見出し画像

アメリカン・エピック

エピック、叙事詩、という意味のようですが
アメリカン・エピック
元は海外のドキュメンタリーで
ブラックミュージックのルーツなどを追ったもので
2017年頃の作品のようです
それが2022年の秋、日本でも劇場で公開
エピソード4まであって5時間の大作
見たかったのですが、なかなかチャンスがなくて

たまたま、他の人に付き合い出かけることになり
検索してみるとその近くでアメリカンエピックも公開中
全部見たかったのですが見ると半日かかり
一番見たかったエピソード4
これだけ、見に行きました

はじめての電気式録音機器が出来たのが1925年
数台の機械ができ、そのおかげで
アメリカ各地で録音が可能になり

現存するたった1台の録音機器

技師のニコラス・バーグは10年かけて修復
ウエスタン・エレクトリック社の当時のアンプ
音を増幅するための機械ですが、部品を集めて再現
日本にまで部品を集めにやって来たそうです
録音用の金属盤に刻める音は
動力のベルトの先についた重りが落ちるまでの4分ほど
その機械を使ってエルトン・ジョン、ロス・ロボスたちが
100年ほど前の録音にいどみます
エピソード4はその記録です

今までで一番ちょろい

敬意を込めてか参加者がそう言った録音
今の録音とは全く違い、音が左右に分かれていない
スピーカーが一つのモノラル録音
ここ何年か、ファースト・テイク
アーティストさんが最初から最後まで
一度に撮る動画サイトが流行っていますがその元祖
マイクは1本、せーので録る一発録り
立つ場所で音が変わる世界
古い機材、うまくいく時もあれば
なかなかクセもあったりするのですが

師匠や憧れた人たちがやってきた録音方法で
レコードが一番
同じ料理なら極上の方がいい

正確な言葉ではないですが
そんなようなことをミュージシャンの
タジ・マハールが言っていましたが
最新の録音方法の方がいいように思われるかもしれませんが
アナログ録音にはアナログ録音の良さがあって
21世紀の今のご時世に
一部ではレコードブームも起きているぐらいですが
ブルーズと言えばこの人といわれる
100年ほど前のブルーズ・ミュージシャン
チャーリー・パットンと同じ録音方法
憧れと同じ録音にみんな楽しそうで

これがマスターだ、何度も聴くなよ

映画の冒頭のセリフ
金属のレコード板に刻まれた貴重なマスター音源
レコード針を何度も通せば痛むからでしょうか?
べたべたさわって指紋が付くのも原盤に良くなさそうで
その言葉に思わずニヤリとしましたが

古い録音、興味がない人の方が多いかもしれませんが
古い録音や古い音楽に興味がある人にはとてもいい映画で
なので後日、残りも見に行きました
上映日は1日で、エピソード4まで全部やっていましたが
1と2は同時上映、1~3全部見ると長いので迷いましたが
次、見るチャンスがいつかわからないので

エピソード1はルーツ・ミュージック
今の音楽の源流になったような音楽ですね
カントリーを代表してカーター・ファミリー
ミシシッピ川のそばの町、メンフィスの歓楽街
ビールストリートからはメンフィス・ジャグ・バンド
この二つを中心に話は語られます
CDが売れなくなったと言われますが
新しいメディができるたび、同じようなことは繰り返されていて
1920年代当時、ラジオの出現でレコードの売り上げが落ち
レコード会社は電気式録音機を持って
新しいアーティスト、新しい客層を求めて
地方へ録音に出かけます
新聞に公告を出し、コンテストの参加者を募り
どうやって来たのか、遠くは1500キロ離れた所から
来た人もいたそうです
そんな風に丸一日かけ、アパラチアの山の中から
やって来たのはカーター・ファミリー
ボブ・ディランが聞いてきたような人です
カーター・ファミリーとメンフィス・ジャグ・バンド
随分違う人達、音楽性のようにも思えますが
それらはどちらも庶民から生まれた音楽で

エピソード2はより深めて
ゴスペルや炭鉱労働者の歌が紹介されます
そういった録音、数枚録っただけで
その後の世界恐慌などもあって
それきりになってしまうことも多かったそうですが
後にそういった音源を集めた人もいて

後半はデルタブルーズ
今のポピュラー音楽のルーツの一つですが
アメリカ南部で生まれた初期のブルーズです

セッション3はブルーズやカントリーに限らない
アメリカのさまざまな音楽
メキシコ系、ネィティブ・アメリカン
ハワイアンのスティール・ギター
ルイジアナ、フランス系の音楽ケイジャン
いろんな人がいて、いろんな音楽があり
それぞれ歴史があって

木星探査機のボイジャー
宇宙の生命体に向けて地球の音を録音した
ゴールデン・レコードが積み込まれています
ネタバレになりますが最後はその話で締めくくられ

長い映画なので別々の場所、別々の時に
二つの映画館で分けて見ることになりましたが
最初に見た映画館は大人向けのオシャレな感じ
後で見た方は個性的なミニシアター
小さなシアターで試写室みたいで
随分、雰囲気が違いましたが
小さな方は小さな方で味があって
映画館もいろいろあるのがわかっていい経験で

映画、劇場で見ると迫力があっていいですが
もう一度詳しく見たい時はビデオも便利で
どこでどんな風に見るにしろ
映画、やっぱり楽しいですね

#映画にまつわる思い出

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?