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【イベントレポート】品川スタイル研究所2021プレイベント「”品川港南”まちづくり実践者 作戦会議 〜まちをより良くするビジョンとアクション〜

日本有数のオフィス街と呼ばれる、品川。
歳月をかけてまちの中で育まれてきた、ここならではの「ワークスタイル」と「働きやすさ」が、時代の移り変わりとともに変わり始めている。コロナ禍で加速したリモートワーク化で昼間人口の構成も大きく変わり、このまちにある「働き方」がさらに多様化し変わりつつある今。このまちの未来に関心のある皆様、まちに関わる実践者の皆様と“品川港南”の「より働きやすい未来像」をともに見つめ、意見を出し合いどんなアクションが今まちの中で必要なのか?ヒントを探るべく、2021年度は3テーマを掲げ、それぞれに対し2回の連続イベントとして実施します。
今回の記事では、その各テーマに至る前段として品川スタイル研究所2021プレイベント「”品川港南”まちづくり実践者 作戦会議 〜まちをより良くするビジョンとアクション〜」の様子をnoteにてご紹介します。


スピーカー紹介

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港南振興会事務局長 港区観光大使 古屋 公啓 氏、江南小学校PTA会長 日本マイクロソフト株式会社 中嶋 信行 氏、港区 芝浦港南築総合支所協働推進課長 野々山 哲 氏をお迎えしました。

また、モデレーターとして品川シーズンテラス 宮沢 紀菜と株式会社花咲爺さんズ代表取締役 加藤 友教が参加しました。

古屋 公啓 氏
(港南振興会事務局長 港区観光大使)
港区港南にてサービス業関連会社経営。企業版町内会的親睦団体の港南振興会事務局長。みなと港南ファミリーロードレース大会実行委員。港区観光大使。港区産業団体連合会事業・広報委員。東京商工会議所港支部建設不動産分科会評議員。東京商工会議所港支部青年部幹事。財団法人東京都交通安全協会評議員。御田八幡神社総代・祭典委員。元東洋水産株式会社勤務。大田区生まれ、港区港南居住。
中嶋 信行 氏
(江南小学校PTA会長 日本マイクロソフト株式会社)
港南小学校PTA会長(PTA活動8年目、会長3年目)、港区小学校PTA連合会副会長、ワールドシティタワーズ自治会副会長防災部長(10年目)、ワールドシティタワーズ管理組合理事会防災部会長(2年目)、日本マイクロソフト株式会社(19年目)、娘二人(港南小2年、港南中1年)、妻の4人家族
野々山 哲 氏
(港区 芝浦港南築総合支所協働推進課長)
1968年、東京都生まれ。1991年4月、港区入区。みなと図書館奉仕係を皮切りに、国民年金課保険料係、総務課文書係勤務を経て、2007年4月~芝浦港南地区総合支所地区政策課区民の声担当係長、2009年4月~同支所協働推進課まちづくり推進担当係長、2010年4月~総務課文書係長、2016年4月~同支所管理課管理係長、2017年4月~契約管財課契約係長。2019年4月~同支所区民課長を経て、2021年1月~同支所協働推進課長(現職)

品川スタイル研究所の紹介


港南エリアのオフィスに通われる方の働き方や地域の方のライフスタイルの変化をきっかけに、港南エリアの街が変わってきています。
品川スタイル研究所は、どのように街が変わっていくのか、その変化の過程をオープンにしながら、品川港南エリアの未来の姿を捉えるために2021年2月に立ち上がったメディアです。

2年目となったいま、具体的にどのようなことを実現できるとより良くなるのかを考えるために3つのテーマを掲げました。

「働く」「景色」「育む」について、今回のプレイベント以降にさまざまな方たちとの対話を通じてどのようなことをやっていくのが良いのか探って行きたいと思います。

テーマ1:品川港南エリアで「働く」〜より働きやすい街になるために〜

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ーー1つ目のテーマは「品川港南エリアで「働く」〜より働きやすい街になるために〜」で、働く環境が大きく変化していく中で、より働きやすい場所にするために、どのような事をしていくとよいかを考えたいと思います。どのような事を考慮すると良さそうでしょうか?

公啓 氏(以下、古屋):そもそも港南エリアに組織や会社があるから来る、リモートワークで自宅で働く、ワーケーションという点など、そもそもそこにいるベクトルが違うという点が大前提にあります。そのなかで、オフィスなり街から少し出てふと外を見ると、「隣の人(オフィス)はどんな仕事をしているのだろう?」と知りたくなるかと思います。
港南振興会の事務局は、昭和13年に「品川駅に港南口がほしい」という要望を出したのが前身で、街づくりの始まりでありました。
その後、港南と高輪をつなぐ橋の建設など、相談を通して行政を通したお付き合いが増え、「隣の企業は何をしているのだろう?」から一緒に何かをしよう、とコミュニティをつなげていまに至ります。
街の声や行政の思惑を聞きながらそれぞれを一つにまとまることにより、横のコミュニティができる、これが街づくりのベースであると思います。
問題は、普遍的な問題をどう形にできるか、暮らしやすさや発言のしやすさにつながるのではと思います。

宮澤 紀菜(以下、宮澤):「隣で働く人は何をしている?」という点は共感できます。
コロナ禍で、働いている人をみる状況が少ないのは課題だなと思っていて、そのなかで隣で働く人はだれ?という状況からコミュニティを形成していくのはメリットだと思いました。

中嶋 信行 氏(以下、中嶋):港南地区の防災をずっとやっているのですが、もともと居住している方と2005年あたりの高層マンション建設によって住まわれた方との融合に時間がかかりました。今は一枚岩となって地域について考える土台ができています。
防災面でみると、首都直下地震などが想定されるなか、働きやすさは、建物が崩壊してしまうリスクを考えながらやるのではなく、何かあっても備えられている安心感やコミュニティがある地域であることも心地よい働き方に繋がりそうです。

品川港南の「景色」〜イルミネーションで街を繋ぐ〜

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ーー2つ目のテーマは、「品川港南の「景色」〜イルミネーションで街を繋ぐ〜」です。品川インターシティやアトレ、品川シーズンテラスでもイルミネーションが実施されています。高浜運河やマンションのライトアップなど街中でさまざまなライトアップが実施されるなかで、一つにつなげると港南の風景が確立できるので、地域全体でコンテンツを作る流れが出来るのではと思っていますがいかがでしょうか?

野々山 哲氏(以下、野々山):港区の街づくり課が2019年より、水辺空間の向上、地域の賑わいを目的に高浜運河にかかる美立橋、芝浦地区の新芝橋などでライトアップをはじめました。明るさが出たことにより、地域の安全安心にも繋がったように思っています。。

古屋:イルミネーションって、テーマパークの秋冬の彩りとして行われているイメージだったものが、いろいろな街で実施されて街の風景として溶けこんできていますよね。
夜間に通るお子さんや犯罪の抑止や、明るく輝いているという街のイメージにもつながる気がしています。

中嶋:まさに港南中学校に通う芝浦地区の子どもたちは、通学路に暗い場所があり保護者からも指摘され続けていました。そういった場所をライトアップするなど光には治安がよくなる効果もあり、そういったことまで考慮できると意義があるものになると思います。

ーー働き方だけではなく、安心安全という観点も触れられるのは良いですね。

宮澤:精神的にも光が与えるリラックス効果は気持ちの切り替えにも繋がりますし、意味のあることではと思いました。

ーーこんな場所がライトアップされていたら、と思う場所はありますか?

古屋:暗いからこそ光がありがたいので、明暗のコントラストや陰影のさじ加減によって運河が際立つと思います。
周りの光があたって水面がキラキラしたり。あのあたりをうまくサポートしてくれるとよさそうですよね。
運河以外でも港南が循環を担うまちであることから「道」を光らせると良いのかなとも思います。

野々山:橋だけではなく公園もライトアップ計画をしています。また東京タワーやレインボーブリッジともトーンをあわせたライトアップが計画されているので楽しみにしていただければと思います。

品川港南で「育む」〜街が次世代のためにできること〜

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ーー3つ目のテーマは「品川港南で「育む」〜街が次世代のためにできること〜」です。子供の人口と企業がが多い港南のまちを、教育を拠点に居住者と企業を繋いでどのようなことができると思いますか?

中嶋:港南小学校では夏休みの自由研究や苦手意識をなくす「港南クラブ」というプログラムがあります。
先生方や企業のプログラム枠でお願いし、企業訪問でさまざまな体験をしています。
小学生だけではく中学校や東京都の支援学校、大学生などにも参加してもらう窓口をつくることでより地域と連動し地域の特徴を活かせています。
運河での釣りや、それに伴って同じ釣った魚でも食べられる食べられないなど「なぜ?」を経験して身近な点から着目して育んでいけます。自分の住んでる街に興味を持つ機会でもあります。

宮澤:ちょうど先日、港南小学校のみなさんがバリアフリー等をはじめとした「みんなにやさしい」を探す授業でシーズンテラスに来てくれました。
興味を持ってくれたことはもちろん、ビルの立場としても普段直接関わることのない子どもたちとコミュニケーションを取れたのはいい経験となりました。

ーーエリアの循環を支えている施設や特徴を活かして、子どもの頃から体験や勉強ができるのがこの地域の特徴であると思いました。港南クラブなどのプログラムを多くの企業の皆様に知っていただいたり、実施するイメージを持って頂き、調和を取りながら広げて行く流れを作っていきたいと思いました。

登壇者の皆様、ありがとうございました。
さらに踏み込んだ内容は、ぜひ動画を御覧ください。