Amazonのホーム セキュリティ アプローチ:「Astro」ホームロボット
米Amazon が 2021年のハードウェア イベントで発表した「Astro」ホームロボットが一般発売前にもかかわらず進化しています。
Astro は宅内を自走する「Alexa」といったパッケージの製品でしたが、昨年 (2022年) 9月に同じく米Amazon が提供する「Ring」ホーム セキュリティ システムとの統合が発表され、家の中を動き回って部屋や玄関、窓などを監視し、開けられたらアラートを通知する機能や、ペットを見守り、その様子を動画でスマフォなどに配信することも可能となり、自宅内をモニタリングする新しい機能が提供されました。
ホームロボットには日本で人気のあるコミュニケーションや癒しを目的としたタイプと、Astro や米 iRobotの Roomba のような家事サポート目的のタイプがあります。米国では前者のホームロボットはあまり耳にしませんが、家事サポート ロボットはとても人気があります。
Astroが登場した当時からユーザー リビューは賛否両論で、R2-D2 に例えて自立移動するアシスタントとしての高評価のユーザーがいる反面、人の後をついて回るだけの不気味ささえ感じるユーザーもいたようです。
Astro のキャッチコピーは "Make home life more comfortable and entertaining" (ホームライフをより快適に、より楽しく) で、AIやコンピュータビジョン機能を搭載し、自分の位置や周囲の状況を把握しつつ (SLAM) 階段や段差などの高低差には対応していませんが車輪による走行機構による自律移動に加えて、スマフォやタブレットなどのアプリによる遠隔操作も可能なホームモニタリング ロボットです。
ディスプレイで顔のように表情を変えたりメッセージを表示したりすることができることに加え、ディスプレイやマイクを使ってビデオ通話や部屋の様子のライブビューのほか Alexaと連携が可能、さらにカメラを使って冷蔵庫の中や棚の上などの高さの違う場所を見ることができます。
Ring との統合により、家族と認識できない人を識別したり見守りサービスにも活用できるホームモニタリング ロボットに進化しました。
招待制の初回 "Day 1 Edition" は $999で提供されていますが、現在は $1,599.99となっています。
今回のホーム セキュリティ システムとの統合により、自立移動するホームロボットの新たな課題が表面化してきました。私たちが家庭用ロボットとどのように接すべきかに加え、Amazon のような一企業が私たちの私生活にどこまで関与することを許すべきなのか。Amazon は Astro の開発初期からユーザーのプライバシーを考慮したアプローチをとってきているとしていますが、Web3 でも大きな焦点となっている情報の集中と独占は Astro でも共通の課題と思います。
いろいろな意味で Astroはホーム セキュリティ及び見守りサービス分野において今後重要な位置付けとなる可能性を秘めていると思います。
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