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第29回新南陽CSメタゲームブレイクダウン

 第29回新南陽CSにご参加いただき大変ありがとうございました。

 今大会は58名の方にご参加いただきました。また、新型コロナウイルス対策による大会ルールの変更等参加者の皆様にはご不便をおかけしましたが、皆様のご協力もあり無事全日程を終えることができました。

 今大会からデッキリストの提出方法を紙のみとさせて頂きましたが、参加者の皆様の適応能力の高さもあり、リスト未提出でお呼び出しした方はいませんでした。しかし、受付番号が未記入であるなど、こちらが指定した形式に沿っていないリストも一定数ございました。デッキリスト提出の際は受付番号の記入を忘れずによろしくおねがいします。

・アーキタイプ分布

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 今大会で圧倒的な人気を集めたのは<ドギラゴン閃>。その中でも<赤緑青ドギラゴン閃>は使用率30%を超えており、他のアーキタイプを大幅に突き放しての使用率1位を叩き出しました。その背景には、最新弾『王来篇拡張パック第3弾 禁断龍VS禁断竜』の発売から2週間経過したことでメタゲームが定義され、それに最適化されたテンプレートとなる構築が明らかになったことが挙げられます。強いことが明らかなデッキは誰しも使いたくなるもので人気が集まったのは必然だと言えるでしょう。
 <ドギラゴン閃>に続く使用率であったのは<5C>と<ジョー星ゼロルピア>の以前から一定以上の人気を集めるアーキタイプ達ですが、その構築は最新弾によって大幅にアップデートされており、どれも打倒<ドギラゴン閃>を掲げ様々なアプローチがこらされた構築となっていました。この上位3つのアーキタイプによる三竦みが今大会のメタゲームの大枠であると言えます。その後には強力なフィニシャーである《禁断竜王 Vol-Val-8》を獲得した<ボルシャック>と新たなるメタクリーチャーとして《月砂 フロッガ-1》を獲得した<我我我>が続く形となり、<ドギラゴン閃>以外は最新弾から強化を貰えたアーキタイプが使用率の大半を占め、逆に強化を貰えなかったアーキタイプは下火となりました。

 使用率から見て環境を定義するのは<ドギラゴン閃>と最新弾で強化を貰えたアーキタイプ達であることは間違いないですが、実際に人気の集まったアーキタイプが勝っているのかは話が別です。今大会では、各アーキタイプの勝率と各勝数における人数をまとめました。

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*勝率の計算は2勝以下の勝数を一律2勝で計算しています。

圧倒的な使用率となった<ドギラゴン閃>は勝率はまさかの約45%と負け越しており、ベスト8確定である5勝ラインにも1名しか進出しておらず、使用率に対して結果は振るわなかったようです。その反面<5C>と<ジョー星ゼロルピア>の様な<ドギラゴン閃>を意識したアーキタイプは勝ち越しており、5勝ラインにも各2名ずつ到達していることから本大会において成功したアーキタイプと言っても過言ではないでしょう。また、惜しくもベスト8にはなることができませんでしたが、<ナーガstar>は驚異の勝率約67%を叩き出しており、今後のダークホースとなる可能性も秘めています。以下では使用率上位であった各アーキタイプの勝因や敗因について詳しく解説していきます。

・ドギラゴン閃

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 本アーキタイプは最新弾発売後全国各地で結果を残した結果、現環境におけるテンプレート構築を確立しました。以下の画像の38枚が固定となっており、残りの2枠が自由枠となっているものが主流となっています。自由枠に選ばれるカードとして一番人気が集まったのは《轟壊!切札MAX》で、攻守共に万能である点が一番選ばれた理由でしょう。その他にはミラーマッチや<ジョー星ゼロルピア>に対して有効な《キャンベロ <レッゾ.Star>》や追加のS・トリガーと水文明として《ドンドン・吸い込むナウ》が採用されたリストも見られました。

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 最強のテンプレート構築の発見と圧倒的な使用率にも関わらず、無念の負け越しとなってしまった本アーキタイプですが、その背景には一体何があったのでしょうか。そこで、<ドギラゴン閃>に各アーキタイプに対する勝率をまとめてみました。

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 結果を見ただけで①40%はミラーマッチ。②後に続くアーキタイプに対して負け越している。の2つがわかります。①40%はミラーマッチであるということは6回戦中約2回はミラーマッチをすることとなり、それがテンプレート構築同士の対決なら先手後手や運の要素以外で差をつけることは難しく、勝率を伸ばすことは難しいでしょう。②後に続くアーキタイプに対して負け越している理由としても同じくテンプレート構築が流行っていることが理由として考えられます。仮想的の構築がわかっているならそれを対策したデッキを使えばいいだけで、練習通りの構築で練習通りのプレイをされるだけならば勝つことは予定調和と言えるでしょう。まさにテンプレートが確立してしまったことが裏目となってしまったのです。
 負け越した二つの要因への解決策はやはり構築やプレイの再検討しかないでしょう。遂に対策される側から対策を求められる側となってしまった本アーキタイプ。今後生き残って行くためには敗北を認め、この敗北が敗北のままとならぬようチャレンジャーとして挑む姿勢が期待されます。

5C

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 本アーキタイプは最新弾『王来篇拡張パック第3弾 禁断龍VS禁断竜』によってそれ以前の構築から基盤ごと変わったといっても過言ではないほどのアップデートがなされました。その要因となったのはやはり《霊宝 ヒャクメー4》でしょう。ディスペクター限定とはいえ瞬間的に《フェアリー・ギフト》を超える4マナを捻出することで、ゲームエンド級のディスペクターの早期着地を現実的なものにしました。その為、以前から採用された《聖魔連結王 ドルファディロム》に加えて《砕慄接続 グレイトフル・ベン》や《零獄接続王 ロマノグリラ0世》のようなかなりコストが大きめのディスペクターも採用されるようになりました。更に、<ドギラゴン閃>が環境を定義している関係上《アルカディアス・モモキング》や《奇天烈 シャッフ》では防ぐことができないS・トリガーであるということも現環境での本アーキタイプの立ち位置の向上に貢献しています。
 また、《アルカディアス・モモキング》下で唱えられるS・トリガーとして、《ヘブンズ・ゲート》か《ドラゴンズ・サイン》のいずれかが全てのリストに採用されていました。今大会においては《霊宝 ヒャクメー4》や《砕慄接続 グレイトフル・ベン》を出せる《ヘブンズ・ゲート》の採用率が高い結果となりました。《霊宝 ヒャクメー4》+光のカウンタートリガーの2段構えで《ドギラゴン閃》の攻撃をシャットアウトする算段がどのリストからも感じ取れます。
 高いデッキパワーを誇り<ドギラゴン閃>も有利なことから今後人気を集めることは間違いないですが、デッキの構成上《ジョー星ゼロルピア》のような高速コンボを苦手としているため、今後それらへの対策もできれば環境の主権を握ることもそう遠い日ではないでしょう。

・ジョー星ゼロルピア

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 今大会において成功したアーキタイプといって間違いない本アーキタイプ。<ドギラゴン閃>に《ボルシャック・スーパーヒーロー/超英雄タイム》が4枚標準搭載されているという、一見向かい風に見える中で成功した理由としては最新弾にて収録された《ベイB セガ―レ》とサブプランとして採用された《∞龍 ゲンムエンペラー》の存在が大きいでしょう。《ベイB セガ―レ》は<ドギラゴン閃>の始動を大幅に遅らせることが可能なカードなため、除去を要求するカードとなります。しかし、そこで《ボルシャック・スーパーヒーロー/超英雄タイム》を使ってしまうと本命である《希望のジョー星》が置かれてしまうというジレンマを抱えており、除去したいカードは7~8枚あるのに《ボルシャック・スーパーヒーロー/超英雄タイム》は4枚と明らかに足りていません。また、《ベイB セガーレ》が《Disノメノン》では打ち取れないパワー6000であることもジレンマをより強固にしています。また両方に対処できたとしてもムゲンクライムのコストを普通に支払って《∞龍 ゲンムエンペラー》を出すことも可能であり、一度定着してしまえば<ドギラゴン閃>のデッキのほとんどは機能停止に陥ります。《希望のジョー星》がない状況においても別の勝ち筋を見出すことができるようになったことで第2、第3の矢を放ち対応を迫り続けることが可能となったこのアーキタイプは従来と比べて一つ上のステップに上がったといっても過言ではないでしょう。
 三竦みのメタゲームのなかで一つ抜けた存在であると言っても過言でない本アーキタイプですが、今のメタに対して刺さるカードが多く採用できていることが理由であるため、勝てるタイミングを見極めて使用することがベターでしょう。
 

・次回予告

 今月の新南陽CSはあと1回開催予定です。フォーマットはアドバンスで開催となっておりますのでこちらのご参加もよろしくお願いいたします。

 10月に開催する新南陽CSにつきましては、現在の社会情勢によって、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、山口県在住でない方のご参加の『自粛』をお願いする場合がございます。県外に在住の方でご参加を希望される方には大変申し訳ございませんが、ご理解の程よろしくお願いいたします。

 それでは、また次回の新南陽CSでお会いしましょう!

・第30回新南陽CS(64名:アドバンス:10月17日(日))大会ページ

  参加表明開始:10月3日(日)20時より

・第31回新南陽CS(64名:オリジナル:11月7日(日))大会ページ

  参加表明開始:10月24日(日)20時より

・第32回新南陽CS(64名:アドバンス:11月27日(土))大会ページ

  参加表明開始:11月4日(日)20時より

・ベスト4デッキリスト

1位:めありぃ 選手(赤緑青ボルシャック)

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2位:ソニーソニック 選手(赤単我我我)

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3位:shirasu 選手(赤緑青ドギラゴン閃)

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4位:ナメクジ君 選手(5Cディスペクター)

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