見出し画像

第17回新南陽CSメタゲームブレイクダウン

 第17回新南陽CSにご参加いただき大変ありがとうございました。

 今大会は64名の方にご参加いただき、おかげさまで満員御礼となりました。また、新型コロナウイルス対策のため参加者の皆様にはご不便をおかけしましたが、皆様のご協力もあり無事全日程を終えることができました。

 全大会に引き続きオンラインデッキリスト提出を実施しました。参加者の内約70%の方がご利用していただけましたが、受付番号が未記入であるなど、こちらが指定した形式に沿っていないリストも一定数ございました。オンラインデッキリスト提出の詳細は別記事にてまとめておりますので、オンラインデッキリスト提出をご利用される際はそちらを参考の上でリスト提出をよろしくおねがいします。 

・アーキタイプ分布

画像1

 筆者は新南陽CSでは主催兼ヘッドジャッジ兼スコアキーパーといくつもの役職を兼任していますが、そんな私でも予選中の対戦が開始してから数分はやることがないのでフロアを徘徊していると、目を疑うような光景を目の当たりにしました。テーブルの上には龍の刀剣や龍の面を持つ城閣が。それが数卓だけでなくいくつものテーブルに、いや、置かれていないテーブルを見つける方が困難なほどに置かれていたのです。勿論ブラフとして置かれているものもありますが、これが示すことは<ドラグナー>の大流行がここ新南陽CSにも波及してきたことです。約44%の使用率を叩き出し、28名もの参加者が龍魂の力に手を染めることとなりました。次点で使用者が多かった<カリヤドネ>と比べてもその差は歴然。最早<ドラグナー>かそれ以外かと言わざるを得ないほどの歪な勢力図を描くことになりました。<ドラグナー>以外のアーキタイプの面子は『幻龍×凶襲 ゲンムエンペラー!!!』発売に伴い<ムゲンクライム>や<カメカメンアグロ>が追加されたぐらいなもので新弾発売前と大きく変わらない結果に。また、各アーキタイプの使用者数が集中しない傾向となりました。裏を返せば、如何に<ドラグナー>へ異常な程人気が集中していたことがわかる分布となったとも言えます。
 これだけドラゴンが栄える中で遂に絶滅してしまったドラゴンもいます。そう、<ジョラゴン>です。第15回新南陽CSのメタゲームブレイクダウンでフィーチャーした本アーキタイプですが、現段階では環境に対するブレイクスルーを見いだせなかった様で、盛者必衰の理は存在することを痛感させれます。
 いつもであればいくつかのアーキタイプにフィーチャーして解説していくところだが、ここまで極端な分布だと<ドラグナー>以外の各アーキタイプにフィーチャーするよりも、<ドラグナー>と”ドラグナーに抗う者達”で二分化させた方が良いと考えたので、この2つについて詳しく解説していきます。

・ドラグナー

 今大会の予選、決勝トーナメント共に最大勢力となった<ドラグナー>。どのリストにも《ヘブンズ・フォース》や《爆龍覇 ヒビキ》《龍覇 ラブエース》が4枚採用されているのは共通でしたが、その他の採用カードはリストによって異なり、それに伴って同じアーキタイプなのにも関わらずまったく毛色の異なる挙動が行えるのもこのアーキタイプの強さの1つです。以下では、今大会で人気を集めた<赤白黒(ハムカツマン蒼)>と<赤白青(バトライループ)>の2種類の<ドラグナー>について解説していきます。

 ・赤白黒ドラグナー(ハムカツマン蒼)

画像4

 『幻龍×凶襲 ゲンムエンペラー!!!』によって《∞龍 ゲンムエンペラー》を獲得したことで以前から注目されていた《勇者の1号 ハムカツマン蒼》と《爆熱剣 バトライ刃》のコンボの出力が大幅に増加。爆発的に全国に広まった結果、新南陽CSでも予選、決勝トーナメントにおいて圧倒的な支配率を誇ることとなりました。
   このアーキタイプの売りはやはり2ターン目における《ヘブンズ・フォース》から《爆龍覇 ヒビキ》を早期に着地させ、《爆熱剣 バトライ刃》
を装備した勢いそのままに《勇者の1号 ハムカツマン蒼》に革命チェンジすることで、高確率で《ニコル・ボーラス》を初めとするパワー溢れるレインボードラゴンを降臨させる理不尽コンボを内蔵していることでしょう。その上コンボに頼らずとも、大型ドラゴン達が多投されているため《爆熱剣 バトライ刃》さえあればカードパワーで対戦相手を蹂躙してしまうほどのアンフェア性能を搭載。押し付けるデッキパワーの高さは環境随
一と言って間違いないでしょう。
 しかし、決勝トーナメント進出率は全アーキタイプ中1位であったにもかかわらずベスト8進出は0名と意外な結果に。このデッキの欠点である虹色の多さによりやや安定性に欠けている点や、メタカードへの対応力の低さが露呈した結果となりました。動きの強さの波があるアーキタイプのため、今回は勝ち上がれませんでしたが、確固たるデッキパワーを持っていることには違いないため、どのタイミングで勝ち上がってもおかしくありません。今年中は常にこのアーキタイプに対するマークは外せないでしょう。

・赤白青ドラグナー(バトライループ)

画像6

   今回は、集計の際《龍覇 グレンアイラ》が採用されていない且つ水文明の単色が採用された〈ドラグナー〉を〈赤白青ドラグナー〉としてカウントしましたが、その中でもバトライループに特化したタイプを紹介します。
   本アーキタイプは、早期に《爆熱天守 バトライ閣》を《爆熱DX バトライ武神》に龍解させると、そのまま革命チェンジ不成立によるアタックキャンセルを悪用したバトライループに突入させ、最終的に、山札のドラゴンを全て展開することができるため、《不敗のダイハード·リュウセイ》にアクセスし、シールドを全て焼き尽くすことをコンセプト且つ勝ち筋としています。
  《爆熱天守 バトライ閣》で出すことが前提のカードは《メヂカラ·コバルト·カイザー/アイド·ワイズ·シャッター》と《不敗のダイハード·リュウセイ》ぐらいなもので《爆熱剣 バトライ刃》で踏み倒すドラゴンを多投した〈赤白黒ドラグナー(ハムカツマン)〉とはコンセプトレベルで異なるデッキと言えます。《爆熱DX バトライ武神》への龍解も《龍世界〜龍の降臨する地》や《Code:1059》といったコストを支払って出すことが前提のドラゴンによって行うため、《爆熱DX バトライ武神》をフィニッシャーに据えているにも関わらず、《爆熱天守 バトライ閣》の龍解を自身の効果に依存しないことから、フィニッシュまでの動きが非常に安定していることも強みとなっています。
    今大会ではこのタイプの〈ドラグナー〉はあまり母数が伸びませんでしたが、次回以降はその安定感に惹かれ〈赤白黒ドラグナー(ハムカツマン)〉と使用者数が逆転してもおかしくはないでしょう。

・ドラグナーに抗う者達

 これだけ<ドラグナー>のデッキパワーと使用率が圧倒的だと「<ドラグナー>しか勝たん!」となりそうですが、他のアーキタイプ達も黙ってはいないようです。今大会のベスト8のアーキタイプ分布を見てみると、

8名も居たはずの<ドラグナー>が2名しかベスト8に進出していません。決勝トーナメント1回戦で<ドラグナー>のミラーマッチが2つ発生していたことも関与しているにせよ、裏を返せばそれ以外の<ドラグナー>はベスト16で全て他のアーキタイプに屈しているのです。これには何か理由があると思いリストを確認してみると、<ドラグナー>以外を選択した8名のリストは、デッキ構築の段階で明確に<ドラグナー>を意識したことが感じとれるようなリストでした。その対<ドラグナー>の構築理念を”非(バトライ)閣三原則”と勝手に題して以下で紹介していきます。

 ・非閣三原則 その壱:(バトライ)閣を出させない

画像5

 そもそも《爆熱剣 バトライ刃》を出させなければ<ドラグナー>に怯える必要はありません。それができたら苦労しないよと言いたいところです が、現代デュエル・マスターズでは3ターン目にできてしまったりします。それが《希望のジョー星》。自他共に文明を奪うこの星は文明を参照
してドラグハートを展開する<ドラグナー>のコンセプトを否定します。
 また、《爆熱剣 バトライ刃》の着地は許してしまうものの、返しのターンでカード指定除去で剥がしてしまえば出されていないのと同じこと。《希望のジョー星》が自分の首を絞めてしまうようなアーキタイプはカード指定除去を採用することで対<ドラグナー>への勝率アップに貢献する
かもしれません。

 ・非閣三原則 その弐:(バトライ)閣から踏み倒させない

画像2

 例え《爆熱天守 バトライ閣》が建設されてしまっても諦めるのはまだ早いです。どれだけドラゴンがデッキトップから降り注ごうとも、全てバトルゾーンに定着させなかったり、そもそも着地させなければ良いのですから。特に《DG~裁キノ刻~》や《洗脳センノー》は着地そのものを許さず、無色であるが故にデッキを選ばないため、《ドラグナー》対策を諦める前にまずはこれらの踏み倒しメタカードの採用を検討してみてはいかがでしょうか。

・非閣 三原則 その参:(バトライ)閣から踏み倒したやつを許さない

画像3

 2ターン目に《爆熱剣 バトライ閣》から《∞龍 ゲンムエンペラー》が降臨したらあなたは許せますか?許せないそこのあなたにおすすめなのは”侵
略ZERO”です。踏み倒しメタカードは使う前に先に踏み倒されてしまうと時すでに遅しですが、”侵略ZERO”だけは別です。発動条件は踏み倒されたターン終了時に手札に持っていることだけであることから、デッキと文明が合わなくてもタッチでの採用を検討できます。
 また、”侵略ZERO"持ちのクリーチャーは《ZEROの侵略 ブラックアウト》以外にも何種類か存在するため、それらを多投することで<ドラグナー>が踏み倒した返しに、”侵略ZERO”で大量展開してカウンターするデッキも参加者の半分が<ドラグナー>を使用する現環境ならあり得るのかもしれません。

 決勝トーナメントに進出したアーキタイプのほとんどが非閣三原則の内1つ以上の原則に合致したリストとなっていました。<ドラグナー>への対策を諦める前に、これらの非閣三原則に則ってデッキを構築できているか確認してみましょう。
 また、これら以外にも対<ドラグナー>戦略は存在するはずです。もしかしたらこの大<ドラグナー>環境に対するクリティカルなブレイクスルーがこの先見つかるかもしれません。これからの対<ドラグナー>戦略に要注目です。

・次回予告

 今月は残すところ10月25日(日)開催の第18回新南陽CSが控えております!!10月24日(土)発売の『四強集結→最強直結パック』のカードも使用可能となっております。皆様のご参加の方お待ちしております。

 また、11月も2大会開催しますので、こちらの参加表明もよろしくお願いいたします。

 10月に開催する新南陽CSにつきましては、現在の社会情勢を踏まえ、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、山口、広島、島根 の3県に在住されている方のみ参加可能とさせていただきます。3県以外でご参加を希望される方には大変申し訳ございませんが、今後の情勢次第で緩和等も検討いたしますので、ご理解の程よろしくお願いいたします。

 それでは、また次回の新南陽CSでお会いしましょう!
 

 ・第18回新南陽CS(64名:殿堂:10月25日(日))大会ページ
  参加表明受付中

 ・第19回新南陽CS(64名:殿堂:11月8日(日))大会ページ
  参加表明開始:10月25日(日)20時より

 ・第20回新南陽CS(64名:殿堂:11月22日(日))大会ページ
  参加表明開始:11月8日(日)20時より

・ベスト4デッキリスト

優勝:平井選手(赤緑バーンメア)(デッキリスト非公開)

準優勝:ジャック·ハンマー選手(赤白黒ドラグナー)

3位:F.K選手(青白ギャラクシールド)

4位:8号 選手(青単マーシャルループ)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?