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Life feat.bird

2000年の春に書いた曲

当時、世田谷区用賀にあったの自宅の階下に借りた部屋をスタジオとして使っていた。詳細は割愛するけど、
この曲はbirdが作詞に取り掛かる前にタイトルが決まっていた。

更に話すとANAのTVCFの曲になることも決まっていた。いろんな思いや状況が重なった曲で何日も睡眠を削ってデモを形にしていった。

「MG4」の中で最初に出来た曲であり、
90年代のMONDO GROSSOとの決別の曲でもある。

当時はAKAI MPC3000を使って音を作っていて、
”アイデアを出しては捨てる”を繰り返した。


数日間でおぼろげな方向が定まったのち、ギターの田中義人とスタジオに詰めて曲の骨組みが出来上がった。
しかし、そこからメロディを完成させるのに相当な時間を費やした。

当時、仮歌を誰かに頼むこともしておらず、MIDIピアノ音源をたどたどしい右手で弾いては記録する繰り返しで、
微妙な歌いまわしをもピアノで表現しようと最善を尽くした。

そんな夜を何日間も超えたある日の深夜、
やっと満足のいくメロディが出来た。

そのまま担当のコンディに会いに行った。
狛江市のある大きな病院の駐車場に車を駐めて大音量で二人で聞いた。
何度も聞いた。
そして二人で泣いた。
理由はふせる。
空はもう白み始めていた。


ハーマン・カードンの
サブウーファーが備わった
大きな英国製オフロード車の
大きな窓を全開にして、
寒さの残る春の明け方に、
出来上がったばかりの、
下手くそなピアノメロの入った
Lifeの原型を爆音で聞きながら
帰路についた。

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