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遺伝子信仰

僕が勝手に名付けたものですが、みんな、特に日本人は、この信仰を信じて疑わないですよね。

人はみな、結婚し子供を産み育てて、それこそが1番の幸せであり、この世に生を受けた意味だと言う。

人の命には限りがあり、世の中を循環させていく為に、命を繋げていく事は重要な事である事はごもっとも。それは充分に理解しております。

しかし、世の中の人全員が、その役割を与えられている訳ではない事も確かな事。
前回の記事にも書きましたが、この世の中、最大限に努力しても叶わない事なんてありふれていて、それは、その人の人生に用意されていないシナリオだからと書きました。

まさにその通りで、子供を授かるのを願い、その為の行動と努力をしても叶わない人も大勢おられるし、身体的な事で不可能な方たちもおられます。

実は僕も結婚して20年ほど経ち妻との関係も、すこぶる良好なんですが(自分だけが思ってるだけかも汗)、子宝には恵まれませんでした。

その為の最大限の努力をしたかと問われると正直言いますが、しておりません。

この事で多くの人に「ちゃんと病院に行って検査しなさい、不妊の治療もあるのよ」と言われた時期もありました。

しかし僕らはそうしませんでした。決して子供を産むつもりがないとか、子供が嫌いという訳でもなく、むしろ2人とも子供が好きだし、妻の生理が遅れる度に「できたんだじゃない」って嬉しくなり、まだ確定した訳でもないのに「男の子なら何なに、女の子なら何なに」と子供の名前を考えるのに、はしゃいだ事もありました。

しかし僕らは特に病院にいく事もなく不妊治療する事なく現在に至り夫婦2人と愛犬2頭との生活に幸せを感じ日々楽しく生活しております。

僕ら夫婦が共通して思うのは、やはり自然に任せるべきとの考えと、妻のおばあちゃんからの言葉からでした。

おばあちゃんは今はもう亡くなってしまい、この世にはおられませんが生前「いる子に泣くより、いない子に泣いた方がいい」ってよく言ってくれました。この言葉は僕らにとって、とても暖かくて優しい言葉でした。

自然に任せた事で揉め事が起きた事も亀裂が走った事もなく極めて平和に過ごしており、授からなかった事に関しては僕ら夫婦の間には生まれてくるべき命がなかっただけと考えております。

それに、どうしても子供を育てたいと強く願うなら、この国ではハードルが高い事になってしまいますが、自分たちの遺伝子を持つ子だけが自分の子では無く、自分たちの遺伝子を待たない子でも良いと思ってます。

血の繋がりだけが全てでは無いと思っていて、現に妻とは血の繋がり以上の絆を築いている自負があります。

そして、血の繋がりがある親よりも血の繋がりのない友人たちの方が自分を良く理解してくれ、太い絆で結ばれている実感があり、家族になるのに遺伝子、血の繋がりは全く関係ないものだと思います。

当然愛犬2頭との血の繋がりは無いけど、彼らの存在は僕ら夫婦にとって、かけがえのない大切なもので、はっきりと「家族」と言えるものだと思ってます。

「十人十色」人の数だけ、そこには幸せの種類はあり、それを自由に選択できる権利はみんな持っていると思います。

#子なし夫婦

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