水泳

泳ぐのは苦手だ。
水遊び程度にプールで遊ぶだけならまだいい。泳ぐとなると、クロールの25メートルですらしんどい。

幼稚園生の頃からスイミングスクールに通っていた。
母親の「自分は泳げないからせめて子どもには泳げるようになってほしい」という考えの元、小学5年生まで通っていた。というか、通わされていた。
本当に嫌いだった。何が楽しいのか分からなかった。毎週木曜日が憂鬱でたまらなかったし、スイミングスクールに行かなくて済む第5木曜日が救いだった。

スイミングスクールに嫌々通っていたせいで、水泳がすっかり嫌いになってしまった。
中学生からはサボることを覚えた。毎回制服で見学していると怪しまれるので、ちゃんと水着に着替えて準備体操をして、少し水に入って身体を動かしたあたりで「先生、調子が悪いです」と言う。
中学と高校の水泳の時間は、この方法で半分以上見学していた。そのくらい水泳が嫌いだった。

大人になってからも、苦手意識はなくならない。
大学生の頃、泳ぎが得意な友人に連れられて市民プールに行き、クロールを教えてもらった。
最初に一人で泳いだ時はひどいもので、25メートルプールの半分も泳げなかった。息ができない。苦しい。何が楽しいのか分からない。
しかし、友人の指導を受けるとなんとか端から端まで泳ぎ切ることができた。息ができない。苦しい。でもちょっと楽しいし、何より達成感がある。

このところ水泳はしていない。相変わらず水泳への苦手意識は強い。
次にプールに行った時はまた泳げなくなっているのだろうけど、ちょっとは楽しめればいいなと思う。

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