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母校


金曜日の深夜、僕は関越自動車道を北に飛ばしていた。

『母校の校舎が無くなるらしい』と聞いたのは去年の夏ごろだったろうか。
帰って記録を残したいと思っていたもののコロナへの慣れと同時に仕事量は有難い事に増えていた。

一つ言っておきたいとすれば僕は廃墟好きとかではない。
今回も役所の方に申請して見学させていただいたのだ。

校舎が使われなくなって数年が経過しているので老朽化が目立つ。
誰もいない校内を回っているうちに少しづつ高校時代の記憶がよみがえってくる。

余り思い出しすぎると恥ずかしくなってもくるので、ほどほどにしながら僕はシャッターを切った。


幼少のころから慣れ親しんだ味を食べ、母の実家に挨拶に行くと車に何とか詰め込める量の野菜を頂いた。

庭というにはあまりにも広い畑には数匹の子猫が戯れ、あまりの可愛さから連れて帰りたくなるのをぐっと堪えて僕は家路についた。



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