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SmartMeeting2020年の振り返りと新年の抱負(スタートアップ2年目の生存者バイアス雑記)

こんにちは、SmartMeeting代表の佐々木です。2020年もなんとか生き抜こることができました。スタートアップとしては2年目がもうすぐ終わり、今年はプロダクトの正式リリースもできた大きな意味を持った1年でした。

日頃応援していただけている方々やお客様、友人に近況報告もかねて、今年起きたことを綴っておきます。

スタートアップ地獄の1年目を生き延びることができた嬉しさ

去年の今頃は、正直に言って精神的に死にそうでした。いや本当に、地獄のような日にでした。ちょうど1年前にこちらの記事を書いたのですが、今だから言えますが自分の精神安定のためのアウトプットでした(笑)

なぜ辛かったかと言うと、秋にクローズドβを11月に出した後、お客様から手厳しいダメ出しをもらって「あ、このままじゃ会社がつぶれる」と思わされ全員でプロダクトの方向性を探っていたからです。

お客様に実際にプロダクトを提供してみて、会議改善というコンセプトには強く共感してくれることが多かったのですが、それを実際にどう解決するか?というソリューションを間違えておりお客様に提供できていませんでした。

スタートアップの用語でいうと、いわゆるPMF(Product Market Fit)ができていない状態です。スタートアップのほとんどは、ニーズがないところでプロダクトを提供してしまうことが原因だと言われています。

さらに言えば、PMFはProblem Solution Fitと言って、ニーズはつかめていてもそれを本当に解決できるソリューションが提供できるのか?という観点があります。適切なニーズ把握とソリューションの提供が2つ揃って、はじめてスタートアップは成功の道のりを歩むことができるのです。しかし、大半のスタートアップはここに至ることができません。

SmartMeetingの場合は、ニーズ(会議改善)は明確だったのですが、これを解決するための機能提供をすることが初期できていませんでした。会議改善という領域は日本だけでなく世界でもまだどこの企業でも大成功しているとは言えない珍しい領域なので、先行者プレイヤーは誰もいません。なので、SmartMeetingは自分たちだけで会議改善の「ソリューション」を見つけ出す必要がありました。これが判明したのがちょうど1年前ごろなので、去年は「来年にソリューションを見つけられなかったら会社潰すしかないな」と思っていました。

今でこそいろいろな方に「SmartMeeting順調そうですね!」と言っていただけるようになりましたが、1年前は本当に辛かったです。いやー生き残れてよかった、生存者バイアス満載ですが言わせてください、やってやったぞと。

これも一緒に頑張ってくれたメンバーと支援いただいたお客様のおかげです。本当にありがとうございました。

しかし、スタートアップにとってこれはただのスタート地点ですので、まだまだこれからです(PMFについては死ぬほど考え抜いたので、これは別途記事でまとめます)。

お客様から口コミで自然と広まるようになったプロダクトの質

そんな中試行錯誤し、ちょうどPMFをしたなと思えるようになったのが、今年の2月ごろでした。お客様からのリアクションが変わってきたからです。

「SmartMeetingのおかげで会議が明らかに良くなりました!」
「打ち合わせで使ってる会社から紹介してもらいました、これは神ツールですね!」
「うちの新人の会議教育コストがほぼ0になりました」

こういう声をいただけるようになり「お、これはいける!」と思えるようになりました。これがちょうどクローズドβリリースから3〜4ヶ月経過したころ。お客様は正直なもので、良くないと思っているものはどれだけゴリ押ししても使ってくれません。逆に、良いプロダクトであれば黙っていてもある程度広まっていくものです。この違いをSmartMeetingで実際に実感しました

手前味噌ですが、SmartMeetingは提供したお客様から「本当に使いやすいね!」と言っていただけることが多く、UIについても創業メンバーがこだわりぬいた努力がやっと実ってきました。

よし正式リリースだ!と思ったのもつかの間、ちょうどコロナ渦で緊急事態宣言がはじまり、世論がコロナ一色になってしまったので、これはタイミングを改めてリリースした方が良いと思ったのが3月でした。

図らずもリモートワーク、DX推進の流れはSmartMeetingにも追い風でしたが、この頃はこの先どうなるかドキドキでした。企業もリモートワーク対応におわれ、新しいツール導入どころじゃなくなっていたからです。早くコロナ収束してほしいですね。

スタートアップ2年目で起きたことと失敗

そんな騒動がありつつも、SmartMeeting正式リリースは8/26に無事行うことができ、大変多くの反響を頂きました。

こちらのツイートは1300RT、4900いいねを超えるバズり方でした。

リリース後はSNSや企業間での口コミでお客様のご利用申し込みが殺到し、私は1日で平均5〜6アポをこなす日々が続きました。まさに貧乏暇なし、嬉しい悲鳴というやつです。

私がセールス対応に追われているため、プロダクト開発やカスタマーサクセスは社内のメンバーに権限移譲することにしました。各自それぞれが自立駆動で動いてくれたため、リリース後の超絶忙しい時期もなんとか乗り切ることができました。

しかし、私がこの時犯してしまった失敗が2つあります。1つめは権限移譲のやり方が甘かったこと、2つめは自分が忙しすぎて組織の違和感に気付くのが遅れたことです。

1つめ、権限移譲は成長する企業であれば必ずどこかで必要になってくるプロセスですが、SmartMeetingはまだ社員1桁数のときからこれを意識して行っていました。初期は私がプロダクトの仕様をほぼすべて考えていましたが、共同創業者のエンジニアにほぼ全権を移譲しました。

しかし、この時のパスが甘かったために機能開発の認識のずれ、目的意識の希薄化などいろいろな問題が起きました。幸い大きな問題にはならずお客様にご迷惑をかけるまでには至りませんでしたが、権限移譲はしっかり目的と意図、そしてビジネスとしての戦略を理解できるようコミュニケーションを取ることが前提の行為です。私はコロナ渦でリモートワークになったこともあり、細かいフォローや小さい認識のずれが発生してしまいました。それと重なって、私がプロダクト正式リリース後のお客様対応で忙殺され、打つ手が遅れました。これが今年の大きな反省です。

スタートアップは常に忙しい生き物ですが、社長はいつも8割くらいの力で仕事をして、残り2割はメンバーや会社全体が適切な力学のもと動いているのか、問題があればすぐに動けるようにしておくことが大切なのだと学びました。いつもいつも忙殺されている社長では、メンバーも相談しにくいですし、社長自身も精神的な余裕がなく思考の質が下がってしまいます。忙しければ良いわけではない、やるべきことと同時に「やらないこと」をより強く意識するきっかけになりました。スタートアップというものは忙しくなければならぬ、でも忙しすぎてはならぬ。とても繊細なバランスのもとで生きているのです。

とはいえ、お客様は増え、プロダクトの質も上げることができたので、2020年は問題もありましたがまずまず会社としてはうまくいった1年であったと言えると思っています。

それ以外はお客様も増え、比較的順調に会社として前に進めています。正式リリース後は登壇・取材依頼も増えました。

2月にICC Fukuokaでスタートアップ・カタパルトに登壇

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SmartHRグループ会社のみんなで登壇

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3年目に起きそうなことと&目指す方向

SmartMeetingにとって2020年が生き残りをかけた1年だったとすれば、2021年はSmartMeetingにとっては会社としてビジネスとして確固たるものを作り上げるフェーズだと思っています。2020年はプロダクト作りにとにかく専念し、お客様の課題解決ができるよう注力してきました。それはお客様のリアクションからも、ある程度そう言えると思います。

2021年は良くなったプロダクトをもとに、社内の体制を構築しよりお客様へ提供できる価値を上げていくことを目指します。そのためには、セールス、カスタマーサクセスの強化と密な連携、マーケティング活動の開始などがメインになります。もちろん、プロダクト開発としてエンジニアとデザイナーにはより良いプロダクトを作り続けてもらうことを前提に。

夏にオフィスで撮ったアー写っぽいやつ

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スタートアップにとって3年目というのは、大きな意味を持ちます。世界で最も成功したビデオチャットツールのZoomも、正式リリース前の2年間はずっとプロダクト開発に費やしています。Googleも、最初はYahoo!の検索エンジンに相乗りし、少しずつ独自開発し今では今では世界一の検索エンジンを作っています。

世の中に強いインパクトを残すためには、潜る期間が絶対に必要です。SmartMeetingの場合はPMFをするまでの1年半、全速力でプロダクトを磨き込んできました。今度は、それをより広く使っていただくために頑張っていきたいと思います。

SmartMeetingはまだまだここから大きくしていきます。ぜひ2021年もご支援いただけますと幸いです!


P.S. 各種ポジション採用中です!
我々はまだスタートアップですが、会議改善を通じて日本の生産性をぶち上げるようなプロダクトを作ります。ご興味ある方はカジュアル面談からぜひ!


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