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私を成長させてくれたモノ

「あなたの人生を簡単に表すと何?」って聞かれると私は必ず野球と答えるだろう。正直今までの人生で常に野球がそばにいた。小学校から高校まで野球をしてきて、大学では野球観戦が趣味の一つになった。もちろん野球をしてきたのは純粋に好きだからである。だから約10年もしんどいながらに続けることができた。しかし最近自己分析をしていて、野球がどれほど自分を成長させてくれたのかを実感する。
 私は自称進学校といわれる公立校に通っていて、日々学業と部活動に励む日々であった。私のチームは甲子園で一勝することを目標とし練習に取り組んだ。しかし公立校で進学校となれば、授業は16時ごろまであり練習時間は他の強豪私立に比べれば圧倒的に少ない。また設備も充実しているとは言い難い。またスポーツ推薦などもないため、皆が一般入試を通じて頭で入学した者である。しかしいざ勝負の場ではそんなことを言っていられない。当時の状況、戦力で戦い県内のトーナメントを勝ち抜かなければならない。"無い物を嘆くのではなく、あるモノでいかに戦うか" これが私の高校の永遠のテーマである。実際、練習時間の増幅や施設拡大等はできないため、いかに効率良く練習を行うかを第一として練習に取り組んだ。私も日々どうすれば試合に出られるのか、そう考えて練習あるのみであった。しかし私は最後の夏の大会メンバーには選ばれなかった。非常に悔しかった。甲子園でプレーしたい、小学校からそう思い続けてきたのもあり涙もたくさん流した。だがそこで私はまだチームに何かできる事はないのか、プレー以外の面で何か貢献出来ないかと自然と切り替えられた。チームのテーマである"無い物を嘆くのではなく、あるモノでいかに戦うか"。この考えが根付いていると確信した瞬間であった。メンバーになれなかったことを悔やんでも仕方がない。自分の置かれた状況で何が出来るのか。そう考えた結果が、相手の分析であった。相手校の試合をチェックし情報を収集した。相手の成績や傾向、癖までをデータとして算出し、チーム内で共有した。チームは結果的に県内の強豪私立に打ち勝ち、甲子園出場を果たした。私の提示した情報がチームの役に立つことができた。また私の分析としての取り組みが一部マスコミにも報じられることがあった。自分はメンバーにはなれたかったが、チームのためにやってきたことは間違いではなかったのだと感じた。甲子園に出場する素晴らしいメンバーのチームに貢献できたことを誇りに想う。
 私にとって部活動、野球とは自分の根底の考えを築いてくれたものであり、私を成長させてくれた。チームのメンバー、そして野球というスポーツ、野球をさせてくれた親に感謝したい。