEMANI PRO LEAGUE SEASON 2のbeatmania IIDX部門、最終戦となった第28試合の敗北をもって、TAITO STATION Tradzのレギュラーステージでの敗退が決まった。

応援しているチームが負けるのには慣れていた。
ベイスターズが最後に優勝したのは20世紀のことだ。最下位じゃないだけ喜べる。クライマックスシリーズに出れれば御の字。多くは望まない。

負けるのには慣れていた、と思い込んでいた。
Tradzが負けるなんて思ってもいなかった。順位表は見ていた。最終戦の前に、クォーターファイナルに進出できない条件だって計算して確認していた。
それでも心の中で、「負けるわけがない」と思い込んで疑わなかった。

beatmania IIDXのことを、私は何も知らない。
昨シーズンは存在を知ってはいたもののまともに追っていなかったし、DJ ACTで流れる曲も、選ばれる曲も、ゲームのシステムも、選手も、ほとんど知らない。
そんな私がBEMANI PRO LEAGUEを見始めたのは、タイトーがチームを作ったからだ。タイトーが参戦していなければ、おそらく今年もBEMANI PRO LEAGUEは追っていない。

何も知らないまま迎えたドラフトの日、指名された全員の中で唯一知っていたのが、ドラフト3位でTradzに指名されたTATSU選手だった。
それもbeatmania IIDX関連で知っていたわけではなく、pop'n musicの上手い人として認知していたので、名前が呼ばれて初めてbeatmania IIDXも上手いことを知った。
この日、4人の選手は私の中でまだ「タイトーのチームに入った人たち」に過ぎなかった。

生まれて初めてbeatmania IIDXをプレイしているところをちゃんと見た。初めて見たのがBEMANI PRO LEAGUE。レベルが高すぎる。
一人で見ても何も分からないので、プレイ経験があるフォロワーと一緒に見た。やはり情報があるとないでは全く違う。

気が付いたらハマっていた。
タイトーのPRが上手すぎるのが悪い。KONAMIさんの盛り上げ方が上手すぎるのも悪い。もともとユニフォームを着た実在する男性を推すことに慣れていたので、一度選手のキャラクターが分かってしまうとあっという間だった。
試合を見ていても楽しいし選手のTwitterを見ていても楽しいし、YouTubeチャンネルに上がるオフショットの動画を見ていても楽しい。
「Tradz強い」というコメントを見るのもうれしいし、応援イベントで上位を総なめするところを見るのは実に誇らしい。
いやまさかここで終わるなんて思わんじゃん。

最終戦は一人で見ていた。誰かと一緒でなくて正解だった。何を言えばいいか分からなかったから。
正直悔しい。めちゃくちゃに悔しい。でも選手やスタッフの皆さんの方がよっぽど悔しい思いをしていたと思うし、結果が分かってもなお、最終戦が放送されるまで何も言わず、明るく振舞ってくれていた。
関係者の心情は察するに余りある。私だったら絶対耐えられない。
そこも含めて、見ている者を最後まで楽しませてくれたことに感謝するし、このメンバーがTAITO STATION Tradzであることを誇りに思う。
来シーズンのBEMANI PRO LEAGUEが全く同じメンバーでできるとは限らないけれど、それでもSEASON 2にこのメンバーで戦った事実は残る。それでいいじゃないか。


などと言っていたら、イベントが続々と発表された。
https://twitter.com/Taito_Tradz/status/1575677439078203393?s=20&t=YlN50vlwbGE-7h8aMyG2uQ

なんだよTAITO STATION Tradz。全然終わらねえじゃねえか。
勝手に終わった気持ちになっててごめんな。

ありがとう、これからもよろしくね。

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