Variety Of Soundが帰ってきた話

どうも、フリープラグイン漁りが大好きなしのです。

突然ですが、皆さんの好きなフリープラグインは何ですか?
みんな使ってる定番プラグインだったり、知る人ぞ知るデベロッパーの作っているものだったり、中にはあえてチープなものを使ってるなんて方もいらっしゃることでしょう。

ところで僕には好きなフリープラグインのデベロッパーがいくつかあります。
Analog Obsession、Tokyo Dawn Labs、vladg/sound、そして今回お話するVariety Of Soundです。
そんなVariety Of Soundが数年の眠りから覚めて復活したとのことで、いても立ってもいられなくなったので、勢いで語ってみます。

Variety Of Soundとの出会いは衝撃だった

まだ今ほど本格的なDTM環境の整っていなかった10年以上前、SONARに付属していたLexicon Pantheonというプラグインくらいしかまともに使えるリバーブプラグインのなかった頃に、Variety Of Sound(以下VOS)のepicVerbを誰かに教えてもらったのが最初だったと思います。
使ってみて驚愕。フリーのプラグインでもこんなにいい音が出せるのか。

思えば僕が本格的にフリープラグインを漁り始めたのも、あれがきっかけだったように思います。
当時学生でまだお金のなかった僕は、VOSのプラグインには特にお世話になりました。
というわけで、お気に入りのVOSのプラグインをいくつか紹介してみます。

■epicVerb

フリープラグインの傑作デジタルリバーブ。
とにかくUIが分かりやすく、効果も見た目通りに現れてくれます。
一般的なミックスプラグインとしてはもちろんのこと、アンビエント系などのロングテールでふわふわと広がる特殊効果的なサウンドとしても使える万能選手。
デジタルリバーブとして必要なパラメーターは大体揃っているので、初めてのリバーブプラグインとしてもオススメ。

■BootEQ

とても使いやすいコンソールタイプの4バンドEQ。
真空管のサチュレーションを付加できるので、プリアンプ的な使い方もできます。
比較的ジェントルながらも変な癖もなく、音作りのしやすいEQです。
この記事を書いている時点ではまだ64bit化されていませんが、おそらくそのうち対応してくれることでしょう。

■Density

多彩な使い方のできるバスコンプ。
コントロールは若干Fairchildっぽいですが、真空管コンプシミュではなかったと記憶しています。
フリーでは珍しく、Mid/Side対応です。あとサイドチェインフィルター内蔵なのも嬉しい。
パッツパツにかけることもできるし緩やかなゲインリダクションを得ることもできるので、今改めて使ってみるとなかなか良くできたコンプだなぁと思います。

■NastyVCS

多機能なプリアンプ/チャンネルストリッププラグイン。
プリアンプ部は真空管シミュとなっていて、サチュレーションがとても気持ち良いです。
EQ部も非常によくできていて、各帯域がとても作り込みやすいつくりになっています。
何よりも、プリアンプ部をOnにした時にボワっと真空管が光るUIがカッコいいですね!

■NastyDLA

非常にサウンドの馴染みが良いディレイ/エコープラグイン。
テープエコーっぽいウォームなディレイサウンドが得られます。
地味についてるコーラス部もなかなかダーティーでとても使いやすいです。
個人的にはリードギターとかにかけて、奥行き感を出すのに使うのが好き。

僕はずっとこの時を待っていたぞ……!!

そんな素敵デベロッパーVariety Of Soundですが、2015年のブログ更新から突然音沙汰がなくなります。
プラグイン自体は2014年頃で一度リリースが止まり、その後はTokyo Dawn Labsの開発協力をしていたようで、TDR VOS SlickEQという、フリー傑作のマスタリングEQプラグイン等に携わっています(高機能な有料版も同時にリリースされています)。
VOSのプラグインは開発ツールの都合上32bitのみのリリースで止まっており、世界中のVOSファンはずっと64bit化を待ち望み続けていました。

そして時は流れての2021年1月。

Rebuilding my Studio

突然の復活宣言。
そして8月にはとうとう待望の64bit化がスタート。
現時点では7つのプラグインが64bit対応となっています。
どれだけこの時を待ったか。
完全に64bit環境に移行してもずっと使いたくてたまらなかったVOSのハイクオリティーなフリープラグイン群。
きっと同じ思いを持っていたDTMerの方も少なくはないでしょう。

とは言えど……

実際今の僕が使う場面となると本当に限定的な場面のみになると思います。
今はもう他の選択肢がたくさんありますし、VOSのプラグインから離れて久しいので、今更メインとして使うことはないかなと思います。

ですが、まだいろいろ揃っていないDTM初心者の方とかには堂々とオススメできるクオリティーであることは間違いありません。
フリープラグインのみでアナログ感を出すのって意外と難しいので、1つの良き選択肢になるかなと思います。
とりあえず積極的にサチュレーションをかけてみてくれ。

終わりに

久しぶりにVOSのプラグイン触ってみましたが、やっぱり良いですね。音良いし使いやすいしGUIカッコいいし。
個人的に良さを再確認したのはNastyDLAとNastyVCSかな。昔は使い方よく分からなかったんですよねこれ。

あと、他のプラグインも64bit化してくれることを期待しつつ、全く新しいプラグインをリリースしてくれないかなって思ってたりもします。
そうなったら何をリリースするんだろう。何作ってもめっちゃ高品質なので、今から勝手に楽しみにしてます。

一部では最強のフリープラグインデベロッパーとも言われるVOS、皆さんも一度使ってみてはいかが?





Density mkIII、今度ドラムバスに使ってみよっかな。

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