【絵日記】『スカイリム二重人格ロールプレイの旅』第3話(まげま編)
この記事の本編は無料で読めます。スキボタン&フォローよろしく!
人気漫画のモブとして登場する謎のおじさん「吉田輝和」と、どうぶつ系ダークファンタジーギャグ漫画『ヴァンパイアハンター・トド丸』の原作者「まげま」が送る狂気のゲームプレイ絵日記企画。二人は、PC版『The Elder Scrolls V: Skyrim SPECIAL EDITION』のセーブデータを共有し、それぞれ異なる人格でロールプレイを行っていく。
二人は相手の絵日記を見てはいけない。
吉田輝和はまげまが何を考えているのかわからない。まげまは吉田輝和が何の目的で行動しているのかわからない。互いが起こした行動の結果でそれを推理するしかない。
二人の行動や思考を把握できるのは、この絵日記を読んでいるあなただけ――
■吉田輝和を騙しながら鍛える日々が始まった
目を覚ますと、目を背けたくなる惨状が広がっていた。
俺が集めた酒や食べ物は散乱していたし、右手からはなんか火を放っていた。さらに俺はパンツ一丁ときたもんだ。
この惨状の犯人は、俺のもうひとりの人格である吉田輝和だ。あいつは俺が眠っている間に麻薬の類……おそらくスクゥーマをキメて凶行に至ったのだろう。いや絶対にそうだ。
今度は一体何をやらかしたんだ?死人は出ていないだろうか?泣き叫ぶ婦女子はどこだ?殺気立つ声をあげる衛兵の姿は?輝和、お前は一体何をしたいんだ?
……いや、パニックになってはダメだ。こんな時だからこそ冷静になるべきだろう。
奴が残した書き置きには「はだかからやりなおせ」と記されていた。
俺は、輝和の気持ちはわからないが、書き置きからは上から目線のニュアンスが含まれていた。
うむ、スクゥーマをキメて世界の真理を理解したつもりになって、こんな凶行に至ったのだろうと思う。こういう自分が全て正しいと思ってる奴は危険だ。ここは上っ面だけ従うのが利口だろう。
ところでこの火は……魔法だろうか?
輝和のことだ。おそらく、楽に敵を倒したいと思って覚えたのだろう。そんな軟弱な考えが自分の死を招くとなぜ理解できない?強さの境地とは自分を追い詰める事で、ようやく見い出せるものだ。「楽だし強くなれそう」という理由で便利なものを使ってはいけない。
とりあえず俺は、散乱している食べ物を回収した。もったいないからな。
しかし、俺の装備は見当たらない。どこに隠したんだ。あのスクゥーマ中毒者め。
仕方ないから前回訪れた遺跡に戻ろう。
万が一に備えて、倒した敵の装備を残しておいてよかった。
俺は死体から装備品と金目のものを回収していく。鎧を纏うのは俺のモットーに反するが、極寒の地で生きるためには仕方ないのかもしれないな。
そして前回意識を手放した場所に戻ってきたが……輝和は俺が用意した料理に手を付けていなかった!これには本当に頭にきた。お前のために用意してやったんだぞ!ふざけるな!毒も飲んでないし!
まぁ今回はスクゥーマで判断がつかないから何も言うまい。ただ、正気を取り戻したら色々と言うことがあるからな。
ついでに俺は、この遺跡を隅々まで探索する事にした。
遺跡の奥に進めば進むほど、盾を己の躰の一部とする格闘技「たてて」がさらなる高みへ到達できると思ったからだ。
俺はここに潜むドラウグルと戦った。左手の盾で相手をぶん殴って動きを止め、右の拳で殴打する。これで順調に進んでいった。
途中、奴らの中でも強い個体に出会ったが、俺は、柱を巧みに利用して攻撃を防ぎ、その間に減った体力を回復するという戦法を編み出した。
俺は脳筋ではない。頭脳プレーもしっかり行うのだ!
ここは輝和にも学んで欲しいところである。
さらに先に進むと遺跡の侵入者を切り刻むトラップに出くわした。
ふむ、これも敵との戦闘で使えそうだな……。「たてて」とは環境も利用して敵を倒す格闘技なのだ!
敵だ。早速罠を試してみるか。
俺は、敵をひきつけては罠のところに戻り……
死体の山を築き上げていった。まぁ倒す前から死体みたいなものだが。
この罠を作った連中は、味方を殺すことになるとは思わなかっただろうな。
当初の狙い通り、遺跡の奥に行けば行くほど俺は強くなっていった。
そして厳格さが漂う扉の前に到達する。これまでと意匠が異なる……ここだけ作者が違うのか……?
いずれにしても、この先に何かが守られているに違いない。お宝だろうか?
そういえば、巨大蜘蛛に捕まっていた男が金の爪を持っていたな。
よくみると扉と同じ絵が刻印されている。これがヒントになるのか?
金の爪に刻印されていたイラストと同じ絵の順に合わせてみたら、扉があっさり開いてしまった。
こんなの子供でも解けるパズルだぞ。これ作った奴はバカか?
その先に待ち受けていたのは……祭壇だった。
大昔、ここで何らかの儀式が行われていたのだろう。何の儀式場なのかはわからんが、碑文に近づけば何かがわかるかもしれない。
しかし、その自分の安直な行動に後悔した。
俺の視界は暗くなり、おっさんのうめき声が聞こえてきた。さらに近づくとおっさんは「アーアーアーヤッ!」と歌い出し、俺はビビった。正直もらしたと言っていいだろう。俺は幽霊が苦手なのだ。
いや、もしかしたら輝和が摂取したスクゥーマがまだ体に残っていたのかもしれない。この幻聴はやはりスクゥーマのせいだろう。輝和め……。
そんな折、後ろからドラウグル・オーバーロードが起き上がってきた。
ただ、アンデッドは俺の中で幽霊というよりモンスターとして定義付けされているので平気だ。俺は近くにある宝箱の中から良さげな装備品を見つけ出し、迅速かつ冷静に装備する。
中にあった鋼鉄の鎧は、防御力が41もあり圧倒的に高性能だ。
これは装備しておきたい。
俺はドラウグル・オーバーロードを殴っては逃げ、殴っては逃げの繰り返しをしてようやく倒した。その様子はまさにピンポンダッシュといえよう。せっかくだし、たてて奥義「ピンポンラッシュ」と名付けようではないか。
ところで奴は「ロダ!」と叫びながら送風してきたのだが、あれは何だったのだろうか?涼しい。
俺はやつを倒した事で、たてての新奥義「パワーバッシュ」を手に入れた。今後の戦闘において強い味方になるに違いない。
なにはともあれ、やつの死体をあさると「ドラゴンストーン」なるものを手に入れた。やはりこの遺跡はドラゴンと深い関わりがあるのだ。
遺跡の外に飛び出すと、殺伐とした雰囲気は一変し、穏やかな自然風景が広がっていた。川が奏でるせせらぎに心が癒やされ我に返ると、自分は精神的にも肉体的にも疲れている事がわかり、羽を休める場所が欲しくなった。
ホワイトランに行く予定はなかったが、あそこで休むとするか。
ただ、普通に向かうだけでは修行にならない。すでに遺跡を踏破した俺にとって、そこらへんの野盗やモンスターなどを相手にしても修行にならないだろう。
ここは寒中水泳をして川を下ってホワイトランまで向かおうではないか。
水中はサケだらけだった。これは輝和のための料理になるに違いない。
手当り次第、サケを手に入れていく。ただ、ちょっと気になった点がある。
サケを手に入れた瞬間にサケは切り身へと変化するのだ。最近の子供は、海や川では魚の切り身が泳いでいると勘違いしているそうだが、スカイリムだとそれはほぼ事実といっていいだろう。
さて、ホワイトランに到着した……が、その前にやることがある。
ホワイトランの下水道に装備品一式を隠した。水の流れで視認性も悪くなっているので、すぐに輝和にバレることはないだろう。これらの貴重品をあいつに渡してはいけない。
手に入れたものは全部……俺のものだ。
そして俺は、表面上、輝和の言いつけを守り、裸一貫でホワイトランに入ったのだ。
そうそう、途中、水路に酒を置いた。酒はキンキンに冷えているのが限る。これからも手に入れた酒は、ここに置いてコレクションしていこう。
さて、宿屋で輝和のために汁物をたくさん作ってかばんに入れておいた。
そんなものをかばんに入れたら漏れるんじゃないかと思ったが、そうでもない。サケの切り身に続いてスカイリムの不思議の一つと言っていいだろう。
翌日、散歩をしているとカルト宗教の勧誘に出くわした。声だけでかい。声だけでかいので勧誘の内容は頭に入ってこない。一体誰が入信するというのだ?まぁ大して儲かってないだろう。
儲かるといえば、先日のうちに稼いだ金は全て使っておいた。輝和に財布をもたせると何に使われるかわかったもんじゃないからな。
1000ゴールドくらいあったが、全て錬金術の授業料に使った。薬は冒険者にとって必需品だしな。これで無一文になったし、輝和には裸一貫でやり直したようにしか見えないだろう。
……そろそろ奴が出てくる頃合いだ。俺は「反省し汁物作った食せ」と書き置きを残し、意識を手放した。書き置きはなぜか10文字以内しか残せないのだ。しかし、俺は反省した気持ちで汁物を作ったから食べて欲しいというメッセージは伝わった……はず……だ。
吉田輝和の第4話は以下のリンクからどうぞ!
吉田輝和はまげまに、まげまは吉田輝和に何かしらのイタズラを毎回していく。しかし、イタズラはすぐに気づかれるとは限らない。それでもイタズラは回を重ねることに蓄積されていく。日記が進むごとにスカイリムの地はイタズラの痕跡だらけに……。
全編は無料枠のみで楽しめますが、有料枠のイタズラ内容を知っていると後々の展開でニヤリとすることがあるかも……。軽めの内容ですが、この企画を応援するための投げ銭&スパチャ感覚で読んでいってください。
ここから先は
¥ 500
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?