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職人泣かせの自分

久しぶりに、せっ器質細ボーダー20x200mmを施工した。
今回は、内装の階段室吹き抜け壁面です。
外装の壁面と違って、インテリアとしての壁であるし、
後で酸洗いのクリーニングができないこともあり、
いかに汚さないで、一発で手直し無しの美しい壁面に仕上げる
かが課題でした。

20mm幅のタイルに対して、ブリック目地20mm。
いつもの手慣れたメンバー(職人)で、タイル張りも目地も
施工しましたが、手の入らない鉄骨部分の壁に皆、困惑。
施主様と建築士に直接決めていただいた私としては、ここでこそ
職人の意地の見せどころ。なにごとも無かったかのように、
不可能を可能にして(できる限り)納めることが美しい事
だと燃えてくるのです。

管理者の私が、いつも手出ししてしまうので(やれちゃうので仕方ない)
やらざるを得ないことなのでしょうが、、、。(笑)

壁面と鉄骨の隙間やく4cm

それで、今回の課題は、目地。

いつも通り施工すれば、特に問題無いことなのですが、
より今回の内装の壁面として、階段室の照明映えとしても迷いが続き、
施工当日、いや一部掻き落としが始まってでも結論を出せずにいました。

朝から現場に乗り込んで、目地の職長に指示を出して「あとは、よろしく!」って帰っても良いのはわかっているど、自分が100%納得するには、仕上がりを確認してからやっと安心できるのです。そのぐらい、仕上がりの差が生じる難しさがあります。

そりゃあそうですよね。最終的なゴールの完璧な仕上がりの結論を、今回施主さんや建築士にあるというよりは、なんども施工してよりイメージに叶った美しい結末をどこに求めるかという、私自身の決め事なのですから。

経営者がいつまでも、現場に張り付いていたら効率悪いですよね。いつも心のなかで、「何してんの?いつまでこだわってんの?」と自分に言われる心の声との葛藤なのです。

仕方が無いですね。今までこうやってきましたから、、、。

すべてとは、言えませんが、20mmボーダーの20mm目地の仕上げは、より計画的施工でなければ完成度は保てません。

チューブ目地は、タイル面をほぼ汚しません。中から充填盛上、技術ですね。さすが。

今回、迷っていた内容は、チューブ充填後の乾燥盛上目地を、どの方法で掻き落とすかと言う事です。
なんで、そんな事? ってな感じでしょうが、全然見た目が違うのです。

20mm目地 二瀬窯業 ブリックモルタルDS-07

できるだけ薄めの刃で、ボーダー2枚以上一度に書き落とせる幅のヘラで、下記画像のどちらではみ出した目地取りをするかで仕上がりが分かれます。

A:矢印の方向にヘラで掻き落としの場合(実際は、定規では無いですよ。)
B:へらで矢印の方向にすくい取るように目地切をする。

A:は、よりざらついた仕上がりと毛羽立ちな仕上がり。

B:は、ナイフで切り取ったような骨材のクレーターが残る、より均一な精度の高い平滑な仕上がり。

以上の異なりが生じます。

今回は、Bを最終的に選びました。内装壁にて雨水が関係しないので、細かなクレーターが20mm目地の中に細かく残り、柔らかい表情そして陰影を与えてくれます。

毛羽立ち感なく、より平滑にクレーターが残る。

結局、面白く夢中になってしまった事もあり、下処理仕事を職長に、掻き取り作業を7割以上私自身が施工してしまいました。(笑)
職長もいつものことだと、呆れ顔でもあり、任せられ感もありで、結果的に納得するまで現場を離れなかったことは正解でありました。

ほぼ、汚れ感も無く、1週間後の目地硬化時期にブラシで余分な目地落ちを施して終了となります。

目地硬化後、ブラシ仕上げにて完成の壁面

工程を方法をより吟味して、納得の結果が現れる。職人泣かせの自分の作業を切り取ってみました。

いやだよねーっ!職人は。(気性だからしかたがないよ。)


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