りゅうにあいに
静岡にいる息子に会いにいった。一重瞼だったけれど二重瞼になっていたので、それって手術したぁ? 目。りゅうはわたしが誕生日に送ったスエットを着ていた。うん。似合ってる。嬉しかった。
「……」
間があった。わたしも実は二重の手術をおこなっているため、ママも人工的な二重でありますよ。なんだかおかしな日本語になりながら口にした。
「あー、これね。これね。コロナでなったんだよ。なにせ10キロくらい痩せてさ、おかしいほど頬が痩けて、それで」なった模様です。はい。りゅうもまた語尾が笑えたのでなにそれ意味わかんないや。そういうとそうなんだから仕方ないよとさらにくすくすと笑ったから今度は2人して笑ってみた。
記念に写真撮ろっ! 無理やりりゅうの隣にいき2人で自撮りをした。が、自撮りに慣れていないわたしはりゅうの顔半分しか映すことができなくて、なんだこれは。とまたりゅうが笑った。焼きそばが作ってあり食べた。きちんとピーマンやにんじんが入っていてびっくりした。なにせわたしはもう料理をしないからだ。したくない。もう台所に立ちたくない。
りゅうやまいちゃんがちいさいときはわたしはやっぱりお母さんで飯炊を家事を20年ほどなりわいにしてきた。なのでもういいラァ〜。家事したくねーってことですでに引退している。
あす早いからさ。いった時間が22時前だったこともあり顔見れただけで嬉しかったよ。と抱きついた。りゅうはデカかった。筋肉なのかまあ、ジムのトレーナーの仕事なので筋肉だと納得しじゃあ帰るわ、といいりゅうにお金を渡した。
いらない。否定する。毎回そう。これ逆じゃん。ぼくさ、まじで不甲斐ないからママにだから来てほしくないんだよ。わかる? この気持ち。
「わかんない。なんでわたしの子なのに不甲斐ないとかおもうわけ? わかんない。ママはずっとあんたのママだし」
だから、違うんだってっ。
おもてで話していた。りゅうの住んでいるマンションの隣はラブホテルでちょうど男女が腕を組みあ
るいてきた。ふと空を見上げるとまあまあ派手な看板がありネオンがありそこはまさしくラブホだった。
りゅう。また抱きつく。またね。ママがわがままで来てごめんね。それだけいうとりゅうがゆっくりまばたきをし、またね。駅はそこ歩いてすぐだから。
うん。わかった。わたしは少しだけ泣きそうになった。りゅう。あんなにちいさくて夏にセミを籠いっぱい獲ってきてからあげにしてね。ママ。と破顔して満足そうか笑顔を向けたりゅう。
けれど、いまそこに立っているのは26歳になろうとしているおとなのりゅう。
「来月は帰ろうとおもう。まいにもあいたいし」
わたしはじゃあね。と踵を返す。
小さいころのことをたくさんおもいだす。
りゅうとまいちゃんはわたしにたくさん愛をくれた。愛された。親から愛されなかったわたしをふたりの子どもたちが愛してくれた。
新幹線に乗る前にアイスを買って窓に目を向けるとわたしがいた。ときおり光が過ぎ去りこのままできるならばちいさいころのふたりに会いにいきたいなと願っている。アイスは美味しかった。
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