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独学で中小企業診断士試験合格の勉強方法!財務・会計編

こんにちは!中小企業診断士のカズユキ です。

前回から中小企業診断士試験の科目ごとに解説をしています。

今回はみんなが苦手意識のある財務・会計です(^^)

私が受けた2018年は特に科目合格率も低かった年でした。

かく言う私も試験結果は48点でした(TT)

答え合わせしている時に、別の年度の答えと見間違えたのかなって思うぐらい前半がボロボロでした。

まあ私の話は一旦置いといて、試験のポイントを申し上げると、

時間がない!
計算がとにかく面倒
反射的に公式が出るように対策する

といった感じです。

では、具体的に解説していきます。

出題範囲

とにかく試験時間がない財務・会計。

問題の出題パターンや公式を覚えて瞬時に判断できるよう訓練しておく必要があります。

電卓持ち込みが出来ないので経営分析など問題は簡単でも複雑な計算が必要なところで凡ミスしないよう練習しておきましょう。

【出題されているテーマ】

経営分析(収益性・安全性・損益分岐点分析)、キャッシュ・フロー計算書、加重平均資本コスト(WACC)、投資評価、CAPM、株価の評価(PER、PBRなど)、デリバティブ、決算整理(売上原価の算定、経過勘定項目など)、税効果会計、総合原価計算、標準原価計算、資金調達方法、配当割引モデル、MM理論、リスクとリターン(分散・相関係数)、製造原価明細書、フリーキャッシュフローなど

試験範囲は簿記を中心とした「アカウンティング」と投資を中心とした「ファイナンス」に分かれます。

上記は頻出テーマを羅列しましたが、ファイナンス系のテーマが多い感じがします。私が受けた印象としては、半分くらいはアカウンティングから出題されていました。

なんと電卓が使用禁止という縛りがあります(>_<)

今の時代にそんなことさせてどうするんだと思います。

ちなみに二次試験は電車使用可能です。

まあ一次試験・二次試験共にエクセル使えば一発で答えがでる計算問題ばっかりですのでストレスがたまります。

大人になると手計算をする機会が少ないので、経営分析で割り算するときに「問題は単純だから解き方はわかってるんだけど時間が気になってゆっくり解けない」という状態に陥ります。

試験難易度

次に各年度の科目合格率から見ていきたいと思います。

2019年 16.3%
2018年 7.3%
2017年 25.7%
2016年 21.6%
2015年 36.9%

この数値は一次試験合格者は省かれております。ですので、数値的には低く出る傾向にあります。

私のデータを見た第一印象


「こんなに合格率高いんだ」^_^;


と思いました。

自分が受けた年度だけかなり低くなっており、人によっては財務・会計に対するイメージが違うかもしれません。

財務・会計で1番ネックになってくるのが「時間」です。

本当に時間がありません。7科目の中で一番時間の経過を早く感じます。

60分で25問の問題を解かなくてはいけませんので、単純に一問当たりに使える時間は2分ちょっとです。

その中で、問題を理解して計算して回答しないといけませんので焦ります。

100点を狙わなくても良いので、できる問題から手をつけていくことが合格のポイントです。

経営分析やCVP分析(コスト・売上・利益を計算する問題)などは時間をかければできますので、考えてもわからない問題は飛ばして「これはできる」と思った問題にコミットして下さい。

他の科目でもありますが、どんなに勉強して対策していてもまったく答えの導き方がわからない問題が必ず出題されます。

経営法務や経営情報システムなどは比較的時間が余るので、わからない問題にも時間を使うことができます。

しかし、財務・会計においてはその1分が命取りになります。

「あの問題わかってたのに間に合わなかった」ということになると得点を失うばかりでなく、この後に受ける企業経営理論と運営管理の試験にも影響します。

1日目は経済学・経営政策60分、財務・会計60分、企業経営理論90分、運営管理90分と長丁場です。

出来が悪すぎて2日目に受けに来ない方もいますが、13,000円も払って受験放棄はもったいないですので絶対にしないでください。

一つの科目で点数が悪くても足切りである40点未満を取らなければ逆転できる可能性が残ります。

私もジェットコースターのような得点結果でしたので^_^;


実際に受けたときの感想

自宅模試を2回やっていましたので時間がないことはわかっていましたが、試験当日はさらに焦ったり、頭真っ白になったりと本当にあっという間でした。

正直もうちょっと点数取れてたと思っていました(^^;)

まさか48点とは・・・
足切り食らわなかっただけマシと思うしかない。

原因はわかっています。

アカウンティングよりもファイナンスを重視して対策をしていましたが、アカウンティングのケアレスミスが多く発生してしまいました。

何事もバランスよく対策すべきと感じました。

あと当日使った財務・会計の私なりのテクニックを紹介します。

選択肢から導き出す

解き方は分かっているはずなのに選択肢の答えが出てこない時があります。

そんな時は選択肢の答えから計算することで導き出すことができます。

例えばCVP分析(コスト・売上・利益を計算する問題)では、

固定費300、限界利益率40%、の場合
利益500を出すためには目標売上高はいくらにすれば良いか?

という問題があった時に、
普通の計算では

目標売上=(固定費+利益)/限界利益率

で計算するので、
目標売上=(300+500)/0.4
目標売上=2000

になるわけですが、どうしても試験で焦ると頭が真っ白になって「どうやるんだっけ?」「1-限界利益率」にするんだっけとか混乱することがあります。

そういった時に答えの選択肢を代入して計算するとサラッと解ける時があります。

具体的に2000という選択肢があったとして、代入すると

売上高×限界利益率-固定費=利益

で計算ができるので

これだと売上高から売上総利益、営業利益を導くような手順なので計算しやすくて答えも導きやすいです。

余裕があればこれで間違ってないかチェックにも使えます。

見直す時間がない方が圧倒的多数ではありますが、違うアプローチで計算することでケアレスミスを防止できます。

もう一つ選択肢から導き出す方法として、妥当な数字を選ぶというのもあります。

更に裏技(※注意 あまり良い方法ではありません)

たとえば設備の経済性を問われる問題で、

設備導入に1500、経費は減価償却費のみとして残存0の5年間、毎年の売り上げが500として法人税等が40%。
複利現価係数は単純に1年目0.9、2年目0.8、3年目0.7、4年目0.6、5年目0.5にします。年金現価係数は3.5です

この場合、キャッシュの増加は

売上-減価償却費=利益×法人税等+減価償却費
500-300=200×0.6+300

一年間のキャッシュの増加は420となり
年金現価係数3.5を掛けると

1470です

ということは利益1470-投資1500=-30になります。

投資1500に対してキャッシュの増加が少ないので、投資はしないという判断になります。

ここまでのプロセスは過去問で対策して冷静に考えれば対応することができますが、試験のプレッシャーで手順を忘れてしまうときも考えられます。

これも選択肢から推測することもある程度できます。

この問題の選択肢は、

ア、3000
イ、300
ウ、30
エ、-30

という感じになっていることが多いです。

こういった問題は投資に対してキャッシュが回収できるかできないかボーダーラインぎりぎりのことが多いです。(これは推測も入っていますが^_^;)

この場合、(ウ)、(エ)の2択に絞ることができます。

どうしても回答を導き出すことができない場合は奥の手として考えてください。

ちなみに私は選択肢から回答を導き出して4点を拾いました(^^)

一次試験はプロセスは一切関係なく得点を取れたら合格なので、こういう方法もあるということを紹介しておきます。

おすすめの書籍

もし簿記の知識がなくゼロからのスタートでしたら、

柴山政行先生 速習!日商簿記3級

をお勧めします。

テキスト+先生自らYouTubeで解説しているものです。

テキストはこんな感じです。


実は書籍なしで動画だけ見ても十分参考になりますが、練習問題をする場合は書籍があったほうが良いです。

柴山先生の「柴山式」簿記の考え方は貸借対照表の資産・負債・純資産と費用・収益をドッキングさせたオリジナリティのある考え方です。

本当に基礎の基礎から学習がスタートしますが、これを聞いておくことで応用への対応がしやすくなります。

動画は大体30時間弱あります。練習問題も結構ありますので知識が定着するような工夫もされています。

私は中小企業診断士の合格のためにはひたすら過去問を解くことをお勧めしていますが、この速習!日商簿記3級では一つのテーマを学習⇒練習問題といった流れで進んでいきます。

練習問題が出題されると何とか解いてやろうと試行錯誤しますので、これが良かったと思いました。

柴山先生は聞く人がどうやったら理解しやすいかをしっかり考えて説明してくれます。口調もゆっくり話してくれるので、ちゃんと聞き手を考えてくれているなというのが画面を通して伝わります。

あとは何回も説明している

過去問完全マスター

です。

正直これさえあれば合格に大きく近づくことができます。


過去問完全マスターは過去10年分の中小企業診断士試験の問題が掲載されています。頻出問題ごとにA、B、Cとランク分けされていますので、どの問題が良く出ているか傾向を掴むかとができます。

10年分の問題は膨大な量なのでAとBは掲載されていますが、Cは同友館のホームページに掲載されています。

Aは頻出問題ですので出題されたら必ず得点にしていただきたいテーマですが合格に必要な60点を獲得するためには、過去に2,3回出題されたBについても回答できるように訓練しておくと合格できる力が付きます。

暗記カード学習法


私は暗記カードアプリを使った学習をすすめています。


テキストを単に眺めているよりも暗記カードは考えながら答えるので知識が定着しやすいです。


また過去問を解くよりも短時間でも学習ができるのでスキマ時間を活用できます。


具体的な学習方法や手順、カードのデータ等も公開しています。

ぜひ活用してください!


まとめ

もう一度申し上げると、試験のポイントは

時間がない!
計算がとにかく面倒
反射的に公式が出るように対策する

といった感じです。

後々は理屈で覚えておかないと仕事で使うことはできませんが、試験対策に関しては問題になれて型を覚えて対応したほうが良いです。

受験勉強の時のように数学の公式を覚えておくような感じです。

一次試験一日目の重要科目であり、この後に続く二次試験の事例Ⅳにもつながってきますのでしっかり取り組んでください。

今回は少し長くなりましたが最後まで読んでいただいてありがとうございます。

今後も皆様に有益な情報を提供できるように頑張ります!

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