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SDGs時代に必須となるセンスアウトマーケティングと事業創出 / Sense Out Marketing

まえ書き

2015年にSDGsが採択されてから、事業創出における社会性の事業性の両立について追求を続けており、2018年以降、熱く語ってきたセンスアウトマーケティング
様々な社会課題に向き合わなければいけない今の時代だからこそ、実はリサーチファーストではなく、自分の「感覚」や「好き」を起点に事業に挑戦をしていかなければ、大きなソーシャルインパクトを生み出していけないという考え。
センスアウトはこれまで、O ltd. での事業開発支援やソーシャルイノベーション支援、早稲田MBAのソーシャルイノベーションのクラス、Social Out Tokyo'18 のプロジェクト、ハフポストライブでの講演、IDEAS FOR GOODのワークショップなどでも紹介をしてきましたが、
もっと多くの皆さんに参考にしてもらった方が、社会にお役立ちできるのではないかと思い、一旦、概要を紹介します。
経営企画や事業開発系の皆さま、参考にしてください。


プロダクトアウト-マーケットイン の時代から、 センスアウト-ソーシャルイン の時代へ

2015年にSDGsが採択され、ビジネスにおける社会性と事業性の両立がますます重要になってきた現代、戦後のマーケティングの概念であった Product Out – Market In では、事業創出は成り立りたなくなっています。

そしてSDGs時代では、「企業」と「市場」の関係性である Product Out–Market In のサイクルで事業を検討するのではなく、企業のさらに内にある「個人」と、市場のさらに外にある「社会」にフォーカスをした 【 Sense Out – Social In 】の概念でマーケティングを捉えて事業創出をしていくことが必須となります。

社会性、社会課題の解決が重要なんだから Social In はわかるんだけど、なぜSense Out ? と思われるかも知れませんが、これからは、これまで以上に社会性も意識すしなければいけないというに難易度の高い事業創出が求められるからこそ、それを推し進めるヒトである個人の想い無ければ、社会実装までやり切れません。

これは僕自身が、メーカーのイントレプレナーとして10年間活躍してきた経験、その後、多くの業界大手企業さまやベンチャー企業さまの事業創出を支援させてもらってきた経験による確信の1つでもありますが、その具体を以下に書いていきます。

O ltd. の Sense Out Model(センスアウトモデル)

センスアウトモデル(Sense Out Model )/ O ltd. 公式サイトより



センスアウト-ソーシャルインが必須となる理由

Sense Out - Social In が必須になる理由は3つあります
1. これからの事業は社会性を意識しないと市場に受け入れられないから
2. リサーチによるロジカルな解の未来はレッドオーシャンだから
3. 深く自分ごと化をしていないと最後までやりきれないから


1. これからの事業は社会性を意識しないと市場に受け入れられないから

これは言わずもがななのであまり詳しく書きませんが、地球環境なしに人間の生活は送れないし、2016年から欧米を中心に、サーキュラーエコノミーも世界的に広がっている。
日本においてはその潮流自体は世界から遅れていますが、GDP偏重時代が終焉を迎えて、これからはドーナツ経済(定常経済みたいなもの)の考えが力を伸ばしていくのは明らか。
近年の日本の若者の意識を見てみても、今は戦後のように大手に就職して終身雇用みたいな形が成功パターンだとは思っていないし、そもそも終身雇用が現実的だとは思っていない中で、働く意義は明らかに「社会性」にシフトしている。
その辺は、ソーシャルベンチャーに挑戦する若者が後をたたなかったり、2017年に漫画「君たちはどう生きるか」が大ヒットしたのも、その片鱗。
そのような社会の価値観にシフトしていく中で、経済性の視点である Product Out-Market In だけでマーケティングを議論していたら、完全に時代に取り残されてしまいます。

参考:ドーナツ経済学が世界を救う

参考:君たちはどう生きるか



2. リサーチによるロジカルな解の未来はレッドオーシャンだから

これも多くの(特に大手の)新規事業担当者に言いたいんですが、新規事業検討の最もよくある失敗パターンの1つは「とりあえずマーケティングリサーチから入る」こと。
良く考えてください。マーケティングリサーチで得られる情報とか、リサーチ会社に依頼して出てくる情報って、調べれば全員が行きつく情報なんですよ。( マーケターの方であればリサーチは、基本的に実施する前から想像できて結果しか出てこないことは、本当は分かっているはず。)
なのに、リサーチファーストで事業を検討するというはナンセンスです。

もう少し言うと、これからこういう市場が伸びますとか、こんな技術が生まれてきますとか、特に環境分析(PEST)系の情報は全員が同じ情報や結論に行き着くので、みんなその領域に挑戦するんですよね。
そんな情報を元にビジネスを検討していたら、今はプレイヤーがいなくても、未来は確実に競合がひしめくレッドオーシャンになります笑

「新商品・新サービス開発」であれば、Product Out - Market In やマーケティングリサーチが機能するんですが、「事業開発」ではそうはいかない。
事業開発におけるマーケティングリサーチは、マーケターの「仮説」ありきで、それを客観的に示したり、経営者や株主に説明をするための情報獲得のために使うもの。

リサーチファーストではなくて、「仮説」ファースト。

もちろん、伸びる市場を調べてそのシェアを幾らか取る!みたいな考えもあるんですが、実際にはそんなことは皆さんがやらなくても社会の中で勝手に進んでいく訳であって、
皆さんイントレプレナーやアントレプレナーを語るのであれば、もっとあるべき社会を創造していきたいじゃないですか。

そうすると、リサーチから出てくる情報ファーストではなく、そもそも本当に未来にあるべき新たな社会の構想から入って、その社会を実現していくために、「市場の創造」とそこで貢献する「事業の創造」を同時にアプローチしていく位の意気込みを持って、チャレンジしていきたいですよね。

では、そのマーケターの「仮説」自体はどこから生み出していくのか。
そのヒントが、次章と Sense Out-Social In にあります。


3. 深く自分ごと化をしていないと最後までやりきれないから

最後になりましたが、これが一番重要です。

前章では、リサーチファーストがダメな理由は、そもそもリサーチの先に大した答えは存在しないし、さらには未来のレッドオーシャンだからと書きましたが、実はもっと重要なことがありまして、
それは、リサーチファーストだと事業開発者の「自分ごと」にならないと言うことです。

モノやサービスさえできれば売り上げが上がる「商品開発」とは違って、「事業開発」はかなり大変です。
全然思い通り行かない中で、色々と間違いながら 、修正をしながら、PDCAを回しながら、成功するまで走り続けなければいけない。
( O ltd. 事業創出PDCAモデル参照 )

O ltd. 事業創出PDCAモデル

O ltd. 事業創出PDCAモデル / O ltd. 公式サイトより

なのに、様々な大手企業様の新規事業支援をしていても、
「これからアクティブシニアの市場が伸びます!会社としてここをやっていくべきです!」みたいな話はあるんですが、
「それ、あなたが自分の人生をかけてやりたいですか?」と言うと、そうではなかったりする。
「僕がやりたいかどうかは別として、会社としてはやるべきだと思います!」みたいな、他責な気持ちで新規事業に着手して、めちゃめちゃ大変な事業開発をやり切れる訳がない!
これがリサーチファースト(他責)の一番の問題です。

さら言うと、今、世の中に残されている社会課題は、これまでの歴史の中でビジネスで解決してこれなかったものだと言えます。
例えば、冷蔵庫でも、洗濯機でも、カップラーメンで、社会課題に対してビジネスになるものであれば、商品やサービスを通じてその社会課題はすでに定常的に解決されている状態になっている訳なので、残っている社会課題は、そうではなかったと言うことです。

例えば、環境問題でも、マイノリティでも、患者数の少ない病気の薬でも、貧困国の生活インフラでも、
事業性が一見低かったり、市場が小さかったり、めちゃめちゃ面倒であったり、法律上手をつけられなかったり、一社だけでは解決できないのでコレクティブインパクトが必要だったり、そういうものが社会課題として現代に残っている。
そんな、通常よりもさらに大変な、SDGs時代のソーシャルビジネスを本気で実現していこうとすると、リサーチという外から与えられた「他責」起点ではやり切れなくて、やっぱり個人の内にある想いや利己から「自責」起点でスタートをすることがどうしても必須になるという訳です。


センスアウトの位置付け

このように、自分の中から起点を生み出すことを「センスアウト(Sense Out)」と言っています訳ですが、このような話をすると、何か特別な原体験や「貧困国を助けたい!」みたいな高尚な想いやビジョンが必要だと思われる方も多いです。
でも僕は、一般的に言われているようななくてもいいと思っています。

そのようなビジョンが本当にその人の心の中に、本音としてあれば美しいし一番理想なんですが、そうではなくてもいい。
実はスマイルズの遠山さんみたいに「OLが街中で暖かいスープを飲んでいる未来の日常ってステキ」→ なのでスープストック!みたいなある意味天才的な発想でもいいし、もっとシンプルに「これがめっちゃ好きだからやりたい!」とか、もっと低次な欲求で「モテたい!」でもいいかと思っています。
( 低次な欲求ほど人間の根源的な欲求だったりもするので、推進力として強い場合もある。)

重要なのは「自責」で、ヒトから言われたなどではなくて、自分の中の感覚から出すこと。(なのでネーミングも、ビジョンアウトなどではなく、センスアウトという名前にしています。)そして会社から言われたからとかではなくて、会社がやるなと言っていていも「自分の人生の時間を使ってこれをやりたい!」と思って進められるかどうか。

これは、これまでの歴史上の事実をみても明らかで、例えばG SHOCKでも、マザーハウスでも、ヘラルボニーでも、会社からやめとけと言われても、周りの人から無理だと言われても、誰に何を言われても「そんなの関係ねぇ!」っと言って、進めちゃう人が新たな新規事業やイノベーションを生み出してきているんです。
(僕はそれを「そんなの関係ねぇ!」マーケティングと言っていますが、何かどこかで小島よしおさんとコラボしたい笑)

ただ一方でその先を考えると、実際には利己だけではビジネスにならない(つまり、社会貢献をサステナブルに継続できない)。
そして、上記で語ったように今は社会性のないビジネスは受け入れられないので、次のフェーズでは戦後のプロダクトアウト-マーケットインと同じように、センスアウト-ソーシャルインの卵-鶏論をぐるぐる回しながら、利己の先にきちんと社会的価値(利他や社会性)を結びつけて、ビジネスというエコシステムを創り上げていくことが重要になります。

Sense Out Model(センスアウトモデル) 

センスアウトモデル(Sense Out Model )/ O ltd. 公式サイトより

この辺は、今、世の中にある事業開発のノウハウの延長で実

現できますし、ここには書きませんが、また機会や質問があれば、この辺のノウハウも書いていこうと思います。
(以下、本記事に関係した過去のプロジェクトや記事の一部を掲載しますので、こちらも参考にしてくださいませ!)


過去のプロジェクト・記事を一部紹介

■ ハフポストライブ( 2020.09.25 )

考えよう、これからの暮らし。」 ニューノーマルな時代の事業創造とは?


■ Social Out Tokyo ( 2018.05-2018.12 )

センスアウトマーケティングのベースとなったソーシャルビジネスの共創プロジェクトです


■ 判断軸は『それってワクワクできるの?』 / 2018.07.04

■ 「SOCIAL OUT TOKYO」というイノベーション / 2018.07.11

■ 研究職から戦略プランナーへ / 2018.07.18

■ “経営レイヤー”からすべてを俯瞰する / 2018.07.25


あと書き

今回、一旦「SDGs時代に必須となるセンスアウトマーケティングと事業創出」と言う視点で概要を書きましたが、 さらに詳細、深い部分、背景などはさすがに記事では書ききれませんので、ご興味がある方はお気軽にご連絡くださいませ^^


<このnoteを書いた人>
Shinji OHATA / 大畑慎治
FB @cocochikun ,  TW @cocochikun , IG @shinji_ohata

メーカーのイントレプレナー、ブランドコンサルファームの戦略プランナー、新規事業コンサルファームのグループディレクター、ソーシャルクリエイティブグループ AMD ltd. の執行役員を歴任。
現在は、O ltd. 代表、早稲田MBA ソーシャルイノベーション講師、Makaira Art&Design ソーシャルマエストロ、マカイラ 事業&ブランド開発プロデューサー、 IDEAS FOR GOOD Business Design Lab. アドバイザリーボード、おてつたび ゆる顧問など兼務。

2016年以降はソーシャルグッドの社会実装にも注力し、 SDGs、エシカル、サスティナビリティ、サーキュラーエコノミーに関する経営変革、事業・ブランド・エリアの開発、共創プロジェクト Social Out Tokyo のプロデュースなどを手がける。
大阪大学大学院 工学修士、宝塚造形芸術大学大学院 MBA in Design。

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