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【SLAM DUNK】「パワーだけじゃねぇところを見せてやれ」〜「スラムダンク論語」再読

まだまだ冷めないスラムダンク熱。映画を見て昔買った単行本を引っ張り出した…なんて方も多いのでは?今回は名著「スラムダンク論語(遠越段さん)」と共に名場面を振り返りたいと思います。

「パワーだけじゃねぇところを見せてやれ」
第21巻より

映画には出てこない山王戦の前半。相手のパワー勝負に真っ向から挑む花道。何度も跳ね返されて意固地になる花道に赤木が「負けるな、パワーでもだ」とアドバイス。徐々に形勢を逆転させていく花道に「お前の勝るものを見せてやれ…」と更にノセる。褒められるとすぐに調子に乗る花道は「この男をパワーだけだと…?」とより一層気迫のこもったプレーでゴール下を守っていく…


湘北は花道、流川のルーキーコンビとリョータとミッチーという悪目立ち?いや、華のあるイケメン軍団ゆえに、キャプテンの赤木は後ろに構える守護神的存在として描かれています。性格は真っ直ぐでストイック、そのためチームメイトや先輩から煙たがられる一面もありますが、それだけバスケットに真剣に向き合っている証でもあります。

ですから当初、花道を見た時は「なんだコイツは」「バスケを舐めやがって」という気持ちだったと思います。(ま、花道も最初は晴子さん目当てで入部してますから仕方ないんですが…)その後、花道のポテンシャルや、彩子さんとの基礎特訓をこなしていく姿を見て、少しずつ見方を変えていきます。そして神奈川県大会、武里戦前には自らゴール下シュートを教えるまでに。(木暮くんが彼らの練習に付き合うシーンもいいですよね!)

久々に読み直しましたが、各シーンが目に浮かびました!

話は前後しますが、花道も海南戦で足を負傷した赤木の熱い思いを聞き、気の散っていた頭を整理し、「キングコング弟!」と言いながら気迫のプレイで赤木を喜ばせていました。

とはいえ赤木は口下手。普段はあまり口にしない褒め言葉を花道に伝え、俄然、花道はさらにやる気に。山王戦前半を耐え抜いた影には赤木のこの一言も効いていたのではないでしょうか。そして、この本の中では次のように続きます。

「子曰く、君子は、譲れないところは守り、決して譲らないが、融通のきかない、ただの頑固者ではない。」
論語 衛霊公第十五より

この本の中では花道のこととして解説されていましたが、改めて読み直すと赤木主将もなのかな、と思いました。山王戦のラスト、事もあろうか花道にカンチョーされ、プレス席に飛び乗る花道。いつものおバカキャラかと思いきや、実はチームに再び火を点けるパフォーマンス。かつての彼なら許せなかったかも知れませんが、花道を認め、庇い、受け入れる赤木。

このあたりは原作を何度も読み直したり、映画を見たりしながら気づいた一面です。見せ場、山場の多いスラムダンクですが、花道とゴリの邂逅も見ていて心温まるエピソードですね。ちなみに花道が必死に「ゴリ、まだ追いつけるよな!?」と叫ぶシーン。こんなチームメイトが欲しかった赤木は、きっと心の底から嬉しかったんだと思います。やっぱり花道カッコいいな(笑)

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