Onewのこと

@某大学病院

k-popに目覚めた。男気や愛嬌だらけの歌ラップが大の苦手で、k-popは全部そうなんだと思ってた。韓国ドラマや映画は70本近く観ていて、ostやインディーズバンドは聴いてたくせに。ほんとにイヤな奴だ、わたし。

オニュというアイドルがいる。
デビューして16年になるShineeのリーダー。

k-popイベントにshineeがエントリーされていて、チケット予約時に「なんで今更Shineeなん?」と失礼な悪態をついていた。

当日、若いグループがそこそこのパフォーマンスを見せて、まあまあ盛り上がってはいたが、Shineeの3人が歌い踊り始めた瞬間にステージへの集中力ががっと集まり、まさに吸引されるような感覚に。なんなん?この人たち。曲もpopとhipがすっと交わる洗練さがあり、力強さに任せるのではない身のこなしと歌の上手さ…ほんとにチンチャびっくりした。そして土下座したくなった。誠に申し訳ございません。ほんとすみません。

当然ながらShineeについて検索しまくり、メンバーは5人であることを知る。1人は自死、もう1人は活動休止中と。3人で衝撃受けたのに5人てどうなるん?なぜに2人が?

活動休止していたのがオニュだった。

一緒にイベントに行った推し活先輩の友人が、オニュのレイニーブルー熱唱動画を「これ、すごいよ」と送ってくれた。

本当に凄かった。圧倒的な声量と音程の正しさをパワーで見せつけるのではなく、曲の世界観をテクニックで優しく悲しく歌いあげる…本人も泣いてしまうほどの没入感。泣きながら歌うのはシンパシーを産むけど聞くには堪えないことが多い(だから泣きながらの歌唱は大嫌い)。だが、彼はきっちりと曇りなく歌いあげた。東京ドームの隅から隅までがオニュのレイニーブルーで染まっていた。オニュが放つ表現の海にみんなが浸る。悲しい歌であるけれども幸せな空間。

プロだった。
完全にプロフェッショナルシンガー。
↑大好物。

そこからは転がる石ころ。ずぶずぶ沼へ沈む日々

なにせ16年もあるので、曲も動画もたっぷり。入院生活は全く寂しくないなう。

私の身体はメスで傷ついたけど心と耳は満ちている。


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