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僕、ナガヤマがなぜ永山運動室を始めたのか?2/3

45歳の時、「恵比寿に凄いジムがあるぞ」という噂が入ってきた。

早速僕は電話して出かけていった。そこに行くと、見た事のないトレーニング機材に囲まれながらまずはボディーチェックをした。初回はトレーニングはなかった。
数日後メニューが出来たと連絡があったのでいってみると、やった事のない意表を突かれるようなメニューが組まれていて、この時途中でバテてしまって予定されていたメニューをこなせなかった。
これが僕にとっての初めてのパーソナルトレーニングだった。そしてこのトレーニング体系は「ファンクショナルトレーニング理論」といって、この理論に非常に興味が出てきたと同時に、ほろ苦い記憶が蘇ってきた。
実は学生時代僕は体育会のテニス部にいて大学一年の時に今思うとインピンジメント(肩をあげたり動かすときに腱板や滑液包などが肩関節で“衝突したり挟まる”ことで痛みを起こしてそれ以上に動かすことができなくなる症状)でサーブが打てなくなって、学生連盟という全国の体育会テニス部の大会を運営する側に回ったというなんというか挫折の経験があって、その時にこの考え方があったら!とつい思ってしまったのだ。
ところが僕が現役の時にはこの考え方は日本には存在していない事がわかって、(もし当時存在していても知らなかったのだからどうしようもないのだが)諦めがついた。
諦めがついたのだが、なんというかまだ自分の中に熱い想いがあって、この体系を獲得したいと思っている自分がいるのに驚いた。
まあ出会ってしまったのでどうしようもないという事で、そのジムではアカデミーといって、その運動体系を教えてくれるプログラムがあったので、熱中状態になってとうとうそこのパーソナルトレーナーの資格を取得してしまった。

その資格はNASM-PES(全米スポーツ医学協会パフォーマンス・エンハンスメント・スペシャリスト)

というもので、取得は結構大変だったけれども、その時はこれを仕事にしようとは思わなかった。親しい友人や家族に伝えれば良いと思っていた。
ところがちょうど先輩が経営していた恵比寿にあるゴルフシミュレーション施設を引き継いで運営する機会に恵まれた。
そこでその場所で今まで学んで実践してきたものを実践することにした。トレーニングとスキルを一体化して提供するサービスを始めたのだ。
最初は無我夢中でいろんな人に声をかけてボティーチェックをさせてもらって、少しずつ少しずつトレーニングとゴルフのスキルに対する知見を積んでいった。
その過程でまず自分のカラダを実験台にして、ゴルフパフォーマンスを上げてみようということで、自分自身にもかなりの負荷をかけてトレーニングとラウンドをこなした。

おかげで初年度の夏

は右の足底筋膜炎になってしまいシーズンを棒に振った。やはり知見が足りなかったのだ。後になってそれはオーバーワークというものであることを知った。スキルも足りなかった。
足底筋膜炎というのは実はしんどい怪我で、基本歩くことができない。歩くと激痛が走るのだ。がしかし移動しないと生活できないので回復に時間がかかる。自分自身もこのような割と大きめの怪我をしたのは初めてだったので、懸命に他の部分のパフォーマンスを落とさないようにリハビリに励んだ。
マニアックな文献や本を見つけてきて読み込んだ。おかげで身体中を巡っている筋膜のつながりや、そのコンディショニングについてかなりの見識を持つことができた。
そして僕はいつの間にかゴルフとサーフィン対するトレーナーとしての知識については、誰にも負けない自信がついていった。
そしてどんどんカラダに対する知見を深めていくうちに、カラダは実はもの凄いシステムを持っていて、世の中の多くの人たちが、それをうまく使いこなせないまま散っていく現状に気がついた。

なぜ散ってしまうのか、死亡直前の10年間がキツい人がなぜ多いのか

考えてみた。私たちのカラダは600万年かけて進化し、石器時代=狩猟採集時代に最適化された。その後私たちは農業革命、工業革命を経て今に至る。狩猟採集時代と何が違うのか。それは「背中を丸めて屈む」生活に変わった事だ。特に現在は座ってスマートフォンという、より背中を丸める生活様式に急激に傾斜している。つまり狩猟採集時代の様式と現代の生活様式とのギャップが物凄く大きくなっているのが不幸の原因なのではと考えた。私たちは石器時代のカラダのまま、石器時代以降を生きてしまっているので現代のライフスタイルが人々を弱らせているのではと仮説したのだ。
そしてその石器時代のカラダの機能を蘇らせるのがファンクショナル・トレーニング理論であるのだ。
また栄養についてもあまり正確な情報を持たないままうつろいやすいトレンドに振り回されている事にも気がついた。
よく考えてみると運動と食事について私たちは学校で系統だって学んできていない。早速僕は栄養を学んだ。この分野はここ15年でかなり進化している。当時はわからなかったのだろう。
そこでわかったことは栄養とは大きな循環であることだった。
まず植物が太陽エネルギーを使って水と二酸化炭素を結合させて炭水化物を作り出す。炭水化物は糖質と食物繊維で構成されていてそれを生物がそれを食べグルコース等のエネルギーに変え活動する。
そして余ったエネルギーは脂肪として一時保管する。生物は寿命が尽きるとまた地球に返却していく。炭水化物は太陽エネルギーの凝縮物、脂肪はその濃縮物なのだ。沢山食べれば太る。近道は無いのだ。
またも学習して日本栄養コンシェルジュ協会の資格をとった。
そして僕は運動と栄養の専門家の入り口にたった。

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