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全員チャンスは平等、全部員を使ってレベルアップ

僕らが入学したときは新設校であったため1学年上の先輩しかいなかった。部員数は60人ほどだったと思う。それでも多い。

野球部の方針として全部員にチャンスがある。全部員が試合経験を積みレベルアップする。
このスタイルであったため、仲良い学校や部員を多く抱えている学校は自校のグラウンドを使用して1日4試合が当たり前だ。全部員が出場するアピールの場を逃すわけにはいかない。

いつ試合出るかわからないというときは、調整しずらいがどこの試合でスタメンなのかは決まっている。当然そこに合わせればいいだけだから、やりやすい。常に活躍するために、「自立」は日頃からうちの学校では求められていた。もちろん結果出せないこともあるが、これが続くなら準備不足か普段の練習をサボっている証拠。

自分は3試合目、4試合目に出場することが多かった。
サボってはいないのだが、単純な実力不足。世田谷西シニアという強いチームで取り組んでいたのに、軟式組の方が上手い。悔しかった。高校でも活躍するために父にお願いして、硬式野球をさせてもらったのに。

ふてくされたり、態度に出すと有馬先生は容赦なく罵声を浴びせる。
とにかく気持ちが弱い奴はダメだとずっと言っていたので、そのような部分が見えたら即交代。自分も1年生の時は何度も何度も交代された。「荷物まとめて帰れ!」

だが、翌日の試合では何食わぬ顔で平気で試合に出す。
当然ここで有馬先生から言われたことを改善して取り組めるのか、何も感じていないのかはわからない。

当時の総合工科は新設校であり、意欲溢れた学校であった。
試合出場に飢えている部員も多かったように思える。有馬先生のスタイルにはすぐには慣れなかったがずっと言われると「このままでいいのか」と思うようになる。有馬先生が怒鳴るには当然理由がある。学校でも怒ってばかりいたら、そりゃ部員も離れる(笑)

一番の理由は
「生徒のナニクソを引き出したい」

冒頭でも話したが、都立に集まる生徒は私立へ憧れがあったが行けなかった生徒の集まり。全員とは言わないが。
だからおとなしいままでは、帝京や日大三という強豪には勝てないよという有馬先生のメッセージ。

ここがわかったのは1年生の冬頃。正直気づくのが遅かった。

勉強も中途半端だった自分は、ここまで目立つ結果を残せず勉強でも赤点を取り、練習に参加できないこともあった。

趣味で中学生から大好きな野球雑誌購入しては擦り切れるほどよく読んでいた。そこに書いてあったある有名監督の言葉を思い出した。

「学校の勉強が中途半端な生徒は野球でも結果は出せないですね」

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