23.大みそかの思い出

12月6日
 今日は、少し早いが大みそかの思い出について書こうと思う。クリスマスもまだなのに。

A面、大みそかの思い出
 親父と絶縁する前は、地元の寺の除夜の鐘を鳴らしに行っていた。大掃除を済ませて、年越しそばを食べて、紅白歌合戦をBGMに年賀状の残りを印刷する作業をしていた。
 A面は、小学五年生のころから書院のワープロで年賀状作りを任された。書院はA面が高校に上がるまで使われた。その後WindowsVistaに買い替え、高校生になってからは年賀状作りのバイト代が出て、三千円ほどもらえた。うちは年賀状がゆっくりの家であった。
 出来上がった年賀状を片手に除夜の鐘をつきに行く。寺までの道に青い街灯があり、それが怖かった。
 除夜の鐘を鳴らすときは、和尚が鐘の残響が止むのを待ってくれる。合掌して一年の汚れを落とす。冷たい空に響く金の音はまろやかに年末を包んでいた。
 親元を離れられた中学三年の大晦日、A面は九州にいた。祖父母の家で大掃除を済ませた後、おせちの買い出しに行き、紅白歌合戦をテレビで流しつつ、おせちの詰め込みを手伝う。
 陶器のお重にいろんな縁起物を詰め込んでいく。色寒天を詰め込んだ。ピンクと緑の寒天を入れるのだ。どこの文化なのかと調べると何と新潟。
 もう一つ謎なものがある。名前は分からないのだが、紅白のババロアのようなものだ。これの名前を忘れたが、九州のおせちは全体的に甘い。
 社会人になって初めての九州での大晦日は、買い出しの手伝いから始まった。駅ビル的なところまで歩いて買い出しに行く。車などはない。約二kmを歩いて往復する。
 魚のサクやかまぼこ、お雑煮(具雑煮のようなもの)の用意、おつまみなどを買い込み、歩いて帰った。
 かまぼこを切りながらお重に詰め込んでいく。今回は速水もこみちさんのお重があるので、かまぼこや、寒天、あのババロアのようなものを詰め込んでいった。もちろん紅白をBGMにして。面白いことにラジオを付けながらテレビでも見ているので、謎のステレオ感を味わうことになった。その後ろで祖母が具雑煮を作っていく。
 さて、九州の我が家は、初日の出の名所である。お寺もそこにはあるので、新年のあいさつに訪れる人も多い。ひっきりなしに続く人の足音を間近に聞きながら眠る。眠れなかったのでイヤホンで音楽を聴きながら眠りについた。
 

B面、大みそかの思い出
 B面は以前コンビニでバイトをしていた。年末年始の雰囲気が嫌いなB面は、大みそかにバイトを入れていた。
 客足が減った深夜、店長がビールと廃棄になった笹かまをもってきた。お祝いに、というのだ。B面は酒に弱い。
 その後の接客では、小銭をつかめなくなるなどの微細運動ができなくなり、「これがアルコールの力か」と思い知った。というのが大みそかの思い出。

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