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人生におけるチャンスの賞味期限(SmartMeeting正式リリースに向けた想い)

思い返すと1年前。会議改善サービスを作ろう!と言い出したとき、私は1人でした。まだ当時は会議をツールで改善するという発想はあまりなく、珍しがってくれる人はいつつも、その未来を誰も本気では信じていなかったと思います。

そんな会議改善サービスの社長として、プロダクトの正式リリースの日を迎えられたことを心から嬉しく思います。

プレスリリース
日経新聞
TechCrunch

そこで、今日ここに至るまでに考えていたこと、自分が持っている矜持を文章で残しておこうと思います。

スタートアップを創業して生き残れたと思う理由

私のようなスタートアップ創業者は、今の延長線で現実を考えるのではなく、我々が現実を変えるのではなく、むしろ逆で、現実があるべき姿に変わりたがっているその声をもらさず拾い、それを具体化し実現することを使命としています。

そして、世のスタートアップのほとんどが消えていく理由は、この声を聞けないか、それを具体化する術(スキルや経験、知見など)を持たない、こういった原因もあります。しかし、何よりも実際に現実にしようと「試す」ことをしないからです。

ホンダの創業者である本田宗一郎さんはこう言います。

人生は見たり、聞いたり、試したりの3つの知恵でまとまっているが、多くの人は見たり聞いたりばかりで、一番重要な“試したり”をほとんどしない。ありふれたことだが、失敗と成功は裏腹になっている。みんな失敗を恐れるから、成功のチャンスも少ない。

ほとんどの人は、そのあるべき姿の現実を具体化するために試すことをしません。または試したけど、十分な回数試すことをしないまま消えていきます。

似たような言葉で「座して死を待つよりは、出て活路を見出さん」というのは三国志で有名な諸葛孔明の言葉です。これこそがスタートアップの基本であり、最高の生存戦略だと確信しています。

まだ日本だけでなく世界でも誰も成し遂げたことのない会議改善という領域でサービスを創るために、とにかく意識した点がこれでした。まず試すこと。それも、超クイックに試しまくること。これを繰り返してきたからこそ、SmartMeetingはなんとかプロダクトとして生き残ることができたのではないかと思います。

正直、ここに至るまでの道のりは決して楽ではありませんでした。山ほど失敗して、お客様にもメンバーにもたくさん迷惑をかけました。でも、失敗をしても良い意味で懲りずに、とにかく仮説検証を高速で行い、試し続けたのはとても大事なポイントだったと振り返って実感します。

人生において、この「試す」という行為の重要さを、創業してから痛感することがとても多かったです。チャンスが手元にあるうちに何度試すことができるか。それがスタートアップの生存戦略です。なんとか生き残れて本当に良かった。

人生に遅すぎることはない、だけどチャンスに賞味期限はある

SmartMeetingは私にとって、人生で最後のワンチャンスだと本気で信じて仕事をしています。これを誰かに言うと

「そんなことないよ!」
「まだ若いんだからチャンスはあるよ!」

と言ってくれます。確かにそうかもしれません。でも、もし自分の人生にセカンドチャンスがないとしたら?もう次に打席はまわってこないとしたら?

人生はNever Too lateと言います。これは間違いないと思います。人生その気になれば遅すぎることはない。ですが、これは正確ではありません。人生は遅すぎることはない。ただしチャンスには賞味期限があるのだと。

私は昔いた会社で40代の先輩と飲んでいる時、こんなことを言われました。

「俺にはチャンスがなかったんだ。起業したり、独立したり、そういう大きなことをするチャンスがね。いつのまにかこんな歳になっていた」

これが当時なんとなく印象に残っていたのですが、今になって思うと、その人のチャンスの賞味期限はすでに過ぎてしまっているのかもしれません。チャンスはまだ手元にあっても、その鮮度はガクンと落ちてしまっていて、今から頑張っても大きな成功にはならない、という状態です。

おそらく、チャンスは誰にでも平等に巡るものだと思います。では成功する人とそうでない人を分けるものは何か?もっと言えば、悔いのない人生とそうでない人生の違いは何か?それは、チャンスの賞味期限が切れる前に、打席に立ったか、バットを振ったかなのだと思います

そして、成功は実力だけでは成しえません。世の中には、実力と才能があっても成功できていない人が山程います。成功には、タイミングと、実力と、そして運この3つがMAXに重なるチャンスを活かさなければいけません。そして、おそらくこんなチャンスは人生でそう何回も巡ってきません。これこそがチャンスの賞味期限なのです。この3つが奇跡的に揃うときこそが「チャンスの旬」なのだと思います。巡ってきたチャンスを、最大限活かすことができる人生のポイント。私にとって、SmartMeetingはこのポイントに立っているという確信があります。

「今」を希薄化した先にチャンスはない

もちろん、先のことは誰にも分かりません。ただ、私が何度も心が折れそうになってもここまで進むことができたのは、メンタルが強いからではありません。ただ、人生を後から振り返ったときに「あれが俺のチャンスの賞味期限だったんだな…もっと頑張ればよかった」と後悔することが恐ろしかったからです

バスケ漫画の金字塔スラムダンクにも、こんなセリフがあります。最強・山王工業との試合で背中をケガしてしまい、試合に出るのを止められた主人公・桜木の一言です。

「オヤジの栄光時代はいつだよ…全日本の時か? オレは………オレは今なんだよ!」

自分の人生の栄光時代がいつなのかは、死ぬまで分かりません。ただ祈るのは、チャンスが自分の目の前を通り過ぎていっても、才能のきらめきが自分から去っていっても、「自分はやれるだけのことはやったのだ」と思えること、これこそが大事なことなのだと思います。その結果は二の次、なによりもまず、賞味期限が切れる前にチャンスをつかむこと。これが誇りある生き方だと思います。

起業をするとき、十分な知識と経験が揃ってからやろうと考える人が多いと思いますが、すべての条件が100%揃うことはおそらく人生でありません。なにかしら不利な状況であったり、足りないものがあるなかで、チャンスにしがみつく逞しさがなければいけません。人間、体力は年齢とともにどうしても減少していきます。準備万全ではなくても、チャンスが巡ってきた時に勝負をしておくべきなんだと思います。

人は、いくらでもチャンスを希薄化できます。

・また次のチャンスがあるさ
・今回はコンディションが悪かったから仕方ない
・周りが応援してくれないから難しい

こう思いたくなる気持ちはわかります。ですが、人生は長くても、チャンスは一瞬で過ぎていきます。自分の中で才能がきらめいている間に、どうしてもこの世に何かを残したかった。それが私の原体験です。

まだスタート地点、されどスタート地点

色々と書きましたが、まだここはSmartMeetingにとってはただのスタート地点です。全ての勝負は、ここから始まります。ですが、スタートアップにとって、このスタート地点に立てることがどれほど難しく、価値があることか。それを噛み締めて、次に進もうと思います。

EminemのLose Yourselfという曲の歌詞に、こんなのがあります。

So here I go, it's my shot, fail me not. This may be the only opportunity that I got in lifetime.
弾は1発だけ、絶対に外すな。これが人生最後のワンショットかもしれない

私はこのワンショットを活かして、日本の生産性を上げるプロダクトを作りたいと、ずっとずっと本気で思ってきました。これからも最高の仲間とともに、試しまくって前進していきます。チャンスの賞味期限が切れる前に。

ここからが本当の勝負です。何卒、応援いただけますと幸いです!

※ P.S.各職種、絶賛採用中です!



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