日本ダービー

第90回 日本ダービー[GⅠ]  

5月28日 東京11R GⅠ  芝2400㍍ (左)18頭 予報:晴れ

  1. コース形態とラップ

  2. 出走馬

  3. データ要素

  4. 展開予想

  5. 予想


 さあいよいよ今週の日曜日行われます「競馬の祭典」・日本ダービーがやって参ります。今年は日本近代競馬の結晶と言われたディープインパクトの産駒が出走しておらず、新時代へと突入しました。そんな中、2020年に誕生した7,475頭の世代の頂点に立つ馬はどの馬か…?


1.コース形態とラップ


 オークスと同じで、スタートはスタンド前からで、オークスでは川田騎手がスタートするまでは静かにして欲しいと言っていたので、テンションが上がりやすいポジションからのスタートではあります。そして迎えた本番は観客の協力あって静かにスタートが切られました。今回も観客の皆さんは静かに見守って全馬無事にスタートに立ってほしいですね。
 話を戻してスタート地点ですが、坂の途中からですが、ペースにそこまで関与するほどの坂ではありません。スタート後の坂をちょっと上ると平坦が1コーナー過ぎまであり、2コーナーから向こう正面真ん中までは緩い下りが続きます。残り1200m地点で再び上り、そのあとすぐに残り800mぐらいまでを下ります。そこからは緩く上りながら、最後の400m~200mを一気に駆け上がり平坦を走りゴールです。

 文字ばかりで分かりにくいですが、前半部分は下りが多く、勝負所で登りがあります。これだけ見るとペースは上がりそうなのですが、ラップから見ると後半の方がペースは速く上り勝負のレースとなっております。
 3歳牝馬と同様に3歳牡馬もまだ長距離を経験している馬が少なく、各馬最後に余力をどれだけ残せるかわからない状態だからだと思います。ただ牡馬の方が若干中盤のペースが速く、馬格もそれなりに求められます。





 ペースはこれを見る限りはあまり道中は動きが少ない。2400mという距離を走った経験が少ないため、最後の直線まで各馬足を使いたくないのだと予想出来ます。ここでも上がりは確実に出せる能力は必要そうです。

さあ牡馬と牝馬では道中のペースの緩みが少ないことが分かります。やはり牡馬の方が馬格がありパワーとスタミナがあるのでしょう。
着内の馬格平均でも牡馬の方が総じて重く
オークス①456.9㎏ ②460.1㎏ ③458.7㎏
ダービー①478.2㎏ ②482.3㎏ ③489.8㎏
ダービーでは馬格がある程度なければ力負けするとう感じでしょうか。


2.出走馬


1枠1番 べラジオオペラ 牡3 横山和生
脚質:先行 父ロードカナロア 母エアルーティーン

前走皐月賞の本命馬が1枠1番ですか。前走は差す競馬を予想しましたがまさかの先行策。外差し有利かつ重馬場で前半1000mが58.5秒というHペース。展開向かず力負けとみるのにはまだ早い。前々走は重馬場で外を回すレースをしたが勝っており、高い瞬発力を持っています。人気も現在10番人気で魅力ある1頭。

1枠2番 スキルヴィング 牡3 ルメール
脚質:追い込み 父キタサンブラック 母ロスヴァイセ

前走青葉賞を勝ってダービーにやってまいりました。青葉賞では差し有利な馬場を差して来ておりメンバーレベルもそこそこの為、勝った印象よりも少し評価を下げたいが、4戦して上り最速3回。2位が1回と東京コースは◎。今回は横山一家に囲まれた上に、外枠に先行したいメンツが固まった事からスムーズに直線捌けるかが勝負のカギになりそう。ただローテーションは成績の悪い青葉賞組からの参戦だが、青葉賞と前々走の間隔が開いているためデータをそこまで気にしなくてもよさそう。東京2400mに強いルメールを背に頂きを目指す。

2枠3番 ホウオウビスケッツ 牡3 丸田恭介
脚質:先行 父マインドユアビスケッツ 母ホウオウサブリナ

前走は展開と通った馬場が悪く大敗。今回内枠を引けて前走よりは展開向くか。ただスキルヴィングと横山一家の紛争に巻き込まれないかが心配である。

2枠4番 トップナイフ 牡3 横山典弘
脚質:逃げ 父デクラレーションオブウォー 母ビーウインド

怖い1頭です。いや怖い鞍上ですね。日曜日はダービーのみ参戦で、授業参観の可能性も含めて予想しなければならない。馬の予想もしないといけないのに、鞍上が癖あり。馬自身は先行からの粘りこみをするタイプで内枠とCコース替わりはプラス。ただ前走出遅れて後方からの競馬となり惨敗。前で競馬をしたい同馬にとって出遅れは致命的。今回は出遅れても回りに先行したい馬が居ないので先行出来るが、出遅れたらスキルヴィングをマークする方向になると予想。総合的に見て鞍上が危険。

3枠5番 ソールオリエンス 牡3 横山武史
脚質:差し 父キタサンブラック 母スキア

2冠馬誕生なるか...。皐月賞は短い中山の直線で後方からの追い込みを決め勝利を飾った。展開は前半58.5秒でHペースの中後方待機の同馬には向いたが、直線だけで勝ったのは周りにいた同じ脚質の馬よりも1枚上手。皐月賞のタイムも重馬場で比較が難しいが、良馬場であれば歴代の名馬と肩を並べても遜色ないだろう。近2走は中山競馬場で強い勝ち方をしているが、展開が2走とも向いており、リバティアイランドみたいな展開不利の中勝っているわけでは無いため、リバティアイランドよりも信頼度は下げざる負えない。鞍上は2年前のダービーではハナ差で負けているが、数字にも表れている。中山競馬場では勝率18.9%あるが、東京競馬場では9.6%まで下落。あまり東京競馬場を得意にしているといった印象は無く、むしろ苦手か。他の騎手より勝率が高いのはさすが一流騎手。
今回も展開面においてはあまり不利にはならない予想ですので有力馬の中でも一番中心として扱えるが…。

3枠6番 ショウナンバシット 牡3 M・デムーロ
脚質:差し 父シルバーステート 母ギエム

前走は外が伸びる皐月賞で5着。パワー型のイメージがありスピードの求められる東京コースでは分が悪いが、スタミナがあるため、先行し粘りこみが効く展開になれば掲示板内を主張してくる存在になっても。

4枠7番 フリームファクシ 牡3 吉田隼人
脚質:先行 父ルーラーシップ 母ライツェント

前走はポジションが上手くいっていなかったように見えた。前々走のきさらぎ賞までの4戦は先行しており、上りも使えて先団グループからの抜け出しで勝っていた。それに比べ前走は終始10番手からの競馬。馬郡を捌くのは得意ではないようで、今回は先行して王道競馬をして行ければCコース替わりの東京コースで一発あっても。乗り替わりはマイナス。

4枠8番 メタルスピード 牡3 津村明秀
脚質:差し 父シルバーステート 母マイビビアーヌ

前走は皐月賞で4着だが展開が向いた感じがする。先行勢は崩れる中、道中は中団外目の馬場の綺麗な場所で脚を溜め、直線でも伸びるコースを走っていた。皐月賞で負けた上位3頭に逆転は難しいと判断したい。

5枠9番 グリューネグリーン 牡3 石川裕紀人
脚質:逃げ 父ラブリーデイ 母レディーダービー

前走Hペースの皐月賞で先行した馬の1頭。負けたはしたが着順以上に評価は下げる必要はないと思う。前々走の弥生賞では勝ち馬に0.5秒まで迫っており、現在の18人気は評価がされて無さ過ぎではあるが、上位人気の馬たちとは勝負付けは済んだ感じはする。逆転までとは。

5枠10番 シャザーン 牡3 岩田望来
脚質:追い込み 父ロードカナロア 母クイーンズリング

前走の皐月賞では6着と敗れた。先行していたわけではないので評価は出来ないが、直線の長い東京コースと調教の動きが良かった。見切るにはまだ早いか。

6枠11番 ハーツコンチェルト 牡3 松山弘平
脚質:差し 父ハーツクライ 母ナスノシベリウス

前走は青葉賞2着。勝ち馬に一旦は迫ったがそこから少し離されてスピード負けの感じがした。東京コースは合っているように見えているが、青葉賞で負けている点から力は足りていないと判断。展開の助けが必要か。

6枠12番 タスティエーラ 牡3 D・レーン
脚質:差し 父サトノクラウン 母パルティトゥーラ

なんで松山騎手じゃないんでしょうか。松山騎手の方がいいと思うが。レーン騎手は短距離がお国柄強く、距離が長ければあまり信用してはいけないと個人的に思っている。馬は前走のHペース皐月賞を、5番手からレースをし、先行向け出しで2着に来ているため一番強い競馬をしたんではないでしょうか。東京コースで行われたG3共同通信杯では4着に負けているものの、勝ち馬には0.2秒差と迫っており、東京コースが不得意といった印象は無い。Cコース替わりの芝で先行も出来るタスティエーラは展開向くか。

7枠13番 シーズンリッチ 牡3 戸崎圭太
脚質:差し 父ドゥラメンテ 母エバーシャルマン

前走は同馬にレース向き。メンバーレベル上がる今回はそこまで評価は出来ない。

7枠14番 ファントムシーフ 牡3 武豊
脚質:先行 父ハービンジャー 母ルパンⅡ

鞍上は武豊。ダービーめっちゃ強い。前走は3着だが、不利のオンパレードだった。スタートで接触し、向こう正面で落鉄、直線では前が詰まりスムーズならソールオリエンスにもう少し迫れた。特に雨の滑る馬場を落鉄したのはかなり不利に感じる。滑る馬場にグリップが効かない状態で走っており、無駄にスタミナと足元を気にしないといけなかった。2着のタスティエーラには逆転出来ていた可能性もあったのと、鞍上が武豊、調教抜群でかなり期待したい1頭。東京コース替わりも◎

7枠15番 ノッキングポイント 牡3 北村宏司
脚質:差し 父モーリス 母チェッキーノ

前走は足も溜めて直線もスムーズに捌いたが、1着のシーズンリッチを評価していないため、同じように展開向いたノッキングポイントもそこまで評価しない。

8枠16番 パクスオトマニカ 牡3 田辺裕信
脚質:逃げ 父ヴィクトワールピサ 母ディープラブ

前走はリステッド競走でSペースで逃げたパクスオトマニカには展開向いた。今回は同型もいてSペースにはなりにくそうなのと、メンバーレベルがめっちゃ上がる今回は厳しいか。

8枠17番 ドュラエレーデ 牡3 坂井瑠星
脚質:逃げ 父ドュラメンテ 母マルケッサ

前走は海外のUAEダービーで2着。僕はまだ海外いった事ないのにズルい。レース自体は展開向いた感ありの2着なので素直に評価しない方が賢明か。前々走のホープフルS1着だがSペースの前残りの展開を2番手で先行した同馬は展開向いた。着順以上には...。東京コースでスピード負けしそうだが。

8枠18番 サトノグランツ  牡3 川田将雅
脚質:差し 父サトノダイヤモンド 母チェリーコレクト 

加速が遅いイメージ。外枠は無いわみたいな表情をしていた鞍上の記者会見。18番は厳しいか。



3.データ予想


枠別

1枠【3-2-1-14】 連対率25%
2枠【1-1-3-15】 連対率10%
3枠【1-0-1-18】 連対率5%
4枠【0-2-1-16】 連対率11%
5枠【1-1-0-18】 連対率10%
6枠【1-2-2-15】 連対率15%
7枠【2-1-1-25】 連対率10%
8枠【1-1-1-27】 連対率7%

オークスと同様に人気薄は内枠から。
人気馬は基本枠関係無い。


人気別

1人気【3-2-2-3】 連対率50%
2人気【1-3-1-5】 連対率40%
3人気【3-3-1-3】 連対率60%
4人気【1-1-0-8】 連対率20%
5人気【1-1-0-8】 連対率20%
6~9人気【0-0-3-37】 連対率0%
10人気~【1-0-3-84】 連対率1%

1番人気は安定しており、上位5頭が堅実に走る。
穴馬は3着が精一杯か。が3着には波乱を演出する馬も来る。過去10年で6頭もの6番人気以下が絡んでる。


ローテーション別

・皐月賞     【7-9-6-69】 連対率18%
・京都新聞杯   【2-1-0-19】 連対率14%
・青葉賞     【0-0-3-20】 連対率0%
・毎日杯     【1-0-0-5】  連対率17%
・プリンシパルS 【0-0-1-8】  連対率0%

皐月賞組がやはり強い印象
青葉賞組はレース間隔が短く不調気味で。


前走着順

1着 【4-4-3-34】
2着 【2-3-2-27】
3着 【1-2-1-9】
4着 【1-0-0-8】
5着 【1-0-1-7】
6~9着 【1-1-3-30】
10着 【0-0-0-33】

前走2桁着順の馬は壊滅的。
展開や不利があってもある程度粘る強さが無いと厳しい

「前走2桁着順」のデータ該当馬
1枠1番 べラジオオペラ 皐月賞 10着
2枠3番 ホウオウビスケッツ 皐月賞 17着
5枠9番 グリューネグリー 皐月賞 11着


高好走率データ

1番人気の皐月賞馬 【2-2-1-1】

該当馬
3枠5番 ソールオリエンス


低好走率データ

16年以降キャリア6戦以上 【0-0-2-44】
さらに、4着以下が2回以上の馬は複勝圏内すらない

該当馬
2枠4番 トップナイフ    9戦 【2-3-1-3】✖
3枠6番 ショウナンバシット 6戦 【3-1-0-1】◬
4枠8番 メタルスピード   8戦 【2-0-3-3】✖
5枠9番 グリューネグリー  6戦 【2-0-1-3】✖
8枠16番 パクスオトマニカ  6戦 【3-1-0-2】✖
8枠17番 ドュラエレーデ   6戦 【2-2-0-2】✖


低好走で有名な皐月賞からの乗り替わり。乗り替わりの馬は好走例が少なく、3番人気以内だった馬も【0-0-0-7】と着外に。頂点を目指す舞台が故に、即興コンビではなく、お互いに信頼しあえる関係がりそうか。


4.展開予想

 

近年の競馬はトラックバイアスなどとても重要になってきてます。展開が向かなければ着外なんてことも良くあります。展開はやはり逃げ馬がカギを握っていますが今回はどうでしょうか。

ドュラエレーデやパクスオトマニカ、前走先行策のべラジオオペラがハナを切るか。そこにトップナイフの横山典弘も競ってくる可能性もあり、ある程度流れる予想ではあるが、皐月賞よりもペースは落ち着くため、皐月賞で先行した有力馬は今回脚を残したまま直線へ向かう。道中はあまり動きがラップ分析から無いと仮定して、最後の直線まで平凡か。

最後の直線は熾烈極まりない。内は先行勢がスタミナが切れかかり、後退し始める。そうすれば脚を残している先行した有力馬が進路を確保するため、外へと各馬が進路を取っていくだろう。後方待機勢はかなり外を通ってくる事に。ソールオリエンスは中山競馬場でも差せるギアがあるため、今回もそこまで焦らず、追い出しを図る。そのなかでファントムシーフ・タスティエーラ辺りが抜け出しソールオリエンスが差し切れるか。

5.予想


土曜日のトラックバイアスを見て判断。


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