見出し画像

投資メモ25 外資規制緩和法案の議会承認について

本文は投資家Shinn個人の見解が含まれております。
投資における責任は一切負いかねますこと、ご了承ください。

2022.2.7

Shinnです。


はじめに〜

今週はIpsの第3四半期決算ですね。

数字は勿論大事なのですが、その期間に起きた事象や今後のトレンドをしっかりと掴み、中長期的な成長カーブが描けているかという視点を忘れずに追いかけて行きたいです。
何か気になることがあればnoteに書いて行く予定です。(先週まで決算忘れてたなんて言えない)



では、今回のテーマ。

先日、フィリピン通信分野の外資規制緩和法案について大きな進展がありました。
今回は関連記事の紹介をnoteしたいと思います。


▪️記事

フィリピン議会、電気通信および鉄道サービスの外国人所有上限の撤廃を許可する法案を承認(英文)

Ipsホルダーの方はご存知、フィリピン電気通信分野への外国企業による出資比率は40%が上限と定められております。

今回(最終的に大統領署名が行われれば)85年振りに法案改正となり、上限が撤廃されることになるのです。


規制が撤廃されることで…

・外国企業によるダイナミックな投資が見込め、長い期間にわたり寡占化されてきた通信業界により強い競争が生まれます。

・競争により高い品質とサービスの拡充、そして価格が下がり、消費者に選択の幅が生まれます。

・多くの雇用が創出され、また優れた技術や知識が移植されることで、フィリピンに新たなイノベーションが期待されます。


フィリピン通信の開国。

すぐそばまで来ている印象を受けます。

ここからパクりました


業界プレイヤーの反応は様々。
コメントが出ている記事を探してみました。


まずは大手2社。

PLDT(外資保有比率/2021.9時点 22.19%)
レガシーを代表する通信事業者、NTTが大株主。
「現体制が直ちに変化する事はない」…当たり障りの無いコメント。

Globe Telecom (同、26.62%)
この法案改正は「通信事業者に長期的な利益をもたらすものである」…ふわっとしたコメント。
上記、元記事はこちら


続いて、新興プレイヤー。

Dito Telecommunity

中国電信(国営)が40%を保有。
「外国資本を積極的に活用したい」とポジティブなコメント。
ちなみに、法案には「海外の国有企業は対象外」とする条項が組み入れられているようです。
元記事はこちら

↓これが一番共感できるかな。

Converge ICT

CEOのDennis Anthony Uy氏
「競争は構わない。しかし、それは相互がフェアな関係であるべき。フィリピンでやってきた我々が不公平になってはならない」とコメント。
元記事はこちら



そしてIps。

見解について直接確認した事は無いのですが、 有報の事業等のリスク(22ページ〜)には「より積極的なフィリピン通信事業への投資が可能な一方、新たな競合事業者が参入する脅威がある」と書かれております。
有価証券報告書-第30期


▪️今後の展開に向けて

これも有報に記載されていることですが、これから数年、どれだけの投資により事業展開が進められるかが重要だとのことです。

外国企業による通信分野への投資は既に始まっている中、Ipsも手を打ち、関係構築や許認可の取得を進めて来ております。
(個人的には、国際海底ケーブルと国内の基幹回線への接続に向けCLSの許認可を受けたことは大きなニュースに感じました)

その他、投資面で目に付くのは、重要な事業展開においては米国企業との関係が目に付くようになってきたことです。

幾つか挙げてみますと…

▪️5G技術、ラストワンマイル
当社フィリピン子会社 InfiniVAN が、5G mmWave(ミリ波)技術の パイオニア企業 WeLink との、次世代 5G アクセスサービス共同開発に合意

▪️セキュリティ
米ForcepointがCyberincを買収

▪️伝送能力の増強
C2Cの伝送容量を増強すべく、ネットワークソリューションを手掛ける米Ribbon Communicationsのサービスを採用

特に、C2Cは香港を接続することより、CDN事業者に向けた取り組みとして米国のクリーンネットワーク構想への対応は気になるところでしたが、安心できる内容と受け取っております。


新たな事業機会の獲得に向け、今までフィリピンで積み上げてきた信頼と、日本の高い技術と品質を武器に、積極的な展開に期待したいです。

そして、決して簡単な道のりではないでしょうが、フィリピンの経済が成長し、人々の生活が便利に、豊かになって行くことを心から楽しみにしています。


ありがとうございました😊
今回のテーマはここまでになります。



あ、C2Cといえば、昨年末にConverge社からこんなリリースがありました。

ConvergeICTはC2Cケーブルの容量を1.3Tbps調達。国際ケーブルネットワークの完全な冗長化を構築へ。

ConvergeICTの国際ケーブルネットワーク


上図に24年予定のBifrost、そして新たに計画している北米とのダイレクトケーブル(詳細は投資メモ24にて)が接続されれば、大手2社とガチで競うレベルまでのネットワーク体勢になりそうです。

ご存知のとおり、大手OTTによるフィリピンへのケーブル投資が話題になっておりますが、大手を除くOTTや通信事業者はまだまだ香港やシンガポールでの接続が多い状況。
C2Cの需要はまだまだあるよと思わせるニュースでした。

☝️ところで今回のC2C、Convergeは誰からどのようなルートで取得したのでしょうかね。

Shinn