想い出

誰も入れないって思ってたあの部屋。

誰も入れないって思ってたあの部屋。

君は覚えている?

その部屋に始めてきた日のことを

たった一人しか入れない部屋だった。

たった一人しか入ることを許されない部屋だった

そして私はその人を部屋から追い出した。

追い出した私は

「この部屋にはもう誰も入れない」

そう思ってた。

今は、またその人があの部屋にいる。

その人がいない間、君があの部屋に来た

覚えているかな。

誰も居ないあの部屋に君が来たあの日のこと。

そしていまは君がいない

「話せるだけが付き合いじゃない」

そう言ったけど寂しかった。

君の姿はとても良く見えるよ。

君の部屋に行くと君のいる匂いがするからね。

ああ、ここに君はいるんだって思えるからね。

君がいてくれるだけで確かに充分。

スグにどこかにいなくなってしまう人だから

「部屋がある」

それだけで本当に充分嬉しい。

でも

心配すれば「大丈夫」

話せば“何故だかどこか距離を感じていた”

君と話して楽しい

から

君が誰かと話しているのを見ているだけ

に変わっていった

寂しくてね。

何だか寂しくてね。

寂しいと言ったら、「ごめん、そんなつもりなかったのに」

と返すだろう・・・

そう思うと、なんにも言えなくて

強がり?

それとも距離を置きたい?

楽しくないのかな?

色々考えてしまって、聞けなくて、話せなくて

心配する人に君はドコか嬉しそうに答えてる

「心配してくれてありがとう」

って

私には「大丈夫」とか「色々あって」なんて濁すくせに

だけど知ってるんだよ

色々を知るような仲なんかじゃないってこと

だから、寂しかった

そっか・・・・そういえばそんな仲だったね

って、改めて気付いたから

私は色々話したけど、そうだった・・・・私はそっちのことなんにも知らないんだった

って

寂しいけどそれで良くて

いまもそうで

何が寂しいかって・・・・

ただ単に、一人いたら充分でしょう?って感じるから寂しいだけ。

そうだよ。

一人いたら充分だ。

君が苦しいなら、辛いなら。

羨ましいなら。

巻き込まれてしまうのが嫌なら。

だから、距離を感じても

『君の部屋があるならそれだけで充分だよ』

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