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私という鍼灸セラピストが出来るまで

 最近は意識して自分自身の職業をセラピストと名乗る事にしている。鍼灸師という仕事は国家資格であり、「鍼を打つ」というインパクトが強い職業であるため「鍼灸師」という方が楽なのだけれど。(実際、鍼灸師の○○です。と名乗るのが当たり前になりつつあったのも本当の話)
 敢えて「セラピスト」という事にしたのは「鍼灸」をする事よりも、「癒す」を大切にしたいと思ったからである。

 ありがたい事に2か月先まで予約が埋まる昨今。2018年に独立してもうすぐ3年であるが、個人で施術する人数はおそらくその辺の人気鍼灸院の中でも多いと思っている。そして90%以上を誇るリピート率。
 忙しいけど、心を込めて仕事をする今の状態に不満も不安もない状態なので、とてもありがたいと思っている。と同時に私自身が癒す人の限界値が見えてきた。でも、もっと多くの人を癒したい・・・。そう思った時に、今後私がすべきことは「癒す側」の人を増やしたい。と思った。

 そう思っている今日この頃、同業の方から独立するためにはどうしたらいいの?というような相談をチラホラ受けるようになったり、現在独立準備中。という方の相談に乗る事が起こるようになってきた。
 相談を受ける際に私が話を聞いていて私自身が仕事をしている上でとても大切にしているという事が見えてきたので少しだけ書いていきたいと思う。


・自分の技術に自信があるのか
・ちゃんと名乗ろう
・やりたい事は明確にしよう(今何がしたいのか、何が足りないのか、未来はどうなっていたいのか)
・お客様の立場に立つ(お客さまが喜ぶ事=私が喜ぶ事では必ずしもない)
・困っている人の気持ちを理解する
・治療のゴールを共有しているか
・否定から始めない
・怒らない、しかる。
・人に期待しない
・まず動く
・人がいやがる仕事は率先してやる。
・自分の怒りと向き合う。
・人が動きたくなるキッカケを作る。

 ほとんどの職業は若い人の方がいいと思われがちだ。
スポーツ選手の寿命は驚くほど短いし、そうでなくてもあらかたの職業ではピークは40代~50代ではないだろうか。
 アンテナが立っていて、判断力があり、俊敏に対応できる。センスも良く、柔軟性がある・・・。若さとは取り戻せないし、やはり若いうちにいかに多くの経験が出来るかというのはあるなぁ。と40代のステップにあがった私は思うのです。
 しかし、鍼灸師は若ければいいわけではない珍しい職業だと思っている。
鍼灸師歴よりも、見た目の年齢が若くてきゃぴきゃぴしている人にはなんとなく任せたくない。仙人のようなおじいちゃん、おばあちゃん先生の方がなんとなく効きそうな気がする・・・。私自身、鍼灸師になってよかったと思ったポイントは「年齢がアドバンテージになる。」という事だ。

 年齢のアドバンテージの要素の中でも大きいのが「安定感」なのだと思う。

・この人に任せていれば安心できる。
そういう気持ちにさせる事が出来るかはとても重要だ。体調が悪い時、もしくは何か体の異常を感じている時に「この人・・・大丈夫?」って思う人に体を預ける事は出来ない。

 私がイメージする良い鍼灸師、鍼灸セラピストである一番大切な条件は

自分の治療に自信があること。

 当たり前だと感じる人、いやいや、自信がないから学び続けるのだ。という人もいると思う。自分の学んでいる流派や手技に自信がないのにお金をもらって治療をするというはあり得ないと思っている。私も自分の技術はもっと伸びるし、もっと良くなると思っているので学び続けている。
 私が比較的に早く独立して事業が安定した一番の理由は自分の治療に自信があったからに他ならない。もし、自分の治療に自信がないのだとしたら、今一度自分の治療に自信がない理由とやるべき事のトップにおいて努力する事をおすすめします。なぜ自信が必要なのか理由を挙げると

①来てくれるクライアントに失礼だから。
お金と時間を使ってくれる人に自信を持って治療できない、今ある全てをかけて治療が出来ていないというのはとても失礼だと思っている。
自分がそんな人の治療受けたい?と思ってしまう。私は嫌です。絶対。
そして、自信がない人ってやっぱりわかってしまう。

②途中で必ず苦しくなる。
後ろめたい気持ちでお客さんを送り出す。次回予約が取れないと自分の技術のせいかと思ってしまう。自分の技術を安売りしてしまい、なかなか修正できなくなってしまう。続けていけば行くほど苦しくなる。

③問題が起こった時にそこでループしてしまうから。
何かトラブルが起こった時に自分の未熟さと問題の本質がそこになくても技術をインプットする事に終始してしまい問題の本質から逸れてしまう。
問題の本質を見誤ってしまう可能性が高いし、たとえ新しい技術を習得してもきっとまた同じ問題に直面する。

 やっているうちに自信が付くなんて嘘だと個人的には思っている。自分より治療がうまい人なんて周りにはたくさんいるかもしれないし、そこにとらわれ過ぎてしまう事で目の前のクライアントに向き合えない。
自分のやってきた事、出来る事を信じる。そこからしか自信は生まれない。

 自分の治療に自信を持てる努力をしましょう。まずはそこから。
また根拠のない自信を持たないよう気を付けましょう。「根拠ない自信」の怖い所は自分の治療技術が大した事なくても持ててしまう事・・・。

 かくいう私は「反応点治療」という治療法を普段の鍼灸治療で行っている。この流派を学び、治療に採用した事には理由がある。

これしか治療に自信を持てる方法はないから。


伝統的治療を否定するわけではない、しかし術者によって治療の効果も弁証論治も統一出来ない治療では治療がうまくいかない時に考える事が多く出てきてしまい、パフォーマンスは悪くなる。
反応点治療では継続的なケアを目的とした鍼灸治療が可能になる。どこにいても、誰が治療しても反応点治療であればある一定の治療効果が得られる。
これは鍼灸師の人にとってはとてもありがたい技術なのではないかと思っている。

実際、反応点治療で治療を行っていて、治療の場で困った事はない。この治療法を学んだ事によって私は自分の技術に自信をもって患者さんと向き合う事が出来たし、嘘のない治療が出来ていると思っている。

あなたは自分の技術に自信がありますか?

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