【映画】失敗したって、またチャンスを掴めばいい~「リバウンド」鑑賞記
最近とにかく「いい映画」に当たりまくっています(笑)。今回紹介するのは話題の韓国映画「リバウンド」。「THE FIRST SLAM DUNK」が私の中でバスケ熱を再燃させてくれ、続いて昨年のワールドカップ沖縄大会がまさに「事実は小説より奇なり」を地で行く奇跡の自力五輪出場権獲得という流れを呼び、そして今年に入ってお隣韓国での実話を題材にした素晴らしいバスケ映画と出会うことができました。今回はその「映画リバウンド」について書いていきたいと思います。
まずはストーリーの確認から
「実話」の持つ重みって大きいですよね。6人しかいないチームが全国大会で快進撃を続けるなんて、架空のストーリーならまだしも、繰り返しますがこれは「実話」ですからね。今回はそんな大まかなストーリーだけは押さえたうえでの鑑賞となりました。
テンポ感&笑いのツボがちょうどいい!
主演の元全国大会MVP選手でメンバーの指導を担当する、カン・ヤンヒョンコーチの飄々感がスタートからとても小気味よかったです。どなたかが書かれていましたが、六角精児さんにも似た風貌で親しみやすい雰囲気(本来の体重から10キロほど増量して、実際のカンさんに似せたそうです)。虚勢を張って、後に怯えてみたり、歓喜のシーンでは生徒の前でスカしていながら、一人になると身体全面で喜びを表現する(ここのダンスが絶妙!)シーンなんかは抱腹絶倒間違いなしです。一気に演じているアン・ジェホンさんのファンになってしまいました。
バスケシーンは想像以上に「リアル」
当然バスケリシーンが多いわけですが、いやー、相当リアルに撮られています。それもそのはずスタメン5人のうち、3人が実際に経験者(一人は実際に大学までバスケ選手だったという本格派)という一切の手抜きない布陣。中でもメインの二人である、ガードとスモール・フォワード(この二人が過去の因縁により犬猿の仲という設定)が、徐々に互いを認め合い、個人的なことよりチームの勝利という共通の目標に向けて、団結していく姿はこうしたスポ根映画の王道とはいえ、分かっていても胸熱でした。特にスラムダンクファンの方には、この二人が花道&流川のハイタッチ風のさりげないオマージュシーンもありますので、ここは必見です。
コメディリリーフな学校関係者陣のシーンも楽しすぎる!
この映画、本当に「悪役」が一切登場しないんです。ライバルチームは結果的に相手役として戦うわけで、決して悪い奴らではないですし、よくありがちな学校関係者にそうした敵役を設定する・・・なんてこともありません。舞台となっている釜山中央高校はかつては名門バスケ部だったそうで、今はメンバー減により事実上の休部状態・・・ということになってはいますが、やっぱり学校の関係者たちは、このバスケ部に愛着があるんですよね。ですから、影になり日向になりで、それぞれのカタチでバスケ部を応援していくんです。その輪がだんだんと大きくなっていって・・・。このあたりの挟み方が絶妙。白熱するバスケシーンの合間にちょいちょい「箸休め」的に入ってきて、クスッと笑えるんですよね。先生方も生徒たちもみんなめちゃくちゃ愛嬌ありまくりでした(笑)。
メンバー全員が素晴らしいんですが、一番共感したのは・・・
小学生の頃からのバスケ経験者でありながら、一度も試合に出ることなく、一番練習しているのになかなか上達できないホ・ジュユン選手ですかね。これが架空のストーリーなら、よくある設定なのですが、繰り返しますが「実話」ですからね。スタメンの一人が試合中の接触プレーで鎖骨を折ってしまい、戦線離脱。控えは彼しかいない、という状況でコートに入っていくジュユン選手。
もちろん当初は「足手まとい」でしかなく、全員が「やっぱり・・・」「ここまでか・・・」と思った次の瞬間、華麗な3ポイントシュートを決める、という涙なしでは観られない名シーンに。スラムダンクなら湘北の木暮くんを少し彷彿させるような(もちろん木暮くんはもう少し上手に描かれていましたが・・・)なんとも微笑ましいシーンでした。誰よりも一番練習し、上手くなりたいという気持ちが強かったジュユン選手が、このシュートを境に一気にメンバーの一員として認められていく展開は思い出しても熱いものがこみ上げてきます。
「リバウンド」に込められたメッセージとは・・・?
またまたスラムダンクネタで恐縮ですが、リバウンドと聞くとどうしてもゴリが花道に向かって「ちがーう!」と叫ぶあのシーンが蘇ってきませんか?さらにはファールを4つもらって亀のように縮こまっている花道に対して流川が蹴りを入れて目覚めさせるあのシーンとか。そこから花道のリバウンダーとしての才覚が再び戻ってくる名場面です。私もそんなわけで、プレーの中での「リバウンド」が映画のカギを握るのかな?と勝手に思っていましたが、全くの思い違いでした。
失敗しても、またチャンスを掴めばいい
今回のタイトルに書かせてもらいましたが、私は今回「失敗しても、またチャンスを掴むんだ」というメッセージを受け取ったように感じています。リバウンドというのは、外したシュートを拾って再びシュートチャンスを作る非常に大事なプレーです。一度シュートを外しても(失敗しても)、また(ボールを拾う=リバウンドを取ることで)チャンスを掴めばいいんだ」、これはバスケだけでなく、それぞれの人生においても同様だ、ということを伝えたかったのかな、とも思うんです。特にカン・コーチは選手として挫折を味わい、当初は高校生の監督となって、周りを見返してやるというように
「自分のために」動くのですが、これは間違っている、もっと本気で生徒たちのために優勝を狙おうと方向を転換したことから、徐々に自身の運気も上昇していくのです。
痛快・爽快!笑顔で映画館を後に出来る傑作スポーツ映画!
ま、私がバスケ好きということも大いに関わっているのですが、タイトルに書いたように、これほど清々しい気持ちで映画館を後にするというのは本当に気持ちが良いものです。できることなら、このままもう一回続けて観たくなるくらいでした(が、残念ながら終映間近だからか、1日1回しか上映がなかったのですが・・・)。ぜひぜひ、まだ間に合うのであればご覧頂ければと思います。ラストのFun.(懐かしい!)の「We were young」もサプライズでしたが、とても映像とマッチしていて良かったです。さらには大ラスに映る実在のメンバーと、演じていた役者さんたちのそっくり度が半端ない!このあたりはぜひスクリーンで確認してみて下さい。さて、恒例の感想ですが★★★★1/2(星4つ半)!←というか、最近高評価ばかりですね・・・笑。
番外編・・・いい映画は舞台裏もいい空気が流れている!
メイキング映像のYouTubeを紹介したいと思います。この映像を見ると、本当にいい意味で楽しそうに映画製作が行われている様子が伝わってきます。この場合の楽しいというのは、遊びの意味ではなく、全員で「良いものを作っていこう!」という気を感じる意味での「楽しさ」。パンフレットによると監督・脚本をはじめとした製作陣も一流スタッフがそろっているようですし、映像も迫力あるバスケシーンが満載です。そういう意味でも様々な面からパワーが結集してこの傑作が生まれたのだと思います。ちなみにこのメイキングをみていると、劇中の生徒役の皆さんとは全く違う、いわゆる「韓流スター」になっていて、そのあたりもビックリしました。
そしてもう一つ、主人公チョン・ギボム選手(実際のプロバスケ選手)が映画「リバウンド」を観てコメントをする、というかなり興味深い動画も添付しておきます。ま、ぜひとも鑑賞後にご覧頂けると良いのではないかと思います。
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