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私は十四歳の女の子アナ でも三千年生きています

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アナは十四歳の女の子。 でも、アナは普通の女の子ではない。 アナの姿は誰にも見えない。 アナの声は誰にも聞こえない。 アナに触れる事は出来ない。 アナは齢を取る事がない。 アナ…
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#転生

1、アナ

私の名前はアナ。十四歳。 知っている事はこれだけ。他の事は何も知らない。 身体(からだ)の…

40、来世

まずい、非っ常にまずい!  これは間に会わない可能性が俄かに浮上していますよ?  俺の脚…

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38、アナ・ウロングクスヌク・ピエトリ・ユタ

「あれは私? アナ・ウロングクスヌク・ピエトリ・ユタ?」   私は耳を疑った。 ……まさか…

35、見知らぬ惑星。神だった頃の断片的な記憶

柔らかな風が頬を撫でる。 暖かく心地いい風。 スカートの中にも暖かい風が入りこんできて、少…

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29、新たな世界、新たな三千年。しかし…

私の存在の基点となる家……シンの住む家。 私は……私はシンの部屋、シンの部屋の窓辺に立っ…

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16、アナの初恋

二〇〇六年七月二十二日、土曜日。 高校一年の夏休み二日目。 腕時計の針は午前十一時三十五分…

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13、新たな世界~独りになったアナ~

――体が動かない。 私はうつ伏せの状態だ。 この態勢のまま動けない。 ……いや、動ける。でも、動きたくない。 出来たらこのままでいたい。心地良い。何、この感覚?  鼻から肺に空気が入りこんでくる。 そう思ったら、今度は肺から鼻を通って空気が抜けていく……。 その度に鼻の奥が詰まる。鼻の奥は細かく震えて豚の鳴き声みたいな音を立てる。 ……私の意識はなくなったり戻ったりしている。 一体、私はどうしてしまったのだろう?  お風呂の水をかき混ぜた様に頭の中がゆっくりと回転している