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シャマルと川須栄彦

推しが重賞に出るので少し話させてください

出会い


シャマルは2021年3月、3歳の春に阪神競馬場でデビューします。
デビュー戦の手綱を取ったのは川須騎手。
牧場時代は背腰、デビュー後も右前の蹄に弱さがあり、「とりあえず」の仕上げで臨んだ新馬戦は、スタートを五分に切るも、ズルズル後退し12着でした。

その後4か月半の休養を挟み臨んだ7/25の未勝利戦。
舞台は新潟ダート1200m。今回からブリンカーを装着。
スタートはまずまずも、川須騎手が押して押して、向こう正面で先頭へ取りつく。4コーナー出口で先頭に立つとそのまま後続を寄せ付けずゴール。
2番手から上がり最速での勝利でした。

飛躍

ここから川須騎手とシャマルの快進撃は始まります。
新潟ダート1200mの条件にこだわり、中1週で8/8の1勝クラスを突破。
さらに中2週で2勝クラスの8/28の岩室温泉特別を勝利。
シャマルは約1月で未勝利から2勝クラスを駆け上がったのです。

その後5か月の休養を挟み、復帰は4歳となった1/29の中京ダート1200、
3勝クラスの伊賀ステークス。
やや追っつけながらインコースを追走するも、前の馬の後退をかわせず、最後に脚を使うも6着に敗れます。

しかし、中4週で臨んだ阪神ダート1200、3/5の橿原ステークスは2着。
そこから中3週で同舞台の4/5なにわステークスを5馬身差で快勝しオープン入り。自身初の単勝1倍台の人気に応える勝利でした。

次のレースは大井1200mの4/20交流重賞・東京スプリント。
中1週+αで臨んだレースは最後の直線、一番人気のダートスプリントのスペシャリスト・リュウノユキナとのたたき合いをハナ差制して重賞初制覇
キャリア8戦目、5つ目の勝利でした。

続くレースは6/1の浦和の交流重賞・さきたま杯。
4コーナーで先頭に並びかけるも、大井の名牝・サルサディオーネの粘りに屈し3着。
3か月の休養に入ります。

休養明け初戦は8/25・佐賀のサマーチャンピオン。
このレースを制し交流重賞2勝目。
続く9/21・浦和のテレ玉杯オーバルスプリントも制して交流重賞連勝で3勝目をマークします。

そしてついに大舞台へ挑むとき。
次走は10/10・盛岡のマイルチャンピオンシップ南部杯。
ついに交流G1への挑戦、同時に初のマイル戦です。
道中大外を回る競馬で、最後も伸びてくるも、前でレースを進めたカフェファラオとヘリオスを捉えられず3着。
勝利へは届かなかったものの、マイルで地力の高さを見せたシャマル。
G1勝利も時間の問題かと思われました。

無念の決別

発表されたシャマルの次走は12/4中京・チャンピオンズカップ
しかし、同時に発表されたのは同レースに川田騎手とのコンビで参戦するという内容でした。
結果は好位でレースを進めるも直線足が上がり5着。
メンバーレベルが一気に上がるG1、2戦続けての距離延長、秋4戦目のレース…疲労も少なからずあったかもしれません。

次走は中2週で12/21園田・兵庫ゴールドトロフィー。
秋5戦目。
先団後ろでレースを進めるも、直線ラプタスに伸び負け2着。
3か月の休養に入ります

休養明け、5歳になって初戦は3/14高知・黒船賞
馬体重-17キロで臨んだ一戦、結果は2着に3馬身差をつける快勝。
交流重賞は4勝。シャマルは再びG1奪取に挑みます。

5/4船橋・かしわ記念
自身3度目のG1級競争、1番人気に支持されたレースは好位でレースをすすめ、直線は内に進路を求めるも外の各馬にかわされ4着。
G1の高い壁がシャマルに立ちはだかります。

止まってしまった時計

かしわ記念から中3週で挑んだ5/31浦和・さきたま杯
1番人気、昨年3着のリベンジを果たすべく、レースに挑みます。
しかし、スタートしてから馬郡についていくことができません。
終始ジョッキーの手は動かず、最後の直線コースゴール手前でジョッキー下馬。キャリアで初の競争中止

ジョッキーが右後肢に違和感を感じたため競争中止した」との報。
帰厩後は、「馬は元気だが経過観察中」と厩舎のコメント。
大事ではないという判断か、6/20には次走が7/9中京プロキオンステークスと発表されます。

放牧を挟んで調整され、挑んだプロキオンステークス。
鞍上は坂井瑠星騎手。
しかし、今度は右前肢ハ行で競争除外
詳しい原因は報じられていませんが、もともと蹄に弱さがあったため、その影響があったかもしれません。

動き出す時計

8か月の休養の後、次走は1/28東京・根岸ステークスと発表されます。
同時に、川須騎手との再コンビで挑むことも発表されました。
シャマルは12月末に帰厩、1か月余りの乗り込みの間、川須騎手は競馬開催日も含め毎日シャマルに騎乗してきました
6戦ぶりの再コンビ。
以前コンビを組んだ時より精神的に安定し、たくましさが増した
と本人のコメント。
東京の1400は小細工が利かず相手も強い。しかし勝負になるつもりで挑む
1/28の川須騎手の騎乗はシャマルのみ。
酸いも甘いも知る人馬が、明日、根岸ステークスを走ります。

根岸ステークス

奇しくも枠は川田騎手騎乗のエンペラーワケアの隣に入りました。
メンバーも、良血サンライズフレイム、追い込み鋭いタガノビューティーなど強いメンバーが揃い、現時点では9番人気です。

勝つことはかなり難しいでしょう。
しかし、この馬のストーリーを知ってしまうとシャマルと川須騎手を応援せずにはいられません。
明日シャマルと川須騎手が無事にゴールを通過してくれるだけで嬉しいです。
願わくば、それぞれ厳しい時期を乗り越えてきた人馬の努力が、結果となって報われんことを。

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