高校生の頃、文学コンクールに出した詩が賞に入ったことがある。
夏休みの宿題が「読書感想文+小説・詩・短歌・俳句のいずれか」だったので、消去法で詩を出した。

小説はある程度の長さが必要なのでコスパが悪すぎる。短歌と俳句は短くて済むが3つ出さないといけない。
詩が一番コスパが良かった。

宿題として提出した作品は、校内で教員による審査を経て数点に絞られる。
ある日突然担任に呼び出されたのでまた叱られるのかと思ったら、コンクールに出すので清書しろと言われた。
1つの教室に全学年の代表生徒が集められて、みんなで自分の詩を清書した。二十人弱の生徒がいたが、隣のクラスの女の子以外は知らない人だった。

数か月経ち、コンクールのことなんてすっかり忘れていた頃、コンクールの入賞作品が掲載された冊子と記念の盾が届いた。
私の詩は一番下の賞だった。隣のクラスの子も同じ賞だった。
全ての作品に短評がついていた。上位の賞には長い文章が書かれていたが、私の作品には「青春時代には悩むこともある」とだけ書かれていた。

分かってんじゃん。ちょっとだけうれしかった。

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