足し算引き算

ふとした時に、昔接した子どものことを思い出す。
小学6年生の時に1年生だった子。親戚の子。学生時代のバイトやボランティアで面倒を見ていた子。
今の年齢を考えてみる。あの頃の年齢に足したり、今の私の年齢から引いたり。

ビビる。
もうそんなに大きくなっているのかとビビる。他人の子どもってどうしてこうも成長が早いんだ。
同じ年齢のフォロワーがいる。それより若いフォロワーもいる。あんなに小さかったのに。ビビる。

先日、久々に親戚の子どもたちに会う機会があった。
結婚する前は実家で毎年正月に顔を合わせていたけれど、このご時世ではなかなか機会がない。
ビビった。いやもう高校生って。あんなに小さかったじゃん。運動会の帰りに家までおぶっていったのを昨日のことのように覚えているのに、もう何年前よ。
背も伸びるし声変わりもする。祖父の四十九日の法事で「デートしようよ!」と手を引いてくれた少年は、立派に大人になっていた。多分あの頃のことなんてもう覚えていない。

親戚の子はまだいい。問題はそれ以外だ。
もう連絡を取る手段なんてない。年齢から何をしているかを推測するしかない。
同い年のフォロワーが今日も仕事の愚痴を呟いている。子どもだったあの子も、今はどこかで働いているんだろうか。

大人の世界は大変だ。面倒なことも上手くいかないことも山ほどある。
それでも、あの子たちには幸せであってほしい。
足し算引き算をしながら、子どもだった大人たちのことを考えている。

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