ドラマの作り方が変わっている気がする

好きなドラマは
■「オレンジデイズ」(2004)

■「ハケンの品格」(2007)

など、昔のドラマが好きなのですが、最近のドラマを見てふと
「以前とドラマの展開が違う...?」
と感じました。

昔、2000年代前半までは1クール(10~12話)をかけて盛り上がっていく、いわゆる最後に盛り上がりを持ってくる「クライマックス法」が主流だったと思います(8~9話辺りを見逃して展開が分からなくなって悔しい思いをした記憶あります...)
その為、「月9=フジテレビ」のようにその時間帯のイメージを取れれば視聴率が伸びるような風潮だったように思えます。

最近、2010年代後半は1話目もっというと1話目の冒頭10分に興味を引く内容を持ってきて1話の中でも二転三転と話の店舗が変わる手法が主流になっているように思います。

■「中学聖日記」(2018)

■「逃げるは恥だが役に立つ」(2016)

など、最近見たものですが、そのように感じました。

細かいカットの入れ方も、悪く言えば無駄な、よく言えば深みを出すものが減っていてライトに観れる作風が増えました。

この作風の変化なんで起こったのか考察してみました。

理由1:ネットコンテンツの台頭による短時間消費の定着、競合コンテンツの増加

スマホの普及を背景に、YoutubeやInstagram、Tiktokなど20分以内でテンポ良く見れるコンテンツが増えた影響で、視聴者がテンポが単調なことに耐えられなくなってきていることが大きいのではないのかと思います。
また、テレビのチャンネル同士での視聴者の獲り合いから、
チャンネル同士、Youtube、ビデオオンデマンドなど競合が爆発的に増えました。
その為テンポの良いコンテンツに視聴を奪われないようにテンポと興味を引く内容を細かく入れる必要が出てきたのではないでしょうか。

理由2:重い作風が創りづらくなった

インターネットとSNSの普及に伴い、物議をかもす作品も増えていきました。
特に社会的タブーを扱う作品は創りづらくなり、作中の表現も気を遣うようになりました。その為、深みを出すカットを入れるリスクが高くなり、最低限必要なカットのみの構成になりつつあるのではないでしょうか。
重い作風なほど文脈が大事になります。短いコンテンツが主流で、部分的な視聴などが増える中、炎上を避けるとなると致し方ないことなのでしょう。

理由3:予算とクリエイターの問題?

これは完全に憶測ですが、上記の理由によるドラマの視聴率低下や予算削減によりいわゆる仕込み回を組みづらくなったり、
テンポの良いコンテンツが主流になった為、クリエイター側も長期的な作品を作る機会や能力が失われつつから作品が出来づらくなったのではないでしょうか。
映画作品でも2~3時間なので、ドラマのような10~12時間かけた流れと1時間ごとの流れを両立した作品作りをする機会は中々ないのでは?と思いました。ぜひ中の人に会ったら聞いてみたいです。

では、今後どうなる?

では今後ドラマの主流はどうなるのでしょうか。
予想では1話が30分程度で~8話程度完結の作品が増えると思います。
理由は2つ。
1つ目はマネタイズの変更による作風の自由化の促進
これまでのドラマごとにCMで広告収入を得る形から、視聴者からの課金、プラットフォーム全体での広告収入で売り上げを立てる形になります。
(放送前にマーケティングと広告で注目度集める形になりそう)
その為、プラットフォーム全体でPV稼いで当たり作品が出ればよくなるので、長期的な作品も作りやすくなります。

しかし、テンポの良い作品が好まれるのは今後も続くと思われます。これが2つ目の理由です。
その結果、1話は短時間で観れる20~30分程度、全体としてもクールの縛りがなくなり作品の回転率を上げるために4~8話(週1放送で1,2か月ほど)で終わるようになるかと。
もちろん、当たれば延長や続編など長期化していくと思われますが、その場合も、1話は短く完結するものを展開していくと思われます。(いわゆるこち亀方式)

どうなるにしてもいい作品は産まれてくるのが楽しみです。
社会人になって気づきましたが長時間じっくり作り上げる作品も味があっていいですね。

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